売り切れ

昨日は暖かったので秋物のコートを着て出かけたが、今日はまた冷えたので冬用のアウトドアジャケットに戻した。

出掛けに小銭入れが見当たらないので焦る。カバンの中をひっくり返しても出てこない。

落ち着いて記憶を辿ると、昨夜帰り際に駅前のコンビニに寄った時に小銭入れを出している。

ふと、昨日着ていたコートのポケットに手を入れて探ったら出てきた。要は小銭入れを見失うくらい寒暖の差が激しいということである。

今日は午後から東武博物館で「井上ひさしと江戸時代」の講演の第二回を聞く予定だったが、数日前に延期のお知らせが届いていた。前回の様子を見ると、講師も聴講者の大多数も年配者だから、用心するに越したことはないだろう。そこで私も予定変更。

京成曳舟から、泉岳寺乗り換えで横浜、さらにみなとみらい線に乗り換えて日本大通りで降車。

朝抜きで来たから、何か腹に入れたい。味奈登庵の支店が目に入ったので、そばを手繰っていくことにする。牡蠣の天ぷらを付けた。

大盛りは今の私には多いかなと思ったら、後から店に入ってきた、そう若くもない客が平気で富士山盛りを頼んでいるので感心する。

神奈川県民ホールギャラリーの大山エンリコイサム展に。

今日は展示室の中でチェンバロと笙による演奏がある。

展示室での演奏は13時からと16時からの二回。一回目と二回目の演奏では曲目や曲順が一部異なる。せっかく横浜まで来たことだしと、結局二回とも聞いてしまった。

一回目の演奏を聞いた後、受付で図録を買おうとしたら、係の人が「サイン入りは売り切れました」と言う。なに!作家のサイン入りの図録なんてのがあったのか。演奏の後、だらだらと展示室に残っていないで、さっさと受付に来ていれば買えたのだろう。

売り切れと聞くと、却って欲しくなるのが人情である。係の人が、売り切れましたなどと言わなければ、私もサイン入りの図録があったことを知らずに、通常の図録を喜んで買って帰ったのに。まあ、係の人も親切心?のつもりで言ったのだろうが、われながらいじましい。

KAATの冨安由真展に。

KAATを出て、日本大通りから一駅乗って、馬車道へ。BankARTでアートブックとグッズのフェアをやっているというので覗いていくことにした。会場のBankART KAIKOには初めて来た。

アーティストブックを少々買い物してしまった。

馬車道から横浜、京急線に乗り換えて京成曳舟まで。

なんとなくヨーカドーに寄ってマスクを買ってしまう。その後別のスーパーで晩飯になるものを買って帰宅。夜はそのまま在宅。11,905歩。

余所事

空き缶を出して二度寝。せっかくの休みなのにだらだら過ごしてしまって勿体ない。行き先を迷っているうちに昼過ぎ。

駅構内のパン屋兼カフェで朝昼兼用の後、大手町へ。丸の内の三菱一号館美術館に行くのに、大手町で降りて歩こうという魂胆である。

勤め人人生も長いが、ついぞ大手町や丸の内などといった界隈とは縁が薄いままである。

ビルの間に銅像が見える。知らなかったが、井上勝という人らしい。Wikipediaによると「日本の鉄道の父」とあるので、こんな場所に建っているのだろうか。

東京駅前も心なしか人影が少ないが、この少なさはむしろ好ましい。

この銅像は「愛」だそうだ。

紀元二千五百九十一年、とある。換算すると1931年。この建物は東京中央郵便局の旧局舎の一部がJPタワーに残されているものらしい。

東京駅を横目に、大手町から丸の内を縦断して、三菱一号館美術館に到着。

「1894 Visions ルドン、ロートレック展」は予約制ということだったが、招待券を持っていれば予約不要で入れるようだ。そんなこともあってか、館内は結構な人出である。もちろん、会期が明日までということもあるだろう。

