この話を続けようかどうか考えたんですけどね。何しろ、ここのところ小沢さんの映画の話ばかりだから。
ただ、これまで紹介した2作にせよ、これから紹介する作品にせよ、DVDどころかビデオ化もされていない。今後、再び劇場で見る機会があるかどうかも分からない。
であるならば、ぼく自身の覚え書きのために、多少でもメモを残しておこうという、そんなごくごく個人的な動機から、このまま小沢さんの映画の話を続けることにします。でも、あと少しだけですよ。だって、もう2週間以上前に見た映画だし、かなり忘れちゃった。


今回は、1962年公開の春原政久監督作品、「英語に弱い男 東は東西は西」のお話です。
そもそも、この作品のことを、小沢さんが「小沢昭一的こころ」の番組の中でちょこっと触れたところから、ぼくの阿佐ヶ谷通いが始まったわけですが。
この題名、「東は東西は西」のほうがメインで、「英語に弱い男」というのはどっちかというと付け足しみたい。文字にしちゃうと同じですが、スクリーンではそういうふうになっている。メインだけだと分かりにくいということで、ひょっとして、あとからサブタイトルを付け加えたのか。前回紹介した「猫が変じて虎になる」もそうだけど、この作品も、考えオチっていうか、判じ物みたいなタイトルですね。春原監督の趣味なのかな?
さて、この映画で小沢さんが扮するのは、江戸っ子気質の寿司屋のオヤジ。店の名前も「江戸ッ子寿司」で、そのままじゃん、っていう。先立たれた奥さんとの間に、高校生の娘(田代みどり)と小学生の息子の二人の子供がいる。
ちょっと待て!高校生の娘がいるなんて、この作品での小沢さんの設定は何歳だ?
だって、前に紹介した「大当り百発百中」は、この作品の前年、1961年の公開だけど、小沢さんは新婚ホヤホヤの作詞家役。そして、同じ1962年公開の「猫が変じて虎になる」では、小沢さんは生命保険のセールスマン、おそらく独身だ。それとおんなじ人が、高校生の子供がいるオヤジの役を演じるのか!
小沢さんは1929年生まれだから、この作品が公開された1962年は、33歳。そうか、今の私と同い年かあ。まあ、そのことを考えても、まだ新婚の作詞家とか独身の営業マンを演じるのは、よく分かりますよ。ところが、高校生の娘がいるオヤジって、一体いくつだ?そんなオヤジの役を、今の自分とおんなじ年の人が演じるのか?
答えは映画の中で出てきた。いろいろあって、息子と同じ英語塾に通いだした小沢さん曰く、「Fortyの手習い」。40歳で、仮に16歳の子供がいるとしたら、うーん、22、3で結婚したんですかね。ともあれ、早いは早いけど、ありえなくはないか。やっぱり昔の人は結婚早かったのかなあ。あるいは、この時代から高学歴化だの何だので、結婚年齢が遅くなり始めたのか。もちろん、そんなオヤジの役柄を無理なく見せる小沢さんもスゴイが。
・・・結婚とか自分の年齢に敏感になっている今日この頃であります。
明日のこころだァー!

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