ニブロールの公演「ロミオORジュリエット」を見に行ってきた。
会場の世田谷パブリックシアターは初めてだったが、深い懐に包まれるようで、いい感じだ。舞台が半円状に客席の一列目に張り出している。そんな縦の線の広さを出演者は無尽に使っていた。
彼らの舞台は、オフ・ニブロール名義でのパフォーマンスはこれまで二、三度見たことがあるはずだが、単独の本公演を見るのは初めてだ。
実をいうと、あまり期待していなかった。というのも、12月に原宿で見たオムニバスのダンス・パフォーマンスイベントの中にオフ・ニブロールとして出演しているのを見たが、正直あまりピンと来なかった。ま、どんなものか見てやろう、という位のつもりで出かけた。


さて・・・。
ステージを縦横に使った大きな動き。それぞれのダンサーに目をやると、じゅうぶんに身体が訓練されていることを感じさせる緊張感だ。
会場の後方にもスピーカーが置かれていたのかな? 割りに前のほうに座っていたのだが、自分の後ろからも音がやってくるように聞こえる。
天井から吊るされた紗幕、舞台奥の壁面、そして舞台上をも立体的に使ったスケールの大きな映像。
壷状の空間の底が舞台になっている会場の特性だろうか、音と映像に包まれる感じだ。そしてその底ではダンスが。
間歇的に叫ぶようなセリフがあった以外は説明的な言葉はなく(映像の中ではあった。かなりカット・アップされていたが)、そこから物語的な筋を読み取るのは困難である。
とはいえ、二項対立的な要素の存在と、ふたつの間の軋轢、交換と変異、そしてその中から新しい何かが再生する。大雑把だけど、そんなテーマはくみとることができた。
一時間半近い公演の間には、見ているこちらが少しダレてしまって、ウトウトしかけるところがないでもなかったけど(風邪薬をのんでいたせいかもしれない)、最後の最後、スコールに打たれるような映像の底でダンサーが踊り、巨大化した水滴の中に何かが見えかけた瞬間、ある種の爽快感とともに、これは感動といってよいのだろう、そんな感覚に包まれた大団円だった。
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ニブロール10周年記念新作公演『ロミオORジュリエット』
会場: 世田谷パブリックシアター
スケジュール: 2008年01月20日 16:00~
住所: 〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー3F
TEL: 03-5432-1526

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