中庭ではウェディングドレス姿で記念写真を撮っている人がいたり、オープンカフェでワイングラスを傾けている人がいたりと、ナントカ事態もここでは余所事のようである。

東京駅から錦糸町へ。このご時世だから総武線快速もそんなに混んでいない。

何気なく向かいに座っている女性の足許に目をやると、スリッパを履いているように見える。起毛の暖かそうな素材ではあるが、やはりどう見てもスリッパである。

スリッパを履いたまま電車に乗る、などというのは「サザエさん」の世界の話かと思っていたが、実際にそんな人もいるのだと感心した。

あるいはそういうファッションなのだろうか。

楽天地スパに。土曜日だから混んでいるかなとは思ったが、例の「私語厳禁」の御札がサウナ室に貼ってあるから、皆大人しくしているだろうという魂胆である。

ところが、私の考えが甘かったようだ。何組かの客たちが、浴室はまだしも、サウナ室の中でもえんえんと喋りをやめない。そして、そういった客は決まって20代程の三人連れである。

あれだけ麗々と「私語厳禁」と書かれているのが目に入らないわけはあるまい。してみると、彼らは字が読めないのだろう。サウナには高温のサウナストーブ等危険な設備もあるから、字が読めない人の利用は適当でない。

さもなければ、世の中には、店の決まりを平気で無視する人が一定数いるということである。喋り声が気に障って、いらいらするのはこちらばかりで、喋っている当人たちは痛くも痒くもないというのは実に馬鹿馬鹿しい。正直者が馬鹿を見るとはこのことだ。

そんなことなら、最初から「私語厳禁」などという貼り紙などしないほうが、余程こちらの精神衛生に宜しい。

まあしかし、このナントカ事態下で、正直者が馬鹿を見るという状況はしばしば目にするようである。

久し振りに足つぼマッサージをしてもらった。

駅前のコンビニに寄ったら、店内の一部に人を入れないようテープが張られていて、もしやコロナの発生かと焦ってレジの店員さんに聞いたら、床を張り替えたので入れないようにしているとのこと。

8,019歩。

穴場

ゴミ出しした足でコンビニに。洗濯。安定の巣ごもり生活。

昼間抜け出す。

二階の食堂に。日替わりランチはスパゲッティ。白菜と鶏ひき肉。

お弁当を買いに来る客は途切れないのに、二階の席は空いていて有難い。案外、曳舟ランチの穴場かも。

夕刻、所用を済ませて、夜の散歩に。一葉桜・小松橋通りから折れて、浅草見番を横目に歩いて、言問通りに出た。通り沿いの塾では中高生が何やら勉強している。緊急事態なのに、大変だ。

言問通りから千束通りに入って、いつもの銭湯に。

少々時間が早いせいか、空いていて有難い。時節柄適切ではないのだろうが、長湯。12,278歩。

桜橋

巣ごもりも連続三日目になると気が滅入る。ただでさえ、日の当たらない狭い部屋に一日こもっていると、気分がくさくさするのに、この寒さは身体にじわじわと堪える。昨夜気分が悪くなったのも、むべなるかなと思う。

せめて飯時くらいは外に出たいと、コンビニに朝飯を買いに。

昼間抜け出して、近所を歩きながら何を食べようかなと考える。

ふと思い立って、夜の散歩の帰りに寄っていた飲み屋のランチ営業に行くことにする。桜橋を渡って裏浅草へ。自転車で行くと早いね。

まだ明るいうちにこの店に顔を出すのは初めて。バイト?の女性が店番していた。馴染みのマスターやマスター夫人は不在のようで少々残念。

ナポリタンを持ち帰りにした。ひっくり返さないように袋を手に持って自転車で桜橋を渡った。

おそらく注文を受けてから麺を茹でているのではなく、茹で麺を温めて出しているのだろうが、もっちりとした食感は、むしろナポリタンとはこういうものだったと気づく。サラダはオリーブオイル付き。

