明日17日夜、横浜の野毛地区一帯で「第3回野毛飲兵衛ラリー」というのが開かれるそうです。
これはひとことで言うと、野毛の飲食店で朝まではしご酒しましょうというイベントで、参加者はあらかじめ5枚綴りのクーポン券を買って、それをラリー参加店に持っていくと、お店が用意するお酒一杯とつまみ一品のセット(ラリーメニュー)と交換してくれる。
一杯飲んでお店を出てもいいし、そこが気に入ったら追加でもう少し飲んでもいい(もちろんこれは別料金)。
残念ながら、私は翌朝早い用事があるので、今回は参加できません。本当に残念だ。
ここで「今回は」と書いたということは、これまで参加したことがあるのかよ、と言われそうだけど、はい、あります。前回参加してきました。
つまり、東京から野毛くんだりまで、ただ、酒を飲むためだけに出かけてきたわけです。
前回、第2回の飲兵衛ラリーは、去る1月30日に開催された。
覚えている方も多いと思うけれど、東急東横線の高島町、桜木町の両駅がこの日をもって廃止になった。野毛といえば、最寄駅は桜木町。ま、前回のラリーは、桜木町駅の終業イベントに乗っかったわけですな。
ということで、実はわたしは、営業終了前後の桜木町駅周辺の喧騒ぶりなんかも、お店を抜け出してノコノコ見に行っているわけです。恥ずかしながら。
その晩は9時ごろから居酒屋やバーを何軒かはしごして、最後はドルフィーというジャズ・バーで朝まで過ごしたのだけど、帰りに横須賀線の電車の中でうとうとしていたら、どうもそれで風邪をひいてしまったようで、その後一週間以上ぐったりとしていた。
まあだから、明日のラリーの参加はやっぱりやめておきます。
野毛飲兵衛ラリー 公式ホームページ
http://www.noge.org/nonbee/
突発的本所居酒屋紀行・二軒目
(承前)一軒目と書いたということは、二軒目もある。
今の店は中途半端な気分で出ることになったので、もう少し飲みたい。
実はあと一軒、自転車で前を通るたびに気になっていた店がある。
さっきよりずっと吾妻橋のほうに近い場所で、といっても、自転車ではわけもない距離だ。
あっという間に店の前に到着。看板には「もつ焼き」とある。
自転車にまたがったまま白い暖簾の隙間から中を覗くと、きれいな白木のカウンターが見える。というより、店全体のつくりがまだ新しそうだ。
入ろうか、どうしようか逡巡して、一旦そのまま店の前を通り過ぎる。
ちょっとその辺を一回りして呼吸を整えようと思い(別にそんな必要もないんだけど)、何気なく路地に入ると、そこにも、もう一軒「もつ焼き」の文字の店があった。
しかしこの店は、いま通り過ぎてきた店とは対照的に、時代を感じさせる、というと言葉がきれい過ぎで、もう店全体を煙と脂でいぶしたような感じだ。
が、暗い路地の中にぼんやりと浮かび上がる店の明かりが、なんともいえず魅惑的で、急に方針を変更して、吸い込まれるようにこの店に入った。
戸を開けると、目の前にL字型のカウンターがあって、中で主人らしき初老の男性が串を焼いている。他にも2、3人の若い店員が仕事をしているようだ。
カウンターでは、4、5人連れの若い男女のグループが酒を飲んでいる。
店内を見回すと、思いのほかお座敷が広くて、2、30人くらいは余裕で入れそうだ。
その席がほぼ満員で、こちらにまで客の熱気が伝わってくる。
客層は、お座敷の手前のほうのテーブルで、背広姿の4、5人連れ。その隣におばちゃんが2、3人。
そして、壁を背にした奥のテーブルでは、20人くらいの宴会をしているのだけど、老若男女、それも明らかに外国人らしい姿の人も半分くらい混じっている。これはちょっと謎の集団だ。
さて、何を頼もうか。
さっきの店でお酒を飲んでいたから、お酒を続けてもよかったのだけど、初めての店で勝手がわからないから、様子見に瓶ビールを注文。
