寝坊して辛うじてゴミ出し。天気がまずまずのようなので溜まった洗濯物を片付ける。

曳舟から東武線に乗る。隅田川の水が心なしか茶色い。

浅草駅の文殊で朝飯とも昼飯ともつかないもの。地下鉄ホームの自販機で小銭を片付けがてらお茶を買おうとしたら、10円足りず取り消したりしているうちに目の前で電車のドアが閉まって3分無駄にした。

上野御徒町で降りて、鈴本演芸場七月下席昼の部に。

開口一番 柳亭左ん坊「寿限無」
柳亭左龍さんのお弟子さんらしい。遅刻して途中からになってしまった。
落語 春風亭ぴっかり☆「動物園」
ぴっかりさんの落語は久し振り。「鈴本珍獣動物園」の園長を女性に設定していた。女性の噺家さんの演じる落語は、主な登場人物の誰かが女性だと入っていきやすい気がする。
曲独楽 三増紋之助
板の上に独楽を五つ並べて回す「五つ独楽」で、中央に置いた黄色い独楽だけを回す。四苦八苦の末、見事成功。
落語 林家彦三「権助芝居」
新二ツ目。前名の彦星(ひこぼし)は、元不良だったので非行防止から取ったというのはネタなんだろうか。そうは見えない端正さを感じる。正雀門下ならではの芝居噺を口演も、私はあんまり入っていけず。
落語 柳家さん喬「そば清」
一転、ぐっと引き込まれる。何でもないように交わされる言葉が、この人の手に掛かるとしみじみとした可笑しみを帯びる。
漫才 ロケット団
鳥人間コンテストの中止と大リーグの大谷とプロレスの大仁田の取り違えをしつこく繰り返して笑わせる。あとは師匠のおぼん・こぼんいじり。
落語 五明楼玉の輔
患者にガンの告知ができない弱気な医者の話。「財前五郎」というみたい。
落語 春風亭小朝「代書屋」
小朝さんを聞くのも久し振りだが、金髪に赤い格子縞の着物で高座に現れる姿はイメージ通りの小朝さん。釈台を置いて、お馬鹿な客と代書屋のやり取りから、客が鼻笛を鳴らして「あなた間違いなく蓄膿症」で落とす。笑いどころを盛り込んでいるが、正直今の空気じゃない感じ。
紙切り 林家二楽
まず「桃太郎」、桃太郎がお供の犬を連れて。客席から題を募って「カメラマン」、写真カメラマンがカメラでガメラを撮る様子。「梅雨明け」は、「おーい、つゆあけてくれよ」と言いながら、蕎麦を手繰る客の前に湯桶を持った蕎麦屋が立つ。
落語 春風亭一朝「たいこ腹」
一朝さんの「たいこ腹」は、ぐっと鮮やかさを増して、登場人物の輪郭が際立つよう。

ものまね 江戸家小猫
小猫さんといえば、僕らの世代には、この人のお父さんにあたる、テレビタレントとしても活躍されていた、先の小猫さん、後の四代目猫八さんを思い浮かべる。今の小猫さんは、お父さんと比べて地味なようだが、本職の動物の声真似では、お父さんに追い付き、あるいは越えているのではないか。犬、羊と山羊の啼き分け、鴬、ダチョウ、アルパカ、アフリカで群れを見たというヌー。
落語 古今亭志ん輔
コロナ禍で知った家飲みの味、鯖の水煮缶詰に醤油を垂らして、そして立ち飲みでホッピーと、まくらで飲み助の酔態をたっぷり見せてから、多分「替わり目」の冒頭、俥屋さんを帰すところまで。
落語 春風亭一之輔
公演先の神戸のホテルでオートロックの部屋から閉め出されたというまくらから、この間も聞いた、旅の噺家がやたら物価水準の安い田舎の村でお大尽扱いされるというネタ。面白いけど。
粋曲 柳家小菊
都々逸の間に文句を挟み込むのを「あんこ入り」と言うそうだ。豆腐屋さんの都々逸に新内節のあんこ入りで。
落語 橘家圓太郎「厩火事」
圓太郎さんをちゃんと聞いたのは今回が初めてではないかと思う。いかにも江戸前の噺家らしい雰囲気を感じる。師匠の小朝さんが軽く演じている分、この人の貫禄が際立つが、お年は私と十程しか変わらないのね。
スポーツ好きでトライアスロンやマラソンもこなすという方だけあって、板橋のご自宅から鈴本まで歩いて通われるとか。その途中、本郷の交差点で出会った、駒込五丁目在住(師の妄想)で白のスウェット上下に身を包んだ年長のご婦人がポケットから取り出したものは…というまくら。
髪結いの女房が仲人に年少の亭主との離縁を訴えながら、その実、心底亭主に惚れきっていることが次第に露わになっていく。亭主の本心が「もろこし」か「麹町の猿」かと案じる女房の可笑しさ。
亭主が家を守っているから女房が安心して外で働けるというのは、現代的なシチュエーションのようで、実は古くて新しいテーマということか。これを男女を逆にして、珍しく家事を手伝ったサラリーマンの旦那が、専業主婦の奥さんの大切にしていたものを壊してしまう、という話だったらどうかな。一転、凄惨な事態になるのではないか。

鈴本の階段室に飾ってあった絵だが、人形浄瑠璃「妹背山婦女庭訓」のお三輪を描いたものだろう。操る人形遣いは誰か、知識の浅い私にはわからない。落款は清七呂と読めるようだが。

終演後、都バスで錦糸町に移動。所用を済ませて、ちょっと天気が怪しかったので電車で帰宅。

遅くなってから夜の散歩がてら、銭湯に。

この銭湯は洗い場と湯船が一階、水風呂とサウナが二階にあって、水風呂に入るには浴室内の階段を登らなければならないわけです。そして階段を登り切らないと水風呂の様子が見えないようになっている。

階段を登り切ったところで目に入ってきたのは、二人ならゆったり入れる程の大きさの水風呂に、全身に鮮やかな刺青を入れた、がたいのいい四人の男が身を寄せるように身体を沈めている様子。まるで水盤に花が咲くようでしたね。

家に帰ったら日付が変わっていた。11,907歩。

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