所用の後、夜の散歩に。解体しかけの現場に白いヘルメットが浮かんでいた。

今度は歩いて桜橋を渡り、山谷掘公園から土手通りに。

三ノ輪の近くで折れて、竜泉から千束に。そのまま南下して浅草界隈まで来た。

時間はまだ夜9時前だが、例の事態で、ただでさえ早い浅草の夜がもっと早い。

千束通りからいつもの銭湯に。

また桜橋を渡って向島に戻ってきた。16,376歩。

切り替え

辛うじて起き出して、コンビニに朝飯を買いに出る。

昼間抜け出して、灯油を買いに。ここ数日寒いせいで灯油が減るのが早い。

一旦灯油を家に置いてから、昼飯を買いにもう一度外出。唐揚げ弁当。こちらが抜けていたせいで、結果的に遅昼になってしまった。

夕刻、所用を終えて、散歩にでも出ようかと立ち上がったところで、にわかに気分が悪い。大事を取って夜の散歩は取り止め。

晩飯を買いに近所のスーパーに。ついでにポイントカードの切り替え。何でも新しいシステムが導入されたそうで、先日買い物に来た時にレジで切り替えを勧められていた。

新しいカードには電子マネー機能があるというので、従来のカードに貯まっていたポイントを早速4,000円分の電子マネーに交換。にわかに得した気分である。

帰宅して飯を済ませて、夜は大人しく片付けものなどして過ごす。3,628歩。

正月休み

昨夜から朝にかけて雪の予報も出ていたけれど、結局降らなかったのか、降っても積もる程ではなかったのか。

朝の散歩とまでは行かないけど、少しだけ時間があるから、せめて隅田川まで。

コンビニでサンドイッチとコーヒーを購入。コーヒーはグアテマラブレンドにしたら、ちょうど機械が清掃中で間が悪い。普通のコーヒーに替えてもらって差額を払い戻してもらう。

巣ごもり日。というか、例の事態のため当分の間巣ごもり日になった。

昼間抜け出そうかと思ったら雨。出て出られなくもないけど、面倒くさいので省略。有り合わせで適当に済ませる。

所用を終えて外に出たら幸い雨は上がっていた。夜の散歩に。隅田川テラスを歩いて白鬚橋を渡り、荒川区側を歩いて汐入公園に。ここまでは馴染みのコース。

千住汐入大橋の橋詰あたりまで歩いて、橋は渡らず、汐入公園に入った。公園の中を歩くのは初めてかも。

少し湿度を残した夜の冷気の中を歩くのは気持ちがいい。ほとんど人の姿はない。犬の散歩の人をわずかに見るくらい。

隅田川沿いに戻って、白鬚橋を越えて台東区側に入る。橋場から玉姫稲荷神社に。この前の猫とは別の猫がいる。

今日は火曜日。いつもの銭湯は休業日だし、たまには別の銭湯に行こうかと思ったら、正月休みとか。

仕方ないので、第二候補の銭湯に。お目当てに振られても、このあたりは少し歩くと、いくつも代わりの銭湯があるのは有難い。これでも数年前より銭湯の数は減ったらしい。

久し振りに来たが、ここも悪くない。前回来たのは初夏の頃で、その時は水風呂の冷え具合がもうひとつと思ったが、この時期は程よく冷えている。露天の薬湯と水風呂を往復。

絹風呂というのか、微細な気泡の出る風呂に浸かっていたら、私の隣に入ってきた男が、誰かが湿布を剥がして湯船の縁に置き去りにしたのだろう、その湿布を見て、なんだこりゃ、と、こちらに聞こえるような声を出して驚くので、私も驚いた。あるいは私に同意して欲しかったのだろうか。

17,428歩。

初芝居

半蔵門へ。国立劇場の初春歌舞伎公演に。

正午開演だから、早めに出てどこかでゆっくりお茶でもしてから会場に向かいたいところだが、どうしてもぎりぎりになってしまう。

国立劇場は至るところ新年の装いである。

国立劇場の初芝居といえば菊五郎劇団の復活狂言である。今年は「四天王御江戸鏑(してんのうおえどのかぶらや)」。2011年1月に約二百年振りに復活上演した演目の再演とか。私は前回を見ていないので比べられないが。

行きしなの電車の中で慌てて頼光四天王の世界を予習。

序幕の終盤。花道からせり上がって登場する菊之助丈。息をのむ美しさである。

二幕目、第一場。女郎屋の場面にコロナ禍の当世風俗をこれでもかと入れ込む。正月ならではでしょう。菊之助丈の女郎花咲はじめ一同で達者なダンスを見せるが(さすがに菊五郎丈は踊らなかったが)、申し訳ないが見ているこちらが流行に疎いので、ダンスの元ネタが分からない。ナントカイーツのピザの配達にそれを止めに出た国立劇場の受付係、定式幕を引く大道具さんまでが菊五郎丈演じる鳶の頭綱五郎の「お土砂」の洗礼を受けるドタバタで、菊五郎丈自ら幕引き。

