蝙蝠

だらだらしていたら、出掛けるのが8時近くになってしまった。しかも何度も忘れ物に気づいて、玄関を出たり入ったりする。

外に出ると、はっきりと日差しが強い。これでは長時間歩くのはもう難しいなと思う。 あきらめて曳舟から電車に乗る。

喫茶店でモーニングの時間はなし。

道に見慣れないテントが出ている。近づくと何か撮影をしているようだ。スマホを構えたらスタッフらしい男に制するような身振りをされた。

今日に限らず、時々、散歩の途中で撮影している場面に出くわす。まじまじと見ることはないから、それがテレビなのか映画なのか、あるいは、もっと個人的にやっている配信の類なのか、よく分からない。ここ最近増えたような気もするが、私が散歩を始めたのはコロナ以後の話なので、コロナ禍で一時的に減っていたのが旧に復したのか、それも分からない。

撮影現場の前を通ったせいで、持ち帰りサンドイッチ屋に寄れなかった。コンビニに寄ったら、商品の入れ替えのタイミングにかち合ってしまったか、棚にサンドイッチの類が一切ない。あまり行かない店まで足を伸ばした。

昼間、抜け出して歯科治療の続き。

歯茎の腫れがまだ残っているので、本格的な治療は来週に持ち越しということになった。思ったより大工事になりそうである。

夕刻、諸事情で某所。

終わって銭湯に。

今までこの銭湯のことは名前を出して書いたことはないかも知れない。大黒湯といっても、押上ではなく、北千住の大黒湯である。

先週だったか、たまたま見かけたツイートで、この銭湯が6月末をもって営業を終了することを知った。

私がしばしば銭湯に行くようになったのは、散歩同様、コロナ以後の話なので、世間には数多銭湯好きのいる中で、私などが蘊蓄を垂れるなどは烏滸がましい。が、その限られた銭湯体験から見ても、ここは一等の銭湯と思われた。

ただ、残念ながら、ここには両手で数えられる程度しか来られていないと思う。拙宅から歩いて行ったこともあるが、一時間もかかるのでは、さすがに普段使いはできなかった。片道30分ほどで歩いて行ければ、もっと通っていただろう。

せめて廃業までに再訪したいと思っていて、タイミングが合った。

店の外には特に廃業を知らせる掲示はない。間違いであってくれればと、一縷の望みが繋がったような思いで中に入った。

脱衣場に掲示があった。やはり廃業は本当だったか。建物の老朽と店主の健康が理由として挙げられていた。

銭湯絵の西伊豆から仰ぐ富士の山容を目に留めるように湯槽と水風呂を往復した。露天岩風呂も名残惜しい。 脱衣場の天井絵をしばらく見上げてから出た。

旧街道のパチンコ屋の地下駐車場の入口から飛び出してきたのは二羽の小鳥か。いや、この時間だから、蝙蝠だろう。そういえば、蝙蝠は何と数えるのだろう、二羽、それとも二匹?

13,178歩。

パッチワーク

朝の散歩に。あらかじめスマホで地図を見て、行き先の見当をつけてから出た。

墨堤通りを北に歩いて、大正通りに入るつもりだったけれど、思いの外、車通りが多い。たまたまそうだったのかも知れないけど、気が変わった。もう少し先に歩いて、都民住宅の北側の道を入った。

あちこちでノアサガオの花を見かける。園芸植物のアサガオと違って、こちらは多年草らしいから、花をつけるのも早いのだろうか。季節の花がアジサイからアサガオに選手交替という感もある。

道なりに歩いたら、もと現代美術製作所のあった場所に出た。この道はここに出るのか。

東武線の高架をくぐり、五叉路を一番細い路地に入る。

向島保健所の裏を通って、水戸街道に出た。信号を渡ると目の前は何度か来たことのある寺島浴場である。

まるで、歩きながら断片的に知っている街をパッチワークのように繋ぎ合わせているみたいだ、と思う。

寺島浴場の前の路地を歩くと、曳舟川通りに出た。断片的な土地勘がにわかに繋がらなくて、しばし混乱する。

ともあれ、ここまで来れば京成曳舟駅は近い。例のサンドイッチ屋で、ハムカツのサンドイッチと、キウイフルーツのサンドイッチを買って帰った。

二種とも予定していなかった種類のサンドイッチだったけど、どちらもなかなか宜しい。今度は別のフルーツサンドも試してみよう。

帰ってから、汗になったシャツを早速洗って干したら、しばらくして雨音が聞こえ始めて、そのうちびっくりするような大雨になった。慌てて取り込んで部屋干しに変更。しかし、その雨も程なく通り過ぎたようだ。