すると店の若い店員が、
「すいません、アサヒがもう終わっちゃったんで、サッポロでもいいですか」
と聞いてくる。
そうか、このあたりでは、ビールとくれば何を措いてもまずアサヒなんだな。この店からあとほんの少し行くと、浅草通りに出る。ここは吾妻橋のアサヒビール本社のお膝元だ。
料理は、何を注文しようか迷うときの定番、もつ煮込みを頼む。
程なくビールと煮込みが到着。
この煮込みは、こちらの期待通りのもつ煮込みで、豚もつと牛蒡やニンジンがあっさり目に煮込まれていて、上にネギがたっぷりとかかっている。こういうのが一番好きなパターン。
しばらく飲んでいると、奥の外国人連れの集団から、ひとりおじさんがカウンターのほうにやってきて(この人は明らかに日本人)、中の主人に、店の中で歌ってもいいかどうか聞いている。お酒が入って興に乗って、それでは一曲歌ってみようというのだろう。
話を漏れ聞くと、どうやらフランス人のグループを案内してきているらしい。
店の主人は快諾、ほかのお客さんも異存ないようだ。
おじさんがそれを仲間に伝えると、まず背の高い黒人の男性がひとり立ち上がって、にわかに歌い出した。
カラオケなどの設備はないから、もちろんアカペラだ。
聞いたこともあるようなシャンソンなのだけど、曲名とかまでは知らない。でも、テンポのいい曲で、ほかのお客さんも一緒になって、手拍子を叩いて盛り上がる。
その後も、フランス語、日本語入り混じって、何人かの独唱が続いた。
日本人のまだ若い女性だろうが、「さくらさくら」を歌っている。上品できれいな声なのだが、どことなくもの悲しい。季節的には確かに合っているけど、少なくともこの場所には似合わない感じだ。
しかしそう考えると、日本の歌で、最近のヒット曲ではなく、老若男女の誰もが知っていて、かつ宴会で盛り上がって歌えるようなアップテンポの曲というと、どんな曲になるのだろうか。
ヨーロッパだと、シャンソンにしてもカンツォーネにしても、昔からの伝統的な曲であっても、若い人も違和感なく盛り上がって歌えるような感じで、やはりうらやましい。
ご主人から「何か焼きますか」と聞かれたので、焼き鳥を焼いてもらう。2本で240円。焼きたてもあるのだろうが、この肉が、ぷりぷりとしてうまい。
ビールからお銚子に替えて、いい感じで酔っ払ってきた。
瓶ビール、お酒、煮込み、焼き鳥で、やはり1,600円くらいだったか。
このへんになると、合計金額の記憶が少し怪しい。
一軒目は小料理屋ふう、二軒目は大衆居酒屋ふうと、雰囲気はそれぞれ全然違うけれど、どれも魅力的な店だ。平日からお客さんが結構入っていることからも分かる。特に二軒目の店など、今すぐにでも、もう一回行きたいところだ。
それに、この本所界隈も、ぼくが越してきたここ3年くらいで見ても、どんどん新しいマンションやビルが建っているが、それでもこうした昔ながらの古い木造の居酒屋が、鉄筋のビルの間に生き残っているというのがうれしい。
しばらくは目標を北の方角に定めて、個人活動していこうか。
突発的本所居酒屋紀行
ここでは基本的に、時局論評のようなことではなくて、自分が直接体験したり、見聞きしたりしたことを書こうと思っている。
そうなると、どうしてもお酒を飲んだとか飯を食ったとかいう話が多くなってしまうが、まあそういう生活を送っているということで、ご容赦願いたい。
よく、自分のサイトに飲み歩きの体験記を掲載されている人がいるが、店の名前はもちろんのこと、注文した酒や肴の種類や金額まで克明に書き残されていることに驚く。
ぼくの場合、何という店で何と何を飲み食いしたということは、あまりはっきりと書かないことが多いけれど、それは、あえて明記していないというよりは、まず自分が無頓着でそうことをあまり気に留めていないということと、酔っ払ってしまって結局よく覚えていないということでしかない。
