会館

今日は特段予定はないので、ゆっくりサウナで過ごそうと思っていた。

ちょうど折よく、タイムズ スパ・レスタから営業時間変更の通知が届いた。朝6時からの早朝営業を開始するとか。これは好都合だ、今日は早々に出かけるかな、と思って、メッセージを読み返すと、なんだ、営業時間変更は2月8日からの話か。

少々がっかりして、結局午前中はだらだらと過ごしてしまった。

昼近くなって出た。桜橋を渡って、裏浅草のほうへ。いつもの散歩道だが、この時間に歩くのは久し振り。

いい天気。川沿いにはずいぶん家族連れの姿が見える。これでコロナがなければのどかな休日である。

緊急事態以前の話だが、夜の散歩の途中、銭湯の後に時々寄っていた飲み屋が、日曜日はランチ営業をしているのを思い出した。

ホットサンドとコーヒーでお昼に。

久し振りにマスターの顔も見たかったが、不在で残念。昼のシフトの女性が気を聞かせて、私の来訪をマスターに伝言してくれた。ランチ営業の日はマスターは夕方から出てくるらしいので、また機会を改めて伺おうと思う。

一葉桜・小松橋通りから金美館通りを歩く。

「眼鏡会館」というのは、やはり眼鏡をした人ばかりが集まるのだろうか。

この散歩道沿いに「〇〇会館」という看板をいくつか見た。「眼鏡会館」のほかにも、「服装ベルト会館」「東京菓子会館」というのもあった。

鶯谷駅で山手線に乗車。

池袋で降りて、タイムズ スパ・レスタに。ほぼ二ヶ月振りだと思う。

入館してロッカールームに向かっていたら、リラクゼーションの受付カウンターから声をかけられた。何度か施術をお願いしたことのあるタイ健式のセラピストだった。彼女もマスク姿なので、誰だったかなと一瞬戸惑う。以前は夜のシフトだと聞いていたが、レスタが夜間営業自体を取りやめているから、昼の時間に入っているらしい。

しかし、いつも施術の時はこちらは館内着姿だが、今は私服姿でニットキャップまで被っている。しかもマスクをしているというのに、よく私だということが分かったと思う。

人それぞれに、目もとが印象的な人、口もとが印象的な人など、顔の中でも目を引く部位はさまざまだと思うが、このご時世で、皆マスクで口を覆っているから、特に口もとが印象的だった人は、その人だと気がつくのに時間がかかる。セラピストの彼女も、どちらかというと口もとの人だろうか。

その伝でいうと、私などは帽子を被れば、顔の特徴のかなりの部分が隠れるのではないかと思っていた(あえて理由は言うまい)。だから、もし外で知り合いに出くわしても、私だと気づかれることはまずあるまい、と思っていたのだけど、案外油断できないかも知れないぞ、と思い直すことにした。

時々サウナ室のドアの前に行列ができる。部屋の中は満員なのだろう。誰かひとりが出てきたら、代わりにひとり入るようにしているらしい。なかなか整然としていて感心する。

浴室から出ようとしたら、スタッフを捕まえて、浴槽のお湯が熱いとクレームをつけている客がいる。余程のぬるま湯好きなのだろう。

現在のところ、レスタの営業時間は20時までだが、浴室・サウナの利用は19時半まで。私もほどほどのところで切り上げた。先程のセラピストに施術をお願いするのも今日はパス。

帰りは来た道を引き返した。つまり、レスタから池袋駅まで歩いて、池袋から山手線で鶯谷に。鶯谷で降りて徒歩で帰宅。歩きながらラジオ寄席の桂宮治さんを聞いた。16,153歩。

春霞

朝刊によると、新型コロナウイルスの抗体保有率は東京で0.91%。百人にひとりも感染していないということになる。この程度の比率なら、先日私が抗体検査を受けて陰性の結果が出たのも、もっともなことだ。

脇見出しに「集団免疫獲得 ほど遠く」とあるが、この書き方では、新型コロナに感染させたいのか、感染させたくないのか、よく分からない。感染対策を徹底すれば、集団免疫の獲得が「ほど遠く」なるのは当然だろう。

集積所に空き缶と段ボールを出す。洗濯機を回している間に、コーヒーを淹れて、久し振りに少し料理らしいことをした。

昼前に外出。厚手のフィールドジャケットはやめて、軽いコートにする。

天気はいいのだけど、遠くのほうが霞んでいる。これが春霞というやつだろうか。

半蔵門へ。国立劇場2月文楽公演の初日。

文楽公演の一座で何人位になるのか。客前に出る技芸員だけでも結構な人数だろうし、それだけの人が大阪からやって来て、足かけ三週間も東京に滞在する。このご時世、ずいぶん気をつかうことだろうと思う。

大相撲では大阪場所が東京での開催に変更された。単純に比べられないだろうが、文楽は別の道を取ったということか。

今日は13:50開演の第二部を観劇。開場時刻よりずいぶん前に着いてしまったので、まずは前栽の梅を見る。

梅は少し早かったようだ。この2月公演の間に見頃になっていくだろう。

まだ時間があるので、国立演芸場に回って、演芸資料展示室の見世物の展示を見た。国立劇場を最高裁判所側から反対側に抜けるのは初めて。

なかなか面白い。幕末に民間人の海外渡航が認められるようになって、初めての渡航者が見世物の一団だったという。当時すでに見世物興行の国際市場が存在していて、開国早々に日本もその興行ネットワークに組み込まれるのは興味深い。

第二部は「曲輪文章」(くるわぶんしょう、本当はぶんしょうは文と章で一文字)と「菅原伝授手習鑑」の寺入りの段と寺子屋の段。

第二部の終演後、一旦半蔵門駅に戻り、駅上のカフェで休憩後、今度は国立演芸場に。

「ちよだ猫まつり2021」の配信プログラムの中に、「猫落語」として春風亭百栄師の名前が見える。ちょっと気になる。

花形演芸会を見に来た。目当てはトリの桂佐ん吉さん。

帰りは永田町から半蔵門線に乗った。程なく車内に電話のベルの音が響いて、男の話し声が聞こえてきた。私と同じ列に座っているらしい。

曳舟で私が降りるまでの間、その男は、ほぼ途切れなく電話で喋っていた。他に喋っている乗客はいないから、男の声が自然と耳に入ってくる。今日これから飲みたいが開いている店はあるか、というようなことを電話の相手に尋ねていた。時刻はすでに夜8時を回っでいる。

帰宅後はそのまま在宅。7,375歩。