昼は二階の食堂のルーローファンを持ち帰りで。

夕刻、所用。その後、米朝チャンネルの新企画「米印ワールド大喜利」の生配信を視聴。

米朝一門の噺家、桂佐ん吉、桂ちょうば、桂鯛蔵、桂二乗の各師による大喜利企画。ちょうばさんが司会者役になって差配する。月曜のワールドニュースで言っていたけど、佐ん吉さんとちょうばさん、鯛蔵さんと二乗さんがそれぞれ同期入門になるのだそう。

この四人の中で、ちょうばさんだけ、私は生の高座を見たことがない、と思う。番組の中では、鯛蔵さんから独演会に客が入らないと弄られていたけど、一度聞いてみたいな。私の好きそうなキャラクターである。

YouTubeのチャットに米紫さんや吉弥さんまで参加していた。普段見るだけの私も思わず、今日の勝者を投票。

終わって夜の散歩、そして銭湯に。

16,218歩。

修理

外出。天気が怪しいので電車。

錦糸町駅前の喫茶店に。一階の席に腰を落ち着ける。テレビでは妙正寺川に氾濫危険情報が出たと伝えている。

後から来た客が注文を告げてスタスタと二階に上がっていった。この喫茶店には一階席と二階席があって、私などは一階のほうが落ち着く気がするが、二階席を好むお客も少なくない。

ふと、レジ下の貼り紙が目に入った。店内の喫煙についての注意書きで、一階席は禁煙、二階席は加熱式タバコなら可、従来のタバコは店の外で吸うように、という内容である。前からここに貼ってあったのだろうが、これまで気がつかなかった。

そうか、加熱式でもタバコを吸いたい客は、真っ先に二階を目指すのかも知れない。そして一階席は禁煙だったのか。これまで喫煙、禁煙の別などまったく意識していなかった。タバコを吸わないと、そのあたりの機微は分からない。

勘定をしてもらおうと財布を開くと一万円札しかない。個人店で万札を出すのは気が引ける。どこかに千円札はないかなと探したら、鞄に入れていた名刺入れの中に、四つ折りにした千円札が入っていた。後で補充しておこう。

「きよひらはし」の名前は、同じく大横川に架かる業平橋のように、人名から取ったのだろうか。きよひら、という名の歴史上の人物というと、藤原清衡か。ここ本所と奥州藤原氏の初代とは何か縁があるのか。

きよひらはしは清衡橋ではなく清平橋で、旧町名の清水町と太平町の間に架かる橋だったことから、一文字ずつ取って清平橋としたものらしい。がっかり感が強い。

昼間、近くの歯医者に。一年振りくらいか。昨夜鈍い痛みを感じた左の奥歯を診てもらう。

先生の見立てでは、歯茎が赤くなって腫れている部分が痛みの原因ではないかという。歯の側面の欠けとは直接の関係はないようだ。また、以前の詰め物が取れたわけでもない。 腫れがひいたら歯の欠けを埋めようということになって、抗生物質が出た。

夕刻、洋服直しの店にズボンを持ち込んで、虫食い穴を修理してもらう相談。新しいスーツを買うよりは若干安く上がるか、という程度の見積もり。やむを得ない。

錦糸町で所用。自分の発言のおじさんぶりに反省。歩いて帰宅。

スーパーに寄ったら、店内に七夕飾りが出ていた。もうそんな時季か。短冊の願い事は「コロナ退散」と「お金持ちになれますように」。

12,184歩。

分断

朝の散歩に。墨堤に出て隅田川沿いを下る。

墨堤のベンチに写真集が2冊、わざと置いたみたいにして置いてある。さすがに手に取りはしなかったけど。渡邉理佐という人らしいが、誰が何のつもりでここにこうして置いたのか。

いわゆるミズマチに入って、北十間川沿いを歩くと、程なく水戸街道で分断される。

スカイツリー方向に歩き続けるには、一旦川沿いの遊歩道から上がって、100m程離れた信号で水戸街道を渡らなければならない。散歩者的には、このまま水辺を歩きたいところだし、浅草からの動線が途切れるのは、観光的にもいい具合ではないだろう。むろん頭のいい人が考えて、こういう動線になっているのだろうが。