例えば、最近何度か書いている、うちの近所にあるおばあさんが一人でやっている居酒屋、その店の名前さえ、正直言ってよく覚えていない。看板は出ているから、店の前に行けば、ああそうだったということになると思うのだが。
ということで、今朝も少し前夜のお酒が残った頭でキーを叩いている。
帰り際に会社でビールを2、3本飲んだら、勢いがついてしまうというか、うちに帰って着替える間も気もそぞろに、こうなったら今夜は飲むぞ、という気持ちになる。
さて、これまで近所で飲むとなったら、あまり深く考えずに両国や錦糸町のあたりに出かけていたのだけど、そういえば吾妻橋のあたりにだってたくさん店はあるし、そんなに距離が違うわけでもない。むしろ近いくらいだ。
それで、今夜はうちを出て北のほうに向かうことにした。
一軒目、春日通り沿いにある古い木造の店。白い暖簾と赤い提灯が灯る。店の名前は、やはり覚えていない(すみません)。前からこの店のことは気になっていたけれど、入るのは初めてだ。
勇んでガラガラと玄関を開けると、いきなり店のおばちゃんから「定食はやってませんけど、いいですか」と聞かれた。なるほど、定食屋と間違えて入ってきたと思われたか。ということは、あまりふりのお客がひとりで酒を飲みにくるという店でもないのだろうか。ま、そのときはパーカーにジーンズというラフな格好だったし、スーツのまま行っていればまた違ったかもしれない。お酒をいただきますから、と答えて中に入る。
店内は8人掛けくらいのテーブルが二つ、それから小上がりのお座敷がある。厨房は店の奥で、カウンター席はない。店員はおばちゃんが二人で給仕をしている。厨房にはまだ誰かいるのかもしれない。
手前のほうのテーブルに腰を落ち着けた。テーブルの上には、前に座っていたお客さんのものか、お皿やとっくりがいくつかまだそのままになっている。
平日の夜というのに結構お客さんが入っていて、奥のテーブルには背広姿のおじさんが二人、もうかなりの数のお銚子を並べている。障子の陰でよく見えないが、小上がりにも二組ほどお客さんが入っているようだ。テレビでは巨人中日戦を流している。
まず瓶ビールを頼むと、「キリンでいいですか」と聞かれるので、咄嗟に、ええ、はい、と答える。
おばちゃんがテーブルの上のお皿を片付けて、ビールとお通しの柿ピーを持ってきた。
さあ料理だが、壁に品書きを書いた紙が張ってあり、きれいな白い紙だから、毎日か、少なくとも定期的に書き換えているのだろう。値段は高くもないが、さして安いわけでもない。例えば、肉豆腐が780円、菜の花の辛子和えが550円、といったところ。
肉豆腐780円というのは判断に迷うところだが、まあ無難な料理だろうと思って注文。
しばらくして、3人連れの客が入って来て合席になった。
ビールを三分の二ほど飲んだ頃に肉豆腐到着。丼鉢一杯に入っていて、思ったよりボリュームがある。これなら780円でも納得かもしれない。あと、この店の七味唐辛子はなんだか風味がいい。ビールが終わったのでお銚子を頼む。
小上がりの客が一組帰ったので、後から来た相客はそちらに移った。
店のおばちゃんと相客の会話。
「ビールはキリンとアサシ、どっちにする?」
「やっぱりアサシだろ、地元だから」
そうか、このあたりはアサヒビールの地元だった。
肉豆腐でお酒を飲んでいると、玄関が開いて、これから10人で来るが大丈夫か、という声が聞こえる。おばちゃんはゆっくり召し上がってください、と言うが、そろそろ潮時だろう。
お勘定をお願いすると、ビールとお銚子、肉豆腐で1,600円ほどだったか。
週末の飲み食いのこと
昨日、今日と、暖かかったり寒かったり、どうも落ち着かないですな。