二幕目、第二場。綱五郎と頼光四天王のひとり渡辺綱は瓜二つ。所在不明の渡辺綱の身替わりを務めることになった綱五郎は慣れない武家言葉に四苦八苦、ええいままよと町人の地金を出すが、実はこの綱五郎こそ実は渡辺綱本人という趣向。

言うまでもないことなのだろうが、菊五郎丈の声のよさ、口跡のよさが耳に快い。比べては申し訳ないけれど、松緑丈の台詞は時々聞き取りにくいところがある。

この場面で松緑丈が演じるのは、頼光の配下の平井保昌を騙った盗賊の袴垂保輔。何故か松緑丈は泥棒がはまる。そして保輔が自害した後で現れる本物の保昌。実は保輔と保昌は兄弟。この二役はそう来たかという感じ。

大詰。菊之助丈の土蜘蛛の精の宙乗り、なぎなたを手にした松緑丈の良門と捕手の立ち回り、といった場面が目に残った。

頼光四天王の世界に馴染みの薄い(私のような)客も、理屈なしに楽しめる正月らしい芝居だったと思う。

まだ早いので、裏手の伝統芸能情報館に回って、「国立劇場の養成事業 心と技を伝えた50年」の展示を見る。本事業の出身者が伝統芸能の各分野で活躍していることは承知だが、とりわけ寄席囃子では寄席興行で演奏しているお囃子さんの9割が本事業出身というグラフを見て驚く。

余談だけど名題昇進の挨拶分中の「扨」という漢字は読めませんでした。

半蔵門から錦糸町に戻って、楽天地スパに。

休日の夕刻だけあって、それなりに客が入っているが、心なしか皆さん行儀が宜しい。気がつくと、サウナ室のドアに「私語厳禁」と大きく書かれた紙が貼られている。客入りの割に静かなのは、この張り紙の効果もあるのだろう。

本当は、こんな頭ごなしな言い方はされたくない。が、サウナ室内で喋る客が目障り、耳障りだったことは一度や二度ではないので、これもやむを得ない。

仲間うちで話ができないとサウナから離れていく客がいるとすれば、それまでのことである。これをきっかけに、静かなサウナの良さに気づく客が少しでもいればいいと思う。

6,747歩。

楽日

しゃきっと早起きして午前のうちに出ようと思っていたのに、結局昼過ぎになってしまう。

迷ったが近所を歩くことにした。曳舟川通りから明治通りに入る。

居酒屋の休業の張り紙が目に付く。夜8時までしか営業できないのなら、いっそ店を閉めてしまおうということか。10時と8時ではずいぶん違うんだなと思う。居酒屋ではないが、向島百花園まで休園している。

白鬚橋を渡る。川面の光が眩しい。

玉姫稲荷神社に。どこからか猫の鳴き声が聞こえる。

近づくと逃げるそぶりをするわりに、私の前でごろりと横になった。

土手通りを越えて、千束通りに入る。馴染みの銭湯は営業時間前だが、もう待っている人がいる。

少々時間をつぶしたい。ふと思い立って、吉原弁財天の向かいの喫茶店に入った。

この喫茶店には、ずいぶん前に一度だけ入ったことがある。もう三、四年は経っているだろうか。ここのママは、かつてこの店の近くにあった小料理屋で働いていたことがあって、古今亭志ん朝師といった噺家連中もその小料理屋の常連客だったという話は、前回来た時に聞いた。

お客は私だけ。数年前に一度来たきりだから、私のことを覚えている様子はなかったが、世間話をしているうちに、落語の話題になった。

柳家小三治さんとママが一緒に写っている写真や、金原亭馬生師一座の鹿芝居の後の集合写真を見せてくれた。後者の写真で、白塗りの噺家たちに化粧を施したのはママだったとか。坂東三津五郎丈の姿も見える。