再び北十間川沿いに戻ると、今度は小梅橋の先で川の流れが見えなくなる。 地図を見ると、北十間川樋門とある。どうやらこの場所を境に北十間川の水位が変わっているらしい。この門がある以上、川沿いを歩いてスカイツリーに向かうのはそもそも難しいわけだ。

小梅橋を渡って浅草通りに出た。

ところで、今日は燃えるゴミの日で、朝起きてすぐにゴミを袋に積めたのはいいけれど、それを玄関の外に出すのを忘れてきてしまった。ゴミ収集が来る前には家に戻らなければならない。朝の散歩も少し早めに切り上げよう。

このあたりは、昔からの店と、スカイツリー観光を当て込んで建てられた店が入り交じって、ちぐはぐな街並みである。が、今、おしゃれな街とみなされているところも、案外かつてはこうだったのかなと思わなくもない。

京成橋で再び北十間川を渡って、四ツ目通りに入った。新あづま通りとの交差点の先は拡幅工事中である。家を立ち退かせたところは、一時的に歩道が拡がった格好になって歩きやすい。いっそこのまま車を通さなければいいのに、と手前勝手なことを思う。

住宅街の中を歩いて、京成曳舟駅の下をくぐって、サンドイッチ屋に寄った。カボチャとベーコンのサンドイッチと、タマゴのサンドイッチを買った。後者は先日の煮卵のサンドイッチとは別物で、これはこれで宜しい。

コンビニでアイスコーヒーを買おうと思ったら、時間のかかりそうな先客が並んでいてパス。一旦帰ってサンドイッチを置いて、ゴミを出してから、別のコンビニまで足を伸ばした。

昼は二階の食堂の週がわりカレーを持ち帰りで。今週はチキントマトカレー。

夕刻、所用。夜はそのまま在宅。

突然歯が痛む。鋭い痛みではないが、痛みとも言えない程の鈍い痛みがじわじわと続いて不快である。前に詰め物をした奥歯のあたりではないかと思う。急に虫歯が進行したのでなければ、その詰め物が取れたのか。明日歯医者に行くことにする。

11,845歩。

二ヶ月振り

雨の朝。歩くのは回避して、曳舟から電車で錦糸町に。

あまり時間はないが、駅前の喫茶店でモーニング。

夕刻、楽天地スパに。60分コースで入館。

ところで、私は家にテレビを置いていないから、テレビを見るのはもっぱらサウナ施設でということになる。お蔭で、緊急事態宣言でサウナが休館になってからは、普段に増してテレビを見ないことになった。

サウナ室のテレビでバラエティー番組を流していて、嫌でも音声が耳に入ってくる。これが苦痛である。

目を閉じれば映像は見ないで済むけれど、音声のほうは耳に入ってくるのを妨げようがない。音が聞こえれば、どうしても絵も気になってしまうのが人情である。で、結局映像も見てしまうことになる。

しばらくテレビを見ていなかった分、バラエティー番組の調子をいっそう不快に感じるのだろうと思う。 テレビを消すか、せめてタイムズ スパ・レスタのように、消音にしてくれないだろうか。

ふと、ずいぶん前に『テレビばかり見てると馬鹿になる』という映画を見たのを思い出した。中身はほとんど覚えてないけど。

緊急事態宣言解除に向けた話が聞こえだしたが、少なくとも現時点で、フロントスタッフには解除後の営業時間の方針は伝わっていないらしい。

電車で曳舟まで。帰宅して㊙ワールドニュースを見逃し視聴。

桂佐ん吉さんが落語会の出演をはしごするという話題から、忙しく仕事を入れる落語家の例えで春風亭一之輔師の名前が挙がる。上方の二人から一之輔さんの名前を聞くのは新鮮である。

面倒くさくなってそのまま在宅。7,237歩。一日一万歩を割ったのは二ヶ月振り。

ついに東京も梅雨入りしたらしい。

朝刊

朝5時半前だが空は明るい。出掛けに郵便受けを覗いたら、もう朝刊が配達されていた。何かゴトゴト音がするのを寝床で聞いたのは、配達の音だったのだろう。

外に出ると新聞配達の自転車と行き違う。どの販売店も今くらいが配達の時間のようだ。

効率だけを考えたら、新聞の共同配達ということがあってもいいかも知れない、と考えて、いや、専売店が統合されて、ひとつの店で何紙も配達するようになっているのは、共同配達みたいなことかも知れない、と思い直す。

