森美術館の「中国・美の十字路展」+「フォロー・ミー!」展を見てきました。
相変わらず会期末ギリギリにならないと腰が重い次第なんですが・・・。まあ、夏は暑いしねえ。
現代美術の印象がつよい森美術館で、こういう古代中国の文物の展示をやるというのは意外だったんですけど、結構見ごたえあって、少なくとも愛知万博の中国館のスカスカっぷり(私の主観)よりは全然充実していたぞ。
それから展示室を出ると館内のあちこちで中国グッズの即売や篆刻の実演販売などをやってたのは、いかにも中国展らしくて、むしろ微笑ましいくらい。


今回の展示の対象となっているのは、時代的には中国の後漢(AD25〜220)から盛唐(8C)の時代。美の十字路、というタイトルからもわかるように、当時の西方や北方の諸民族との関係を示す資料が数多く出展されている。
資料の多くは、ま、いってみれば当時の人の墓からの掘り出し物ですな。副葬物っていうの?亡くなった人の遺品や装飾品、おまじないのための人形(俑。墓に入れてたっていうから埴輪みたいなものかな)などが中心です。あと、大理石でできた石棺をほぼ丸ごと持ってきているのも眼を引いたぞ。
それから仏像。中国に仏教が伝来して広まっていく時期というのも、今回の展示が扱っている時代に合わさるわけです。
さて、最初の展示室には、中国後漢時代の資料が展示されている。
後漢って、年表を見ると、日本は弥生時代ですよ。こないだ「縄文VS弥生」展を見てきたばかりだけど、いやあ、同時代の中国はやっぱり進んでるのね。
銅でできた騎馬の隊列の俑もスゴイし、細やかな金細工にも眼を見張る。牛型のランプは、よくよく見ると全身に銀の象嵌がしてある。そして璧。そっか、これが「完璧」の「璧」なのね。
それに、どれも、ホントに二千年近い前のモノかと思うくらい保存状態がいい。
「縄文VS弥生」で見た弥生時代の遺跡からの出土品、あれもよく保存されていて、当時の人々の生活が彷彿としましたが、あっちが民具だとしたら、こっちは工芸品ていうくらいのレベルの違いがありますな。同時代なのに。
ちょっと気になったのは、今回の会場内で展示してある年表では、日本の弥生時代の始期が紀元前4、5世紀くらいとなっているんだけど、「縄文VS弥生」展の年表では紀元前10世紀から弥生時代が始まったことになってるんだよねえ。
例の年代測定の精度向上で、従来考えられてたより500年ほど弥生時代の始まりが早いってことになったから。今回の中国展、日本の考古学の最新の研究成果を取り入れていませんよ。それとも、この年代変更って、まだ定説になっていないってこと?
まあ、後漢時代以降の展示だったら、あんまり関係ないのかな?でも、「同時代」っていうイメージが微妙に違ってくるしね。関係者はちゃんとするように。
ということで、このお話は続く(たぶん)。

“中国・美の十字路展” への2件の返信

  1. フォローミー展とはどんなものですか?
    同名の映画が好きなので気になります。

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