展示室に足を踏み入れたときは空まで続くようなベッドの列をただただ見上げるばかりだったが、程なくスタッフの方が何か操作したと思った次の瞬間には、突然の豪雨のように大量の水がベッドの上に流れて、騒然とした水音がエーテルのように静かに室内を満たした。
天井から落ちる水が幾本もの線条に見えて、照明にまぎれるうちにベッドを宙吊りにしているピアノ線との見分けが次第につかなくなった。
下山から
次回の企画展は塩田千春! 楽しみだ。
しかし入善町、マメにコレクションしてるな〜。エライ。
黒部市はダメだ。
* * *
『発美展-カラフルモザイク・光のアート』
会場: 下山芸術の森 発電所美術館
スケジュール: 2009年04月04日 ~ 2009年05月10日
住所: 〒939-0631 富山県下新川郡入善町下山364-1
電話: 0765-78-0621
下山から
入善の発電所美術館で、河口龍夫展を見た。
展示室に入ると、左手すぐの導水菅から聴こえる音に足が止まる。しばし開口部の前に立ち止まり、管の奥を覗きこんだり、音に聴き入ったりして、ふと振り返ると、そこには船が浮かんでいる。
いったい、空に浮かぶ船というモチーフには、ぼくらの想像をくすぐる何かがあると思う。
導水菅から聴こえた音は、幼児の心臓音という。この場所が水力発電所の跡だという思いのせいか、会場じゅうに低く静かに響く音が、何かインダストリアルなノイズに聴こえる。今、発電所や工場で、実際にそういう音がしているのかどうか知らないが・・・。あるいは、そのような機械音の類も、もはや産業遺産の範疇だろうか。