歩いて根岸へ。

植え込みの紫陽花もくたびれてきた。紫陽花というのはこんなに盛りの時期が短かったかなと思う。というより、東京はまだ梅雨入り前である。

いつもの銭湯の前を通った。銭湯はまだ営業前だが、併設のコインランドリーは開いている。開いているということは、開けた人がいるわけで、まだ6時前なのに、ずいぶん早いことだと思う。

夜12時に店を閉めてから、後始末もあるだろうし、完全に休んでいる時間はどれくらいあるのだろう。今、この銭湯の経営はどうしているのか知らないが、きっと昔の銭湯は、家族が交替しながら切り盛りしていたんだろう。大家族時代の業態だ、と思う。

朝早くから配達しているのは朝刊だけではなく、マクドナルドも同様のようだ。朝っぱらからマックを食う人、運ぶ人。

コンビニの店先に一句。土地柄を表すようである。

6時半前に萩の湯に着いた。

今日は割合混んでいる。若いお相撲さんの姿も見える。してみると、このあたりに相撲部屋があるのか。朝稽古の後だろうか。

二時間余り滞在して出た。

朝風呂の後は、近くのカフェで茹で卵のサンドイッチ。

今朝の落語は、桂南光さんの「抜け雀」。「竹の水仙」みたいな噺。登場人物の宿屋の夫婦を南光さんは大阪弁で演じている。小田原が舞台なのに、これでいいのかな、と思ったら、あるじは大阪の出身で、おかみさんには、その大阪弁がうつったという設定にしていた。少々強引なようだが、婿入りのおかしみを添えて笑いにしていた。

帰りは御行の松に寄り道。

初代と当代。

帰宅して、洗濯機を回して昼寝。洗濯物を干して再び外出。

小梅小学校で何か行事をやっているのは、この100周年記念かな。昨日の柳家さん喬さんの母校である。

直やさんの「キセカエ」に写真を見に。

隅田公園からリバーウォークで隅田川を渡って、浅草へ。

馬道通り。

遅めの昼飯。ガパオライスはやさしい味。

プラリネのクロワッサンと、くるみのクロッカンを購入。そうか、クロワッサンじゃなくてクロッカンか。何度も買っていたのに、今さらのように気づく。

少し歩いて、デンキヤホールでアイスコーヒー。

いつもの銭湯に。上がったらすっかり暗くなっていた。

28,561歩。

定着

今日の午前中の用事をどう片付けるか、昨夜から頭をひねっていた。

まず、月いちの診察を受けに医院に行きたい。その後は処方箋を持って調剤薬局に行く。地図を見ると、医院と押上の大黒湯は案外近い。それなら朝風呂を浴びてから医院に行こう。そして、押上に行くのなら、パン工房に寄って美味しいクロワッサンを買いたい。

それぞれの地点と営業時間から最適な経路を考えようとすると、まるでパズルである。

あれこれ考えていたのに、結局朝寝坊して朝風呂とクロワッサンはパス。

医院で体重を量られたはずみに、今朝は飯を食ってきてないと先生に言うと、急に血を採られることになった。それなら言わなきゃよかった。

墨田区では高齢者へのコロナワクチンの予防接種が順調に進んでいるようだ。区内では65歳以上のコロナ新規感染者がここ1週間ゼロなのだとか。ワクチンの接種と関係があるのでは、という話。

薬を貰ってから、少しだけ寄り道して、初めての店でサンドイッチを買って帰った。昨夜の目論見に従って押上でクロワッサンを買えばよかったという味。

曳舟から大手町へ。

柳家さん喬さんの落語会に。会場のよみうり大手前ホールは初めて来たが、落語の公演には適当な大きさだろう。

13時開演。柳家小もんさんの「かぼちゃ屋」に続いて、さん喬さん「百川」「たちきり」、休憩を挟んで「百年目」。 終演時刻は16時少し前。

大手町から丸ノ内線で四谷三丁目へ。

TS4312で松野純子さんという人の展示を見た。

作家が偶然性を丹念な作業によって必然性に定着させている様に目を奪われる。何か粘体状の生物の細胞組織が蠢いているようでもあるし、一番大きな作品は、地表を高度から空撮したものようにも見える。思えば、自然の水の流れを人間が固定化していくことも、偶然性を必然性に定着させるプロセスである。

