今回は、歌舞伎について考えてみようというつもりです。
いま思えば、あれだけ時間があったはずの学生時代に、一度も歌舞伎の公演を見なかったというのが、ぼくの心残りで、割合どこにでも物怖じせず出かけてしまうほうなんですが、そんなぼくでも、いまだに歌舞伎座には行ったことがない。シロートには、歌舞伎はどうも敷居が高い。


敷居だけじゃなくて、値段もかなり高い。例えば、歌舞伎座のホームページで9月興行の情報を見てみると、1等席が14,700円、2等席で10,500円もする。この値段では、ぼくみたいなシロートが気軽に行こうという気にはならないなあ。
むろん、すべてのチケットが高いわけではなくて、実は歌舞伎座も3階になると、ずっと安い席もある。A席4,200円、B席2,520円。このくらいの値段なら、学生時代のぼくにも手が届くか。まあ、それでも行ったことがないというのが、歌舞伎の敷居の高さなんでしょう。
それに、学生時代のぼくは、歌舞伎だけじゃなくて、演劇自体をあまり見ていなかった。まあ、芝居でもお笑いの要素の強いものはいくつか見ていたけれど・・・。
そんなこんなで、歌舞伎と縁遠いまま10数年。それでも、いずれはちゃんと見ておかないとなあ、という思いは常に頭の中にあって、いわば、小さな負債を抱えたままのような中途半端な気分がいつまでも続いているのだけど、こういう人は、案外多いんじゃないかと思う。
それが、ここ数年、積極的に落語を聞くようになってから、歌舞伎について、また違う見方をするようになった。というのは、例えば登場人物が芝居好きだったり、芝居の一場面を引用していたりという噺が結構あって、もし歌舞伎を知っていれば、この噺の面白さがもっとよく分かるんだろうなあと残念に思うことがしばしばあるのだ。
能書きが長くなってしまったが、ただいま江戸東京博物館で公演中の「第18回江戸博歌舞伎・歌舞伎フォーラム公演」というのを見に行ってきた。
こちらのほうは、歌舞伎座と比べて値段はぐんと安い。当日の昼に電話しておいたら、2,200円で見れましたから(BプログラムA席前売りの学生料金)。それでいて前から4、5列目の花道のすぐ脇の席なんだから。まあ、演目も上演時間も全然違うし、単純に比較はできないけど。
値段が安いのは分かったが、敷居のほうは高いか低いか。この江戸博歌舞伎、確か、毎年二回公演があるらしいんだけど、ぼくも両国近辺に住んで、もう5年余り。それなのに、今まで一度も見に行ったことがありませんでした。やはり歌舞伎の敷居は高いのか。
いや、それよりも、江戸博自体あんまり行ったことないですからね。近くにあると、いつでも行けるやと思っているから、なかなか腰が上がらない。そのうちに見逃してしまう。そんなパターンが多いわけですが、今回は、思い切って出かけてまいりました。ぼくにとって、初めてのナマ歌舞伎ということになります。
第18回江戸博歌舞伎・歌舞伎フォーラム公演
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/event/2005/kabuki/kabuki.html

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