鰻川

巣ごもり日。朝は外に出ず、コーヒーだけ淹れて有り合わせで済ませる。洗濯。

昼間抜け出す。いい天気。やや風はあるが、それも春の気配を運んでくるよう。朝淹れたコーヒーがあるので、昼はパンにしようかな。

地蔵坂に。子育地蔵堂に俳句が奉納されている。令和三年睦月とあるから、なんだ、案外新しい。このへんで句会をやっている人たちがいるんだな。俳句は私も興味がないことはないが、素人が我流でひねるより、形だけでも宗匠につきたいものだ。入船亭扇橋師のような。

白鬚神社。玉垣は「墨田カフェー協同組合一同」と読める。墨田、とあるからには戦後の墨田区成立以降に寄進されたものだろう。推察するに、昭和22年から遅くとも昭和33年までの間か。

相変わらず向島百花園は休園中。公園の梅が盛りだったのはいつ頃だったか。

百花園近くのパン屋で鶏肉と水菜のハンバーガー、シラスとワサビのガレットを買って帰った。後者は出色。

夕刻、所用。

シラスというのは英語だと何と言うのか。baby sardineとでも言うほかなさそうだ。ちなみにスペイン料理で使うウナギの稚魚は、スペイン語でangula、英語ではelverというとか。

ウナギと言えば、イングランドにあるイーリーElyという市の名前は、ウナギのeelから来ているらしい。すごいね。いくら日本人がウナギ好きと言っても、鰻市とか鰻町といった地名は聞いたことがない、と思って念のためネットで調べると、さすがに市町村レベルではないが、ここからそう遠くもない、江東区の小名木川の名前は、ウナギから来ているという説もあるそうだ。小名木川は鰻川だったのか。本当かいな。

夜の散歩に。やや薄着で出たので、川風が肌寒い。今日は遠回りせず、いつもの銭湯に直行。

12,049歩。昼間30分程歩いて、夜は銭湯まで片道30分、帰りにもう30分。これでほぼ一万歩になる。この程度が宜しい。

Set It All Free

玄関前にゴミを置いて出た。雲間に青空が覗くのに、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてきて顔に当たる。お天気雨というやつ。折り畳み傘を開いて歩き出すと、後から、傘は持っていかなくても大丈夫だよ、という、近所の小学生の子供を送り出す母親の声がした。実際、程なく傘を閉じた。

小銭入れを家に忘れたことに気づいて、途中で取りに帰る等。実に間が悪い。

朝は持ち帰りサンドイッチ。昼はハッシュドビーフのようなもの。食後のコーヒーは省略のつもりで、代わりに自宅用に豆を100グラム挽いてもらったら、おまけに持ち帰りのコーヒーをつけてくれた。有難い。

夜は予定していた行先があったが、止むを得ず流れた。他に所用もなく、ぽっかりと時間が空く。しかも火曜日で行きつけの銭湯は定休日。

楽天地スパに。こういう何でもない平日の夜は、さすがにそれほど混んでいない。ひたすら放心。

このご時世だから、レストランが早じまいなのは仕方がない。何か飲みたければ、ソフトドリンクなら館内の自販機で買える。が、最近はスポーツドリンクの類も含めて、甘味のついた飲料を飲む気がしないから、自販機の前で麦茶程度しか食指が伸びない。

ふと、オールフリーを自販機で売ってくれないかなと思う。何か問題あるだろうか。レストランに瓶のオールフリーは置いているから、缶入りも取り扱えないわけではないだろう。

0時ぎりぎりまで居座って、東武線直通の最終電車に乗った。

駅前のコンビニでオールフリーを買って帰った。あまり個別の商品名を書くのは本意ではないが、これだけ毎晩飲んでいれば、やむを得ない。6,250歩。

ぼくの浅草案内

大降りではないが外に出る気を失わせる程度には雨が降っている。コーヒーを淹れて貰い物のバームクーヘンで朝にする。昼も家の有り合わせで済ます。

夕刻、雨が上がった。自転車で月いちのかかりつけ医に。薬局に寄って薬を出してもらい、一旦帰宅。

古今亭志ん輔さんのブログを覗いたら、浅草のひさご通りの蕎麦屋に行った話が出ている。ふと思い立って、小沢昭一さんの『ぼくの浅草案内』を取り出した。蕎麦好きの小沢さんだが、この蕎麦屋は出ていない。

しかし、改めて本書のページをめくると、かつて開いた時とは違う感興がある。コロナ以後、毎日のように浅草を歩くようになったからだろう。以前は、完全に外からの視線で浅草を見ていた。

本の中で小沢さんが一軒の銭湯を紹介している。浅草界隈には今でも銭湯がいくつか残っているが、小沢さんがこの本を書いた頃は、もっとずっと多くの銭湯が盛業中だったことだろう。

絵地図が示す銭湯の場所は、裏浅草のいつもの私の散歩道のあたりだ。へえ、どこだろう、まだ残っているのかな、と、銭湯の名前と場所を見比べると、おや、これは私が行きつけにしている銭湯ではないか。今は横文字を混ぜた名前にしているが、同じ漢字を使っているので、間違いないだろう。

夜の散歩に。隅田川テラスから白鬚橋を渡って、石浜神社に。

橋場不動尊を横目に通り過ぎて、橋場から清川、アサヒ会通りに。

玉姫稲荷神社に寄った。白猫が境内を横切った。

土手通りから千束通りに入った。写真の喫茶店は『ぼくの浅草案内』に出てくるが、何年か前に一度入ったことがあるはずだ。

下の大学芋屋も本書に出てくるが、もう店を閉めたらしい。残念。

件の銭湯に。

私の通う銭湯が、小沢さんもお気に入りだったと知って嬉しい。小沢さんの訪れた頃から建物は替わっているだろうが、深夜まで湯舟にお湯を溢れさせている様子は、小沢さんが書いているまま、今も変わらない。

湯上がり。先日の「火の用心」の暖簾が外されて、店の名前の入った元の暖簾に戻っていた。11,481歩。