歩いて新宿一丁目の蒼穹舎ギャラリーへ。多々良栄里さんの写真展「雲のむこう」に。

多々良先生は、私が半年だけ現代写真研究所に通っていた時の講師のひとりである。今回の展示はニューヨークの街をスナップした写真。先生はいつの間にニューヨークに行っていたんだろうと思いながら見ていたが、考えてみれば、このコロナ禍で簡単に渡米できる状況ではない。聞くと、1997年、今から24年前に撮影したものとか。その間の時間の経過に気づかず見ていた。最近撮ったものと言われても、そう思ってしまうかも知れない。これが東京の写真だったら、写り込んだ細かな情報から、何年頃の写真と容易に気づいてしまうだろう。街の風景から、ある程度時間を切り離して見られるのは、海外の都市ならではかも知れない、と思う。

新宿三丁目駅まで歩いて、新宿線で住吉、半蔵門線乗り換えで曳舟まで帰ってきた。 夜はそのまま在宅。

16,099歩。

断念

外に出たが、そこまで殺人的な日差しではない。これなら、さほど汗にならずに歩けそうだと安心する。

鳩の街通りから、高木神社、飛木稲荷の脇を通って、押上に至る道を歩く。

押上から錦糸町に。迷ったが、時間が中途半端になってしまって、大黒湯に立ち寄るのは断念。もう30分も早く出ていれば寄っていただろう。

錦糸町駅前の喫茶店でモーニング。

コンビニに寄ってアイスコーヒーを買う。

夕刻、所用のつもりだったが、時間切れで断念。歩いて帰宅。

今日は少々気疲れした。一万歩も超えたし、もういいことにする。夜の散歩その他は省略。10,829歩。

東西

朝の散歩に。今日は京成曳舟駅近くのサンドイッチ屋に行こうと思うけれど、その前に旧中川のほうまで足を伸ばそうと思う。

たから通りから一本脇道に入って、このまましばらく道なりに歩く。

曳舟川通りを渡り、京成線の高架をくぐって、ルネサンスを横目に歩き、明治通りを渡って、八広中央通り、はなみずき通りを越えて、すみだ健康ハウスのあたりまで。ここまで来れば、旧中川は近い。

この経路は、車と出くわすことが少ないので、散歩には適当である。逆に言えば、車で移動するには不便なのだろうな、と思う。

地図を見ると、墨田区の北半分、旧向島地域は、道路が✕印を描くように走っている。例えば明治通りは北西から南東、水戸街道は南西から北東というふうに。そして、これらの道路は、定規で引いたように真っ直ぐに走って、車での移動に最適化されている。

一方で、旧向島地域を東西に、つまり隅田川と旧中川、荒川の間を最短距離で移動しようとすると途端に難しくなる。

と、思っていたが、それは車で移動する場合の話で、歩く分には、東西方向にも案外行けることが分かってきた。

おそらく、このような道はかつての水路が道路として残ったものなのだろう。その意味では川沿いを歩いているようなものだ。

旧中川に出た。橋の向こうは江戸川区、平井の方向である。少しだけ足を踏み入れてみた。

ところで、おろかなことだが、この橋の名前を、ゆりのき橋ではなく、のりゆき橋としばらく思い込んでいた。つまり、業平橋のように、誰か人物の名前を取ったのだろうというわけだが、ユリノキという植物が、どのような花を咲かせるのか知らない。あるいは、名前と花の姿を結び付けて見たことがない。このあたりと何か縁があるのだろうか。

駐車場にして駐車禁止とは、一休さんの「このはしわたるべからず」のようなことだろうか。

今日は、スモークサーモンとクリームチーズのサンドイッチと、煮卵のサンドイッチを買った。

昼は二階の食堂に。ここでルーローファンを出しているのは知らなかった。

豚肉はともかく、この柔らかくて味の染みたものは何だろうと思いながら食べ進めて、しばらくして厚揚げだということに気づいた。本場でルーローファンを食べたことがないから、一般に厚揚げを入れるのかどうか知らないが、この食感は宜しい。

セブンイレブンでアイスコーヒーを買って、余程ぼんやりしていたのだろうが、カップの蓋を開けるのを忘れて、機械にセットしてしまった。店員さんは親切に対応してくれたが、実に申し訳ない。

夕刻、再び散歩に。

白鬚神社に提灯が出ている。6月30日の大祓が一大行事なんだなと思う。神事に疎いので、このあたりの神社の話なのか、全国的にそうなのか、知らない。

白鬚橋を渡って、今日は明治通りを直進してみた。

車通りの多い道を、夜歩くのは気持ちいいものではない。今日はそれほど遅くないので、まあいいか、と歩き始めたが、やはり、あまり楽しくはない。

三ノ輪のあたりまで来ると、すっかり日が落ちた。

明治通りと昭和通りの交差点。明治と昭和が交差すると思うと、面白くないこともない。ここに大正通りも入ってほしいと思う。

ジョイフル三の輪を冷やかした。夜の商店街の雰囲気を見てみたいと思ったが、大抵の店はすでにシャッターを閉めていた。ここがシャッター通りでないことは分かっているので、夜が早い街なんだろうなと思う。