今日なんかは、なんだか冬が戻ってきたような寒さでした。
「今年の四月はまだ寒くて 春が来てない」なんて歌を口ずさんだりしています。
とはいえ、寒かろうが暑かろうが飲み食いしているわけです。
金曜日は高田馬場で飲んでいた。
久しぶりにさかえ通りの鳥やすに入って、まずは煮込みと瓶ビール、その後は焼き鳥とぬる目の燗酒。
馬場もどんどん新しい店ができたり古い店が消えたりしているが、鳥やすは昔から変わらないのがいい。メニューは新しいのが増えているみたいだけど、まあそういうのはあまり頼まない。地酒ふうの高い冷酒もここでは飲まない。
愚直に、煮込みとビールと焼き鳥と普通のお酒ばかり頼んでいます。
前にも確か書いたが、ここの煮込みは大根、人参といった根菜と鶏の手羽とつくねを、あっさりと鶏のスープで煮込んである。
あまり居酒屋を知らなかった学生時代、煮込みといえば鳥やすの煮込みのようなものだと思っていたから、いろいろな店に行き出してから、ひとことで煮込みといっても店ごとにそれぞれ個性があるのに驚いた。
金曜日は、すきっ腹だったこともあってか思いのほかお酒が回り、ビール2本とお酒2杯でおしまい。馬場あたりでもう一軒行きたいなとも思っていたけど、結局そのままどこにも寄らず、うちに帰って着替えも適当にバタンと寝てしまった。
土曜は春の陽気にさそわれて両国界隈をぶらぶらと歩き回る。
洋服屋さんを冷やかしたりしながら、北斎通りを行ったり来たり(この通りにはカジュアル物の卸し兼小売みたいな店が案外多い)。
この界隈は、もちろんぼくの近所だけど、同行者ふたりには、ほとんど初めての場所だ。
知らない街を歩くのもいい。だけどこれでライカでも提げていたらまるでトマソンだね、という話になる。
少し遅めのお昼を亀戸ぎょうざ両国店で食べる。
まずはビールと餃子、その後でひとりが堅焼きそばを頼んだので、ぼくはソース焼きそばを。もうひとりは肉ニラ炒めを食べていた。
その後、一杯気分で江戸東京博物館の常設を見る。
ちょっと酒が入ったところでこういう展示を見て回るのもいいものだ。くだらないことを言ったりしながら、どうせ真剣に見てやしない。
しかし昼間のビールは効くね。お酒を飲んで歩き回るから、随分と酔いが回る。
閉館時間になったので江戸博を出て、晩飯には時間が早いので、まだ明るいし、もう少し両国のあたりを歩く。
隅田川のテラスで、ベンチに腰掛けてぼんやりと屋形船が行き過ぎるのを見ていた。
川面には上流から花びらが帯のように流れてくる。
いい頃合になったので、両国に戻り、焼肉屋に入って、生ビールで乾杯。
それぞれビールを2、3杯飲んで、焼肉も結構食べて、それでも3人で8千円ちょっとだから、結構安い。
もう少し飲もうということになって、駅近くのソウルバーへ。
両国のショットバーというと、駅のホームからも見えるこの店くらいしか知らない。他にいい店があったらお教え願いたい。
ともあれ、そこでカクテルを飲んでさっぱりする。ぼくは3杯作ってもらった。
ここで同行者2名は帰る。
ぼくはもう少し飲み足りない気分で(悪い癖だな)、といっても、前にも書いたように、この時間になると駅近くでこれはという店は開いていない。
結局、これも前に書いた店だが、うちの近くの、おばあさんが一人でやっている居酒屋に入る。
相客のおじさんのひとりは、どうやら三つ目通りとの角にあるお鮨屋さんのご主人らしい。ふーん、ここで飲んでるんだ。
ビール1本飲んだら、だいぶいい加減になってきて、さすがにおとなしく帰った。
日曜は、江戸東京博物館のイベント広場で「両国にぎわい春祭り」というのをやっているから、そこで屋台のトムヤムラーメンやらちゃんこ鍋を食べて、やっぱりビールを飲んだ。
こう書くと、食べたり飲んだりしてばかりみたいですね。