雨の朝。

近所の空き地に囲いができた、じゃない、分譲地の看板が立った。まとまった広さの土地をどうするのだろうと思っていたが、切り売りするのか。

雨の公園に人影はない。

急いで何か腹に入れたい。駅ナカのカフェと思ったが、思うところあって直前でパス(店の問題ではない)。錦糸町まで出ることにした。

駅前の喫茶店でモーニング。窓際の席に陣取る。

ひどく疲れが出て、身体がだるい。モーニング程度ではエネルギーを補充できそうにない。向こうの席の二人客が朝からカレーを頼んでいる。カレーもあるのか。私もそれにすればよかった。雨の中、お客が次々やって来たので退出。

実はこの後すぐにドトールでサンドイッチを腹に入れた。もう少し食べないとエネルギーが切れそうで仕方がなかった。なお、このひどい疲れの原因はコロナではないので、念のため書いておく。

5月8日のトリフォニーホールでの坂東玉三郎丈の会は延期になったんだな。できれば私も行きたかったが、先に予約していた地域寄席と時間が重なってしまって、先約を優先してこちらは見送っていたのだ。その地域寄席も中止になってしまった。

あまりにも疲労感がひどく、最初は午後の予定までコーヒーでも飲んで時間をつぶしていようかと思っていたのだが、それどころではない。まだ少し時間もあることだし、いっそマッサージにでも行こうかと、あれこれ近くのマッサージ店を検索していたが、やっぱりやめた。

錦糸町から総武線で東中野に。ポレポレ東中野へ。14時からの回を見るつもりで予約していたのだが、一本前の12時10分の回から見ることにした。映画には悪いが、半分寝るつもりで椅子に座っているほうが身体は楽だ。

ポレポレ東中野もずいぶん久し振りで、去年の1月に『さよならテレビ』を見に来て以来ではないかと思う。

毎年この時期、ポレポレ東中野では、原子力発電にまつわるドキュメンタリー映画を特集上映している。というのは、1986年4月26日にチェルノブイリ原発事故があったから。私自身は原発問題に日頃思いを巡らしているわけではなく、人並み程度の関心しか持たない。ただ、今回の上映作品にも含まれている『ナージャの村』でのベラルーシの農村に生きる人々の暮らしぶりや、『原発切抜帖』での新聞の切り抜きのみで組み立てられた映像構成には感じ入った。そして、両作品とも、ナレーションは小沢昭一さんの至芸である。

一本目に見た『アンダーコントロール』は、ドイツ国内の原子力施設を記録したドキュメンタリーで、制作年は2011年というが、福島事故と関係はあるのか、知らない。少なくとも福島事故の前には着手されていたのだろう。人間は必ず失敗するからと徹底的に人間を疑い、さらに人間をカバーするために導入した機械を疑う。ドイツの原子力開発には、徹底した懐疑と、技術に対するペシミズムが根底にあるのだと思った。この強靭な思考力こそが、わが国に欠けているものではないのか。ドイツが原発の廃止に政策を転換できたのも、分かるような気がした。

前にも同じようなことを書いたかも知れないけど、人間の生は、数十年、長くてもせいぜい百年程度のことだが、原子力は数千年、数万年の世界で、時間の物差しが違う。

『アンダーコントロール』の中に、原発に一生を捧げた技術者や、原発で働く人を相手に生計を立てている商人の話が出ていて、ドイツにも原子力ムラ的なものがあるのかなと思った。原発の廃止は、そういった人たちには不本意だろうが、言ってみれば、どちらも数十年単位の話である。数万年単位の話が、数十年単位の話で動かされるべきではないと思う。

続けて見た『人間の汚した土地だろう、どこへ行けというのか』は、映画『ナージャの村』『アレクセイと泉』監督の本橋誠一氏と製作の神谷さだ子氏が、2019年に撮影地のベラルーシを再訪した旅の記録。映像の中で両氏は、撮影で出会ったベラルーシの人々と再会し、製作のきっかけとなった老人で、『ナージャの村』撮影の直前に世を去ったアルカジィ・ナボーキンの記憶を辿っていく。

『人間の汚した土地だろう、どこへ行けというのか』では、数十年の間の人々の出会いと別れが映像に映し出される。放射線は映像には映らない。

映画が終わってもまだ15時前で、少し時間が中途半端である。同じビルの7階で写真展をやっているというので見に行った。本橋氏の2019年のベラルーシ再訪時に撮影された写真に加えて、本編でも引用されていた1995年の取材時の映像も見ることができた。

ポレポレから程近い銭湯のアクア東中野に行った。ここは二回目かな。前回はサウナも試したけど、今日はサウナは休止中。

15時開店からまだ20分程も経っていないけれど、すでにお客さんが一杯である。場所柄か、休日ということもあるのか。中高年に加えて、子供や若者の姿も目立つ。若者といっても、サウナブームに乗せられたような軽い感じではない。近くに学生寮でもあるのだろうか。

ここは、アクアと冠しているだけあって、水がいい。水風呂は深くてたっぷりしている。お湯につかりながら大型テレビが見られる(音声はなし)のは珍しいかも知れない。文庫本を持ち込んでいる人もいる。心置きなく長湯ができそうだ。

映画を見て、お湯に入って、身体もずいぶん楽になってきた。ポレポレに戻って、ポレポレ坐でキーマカレーとコーヒー。ここのキーマカレーはさっぱりした味。自分で作る時はスパイスたっぷりで油が浮く、こってり、ギラギラのキーマカレーになってしまうが、そうか、こういうのもありだなと思う。

コーヒーをお替りして、いい時間になった。錦糸町へ。駅ナカでラーメンも食ってしまった。今日は仕方ない。辛うじて所用を終えた。

オリナスは休館中だが、中の通り抜けはできる。また、地下1階のスーパーのカスミは営業している。地下駐車場経由でしか入れないのが少々分かりにくいが、ちょっと覗いてみた。

オリナスの中をうろうろしたのは、ここで歩数を稼ぎたいという魂胆からで、できれば今日も1万歩を目指したい。とは言え、雨なので外は歩きたくない。錦糸町駅で電車が来るまで構内を行ったり来たりして、曳舟駅でもホームを少し歩いた。変な人だと思われたことだろう。そんな積み重ねで、11,435歩。

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