ジャズの流れる銭湯に。相変わらず空いていて宜しい。

この銭湯はさほど広くはないが、よく考えてコンパクトに造ってあると思う。ひとことで銭湯と言っても、根岸の萩の湯のような巨大施設もあれば、ここのように小ぢんまりとしたところもある。それでいて、どちらも入浴料は470円なのだから面白い。収支の合わせ方がそれぞれ違うのだろう。

一時間程お湯から出たり入ったりしているうちに混んできた。そろそろ上がろう。

土手通りを歩いて帰った。吉原大門前のガソリンスタンドはシェルのマーク、ということは、近いうちにブランドが変わるんだろう。

山谷堀公園のあたりに、遅くまで開いているスーパーマーケットがあればいいのにと思う。裏浅草の銭湯の帰りに買い物をしようと思うと、どうしてもコンビニになってしまう。

21,064歩。

爆音

今日も暑くなりそうだが、思うところあってスーツを着て行きたい。

上下揃いのスーツを着る機会は少ないが、たまに必要な日はあるから、スーツを持たないわけにはいかない。夏用のスーツも、一昨年かその前の年だったか、新しいのを買った。

ところが、その二、三年前に買ったスーツがまったく着られなくなってしまった。ぶかぶかで着ていられないのである。有難いことではあるが、実に勿体ない。

そこで、昔買って着られなくなった夏物のスーツを引っ張り出してきたら、これが今の自分には丁度いい。20年か、それ以前に買ったものだ。

ウエストは若干きついけれど、これは買った時からそうだった。つまり、これから痩せていけば丁度よくなるだろうという、希望的観測のもとに買ったわけだが、あれから20年余り経ってみて、自分の見通しの甘さを痛感しないではいられない。なんて楽観的というか、楽天的だったのだろうと思う。

というわけで、今日はその古いスーツを着て出掛けた。

家の中で着てみた時は気がつかなかったが、ズボンに穴があいている。虫食いだろうと思う。もっと丁寧に保管しておくべきだった。ショック。

押上に。この気候では、夏物とはいえスーツを着て歩くと汗になる。

大黒湯に寄って朝風呂に入った。今日は奇数日の続きで、大露天風呂のほう。

ここは、番台で脱衣場のロッカーの鍵を渡される。つまり、ロッカーの場所を自分では選べないようになっている。最初は戸惑ったが、これはこれと、だんだん慣れてきた。言ってみれば、サウナ施設と同じことだ。前にも書いたが、洗い場の椅子と桶が最初からカランの前に置いてあるのも、サウナ施設と同じ流儀である。

脱衣場のロッカーには大小があるが、大きいほうのロッカーの鍵を渡された。こちらはスーツ姿で鞄も持っているから、身なりを見て判断しているのだろうと思う。

話は飛んで、夕刻。楽天地スバに。

これがスーツのズボンにあいた穴。

平日のみ、10時から20時までの営業時間だから、どうしても60分コースでの入館になってしまう。

いつもサウナや銭湯での若い客の行状ばかり槍玉に挙げているが、今日は私くらいの年格好、つまりいい年のおじさんの二人連れがサウナ室で喋っていた。若い客ほど声色が高くないから、さほど耳には障らないのは幸いだが、やはり気分はよくない。

なぜサウナ室で会話をするのかと考えて、逆に、会話が成り立たないくらいに室内が騒がしかったらどうかと考える。つまり爆音サウナだ。

サウナ室で流れる音楽というと、アンビエント系というかチルアウト系が多いように思うが、ここはメルツバウでも大音響で流してほしい。

前回楽天地スパに来た時、会員カードを持ってこなかった。今日は、前回のレシートでポイントを付けてもらったが、そうか、今度からそういうサービスはなくなるのか。改めて、財布を忘れてこないようにしよう。

錦糸町から電車で帰宅。この後特段予定もないのに、サウナ帰りの時間がこんなに早いのは新鮮である。もし24時間営業していたら、深夜0時ぎりぎりまで居座っていたことだろう。11,503歩。