毎年二月の国立演芸場では、馬生師の鹿芝居が恒例になっている。私も二、三度見に行ったことがあるが、実は、前回この店を訪れた時に、鹿芝居の面白さをママから聞かされたのがきっかけで見るようになったのだ。ところが、今年は例の事態のため鹿芝居は上演されず残念。

テレビでは新規感染者数の速報。コロナで開店休業よ、と笑うママを後に、店を出た。

浅草演芸ホール、正月初席の楽日。第四部から入ろうと思っていたが、第三部との入れ替えは行っていないというので、第三部の途中から入れてもらうことにした。ちょうど16時。高座では鈴々舎馬風師が元気な姿を見せていた。

落語 鈴々舎馬風
二世噺家の人物月旦。正蔵師の息子のたま平さんと、最近楽屋入りした、たい平師の息子のさく平さんは異母兄弟らしい(違います)。
漫才 ホンキ-トンク
落語 古今亭文菊
いやらしいお坊さん。いわし売りの魚屋と、ふるい屋の小噺。
落語 古今亭志ん彌
「浮世床」の将棋のくだり。
漫談 林家ペー
ぺーさんひとりでギター漫談。東洋のラスベガスこと赤羽。エレファントカシマシ娘。
落語 春風亭一之輔
東武野田線ディスり。「看板のピン」。
落語 林家しん平
狛犬?の被り物を被って客に柏手を打たせる。
浮世節 立花家橘之助
早弾きに前座が叩く太鼓が合わなくなるが、合わないように叩くのも芸か。
落語 三部主任 林家正蔵
関節炎で膝が痛いと言って「あいびき」を使っていた。昨日の鈴本では使ってなかったと思うけど。「新聞記事」。

休憩時間に売店で「東羊羹」というのを買った。すなわち、東洋館の羊羹。本来東洋館だけで販売しているものを、正月に限って演芸ホールでも売っているのだそうだ。中身は井村屋の羊羹。外箱の裏はおみくじになっていた。

落語 入船亭扇蔵
落語 柳家小三太
落語 柳家〆治
漫才 すず風にゃん子・金魚
落語 入船亭扇好
落語 柳家喬太郎
「農耕接触」。
寿獅子 太神楽社中
落語 林家たい平
こん平師の思い出話。
落語 金原亭馬遊
たい平師が終わった後で帰る客をぼやいていたら、着替えの途中のたい平師が高座に出てきて馬遊師をなだめる。二人はたい平師が少し先輩だが同時期に前座修行を勤めた仲とか。
ものまね 江戸家小猫
フクロテナガザル。
落語 柳家福治
「司」と「同」
紙切り 林家正楽
「羽根つき」から、リクエストに応えて「鬼滅の刃」。
落語 柳家三三
「道具屋」。サゲは正蔵師いじり。
落語 金原亭伯楽
「猫の皿」。枯淡。
漫才 笑組
ネタは演らず、南京玉すだれ。
落語 金原亭馬の助
ネタは演らず、百面相という昔ながらの寄席芸を見せる。初席は、顔見世の興行だから、短い持ち時間でかわるがわる演者が現れて、少々慌ただしい。ただ、長い噺が聞けない分、短い時間でできる余芸が見られるのは楽しみでもある。
漫談 東京二
ネタは演らず、ハーモニカと歌唱で「ベサメ・ムーチョ」。比較的若い客席(年寄りはコロナを恐れて来ないのか)は反応薄。私もイントロだけでは曲名は出ない。
落語 柳家小さん
落語 初音家左橋
「葛根湯医者」から、シュウマイが蓋に貼りつく噺。
ジャグリング ストレ-ト松浦
舞台に七本棒を立てて皿回し。もう一本自分の手で持って、計八枚の皿を同時に回す。
落語 桂文生
落語 三遊亭吉窓
「狸の札」。
漫才 ニックス
落語 月の家小圓鏡
落語 五街道雲助
「勘定板」。
落語 蜃気楼龍玉
「蔵前駕篭」。
落語 柳家権太楼
夫婦がゴルフの趣味を持つ話。
マジック ダーク広和
シカゴの四つ玉。
落語 柳家小傳枝
「牛ほめ」。
落語 柳家喬志郎
「きつねつき」。
落語 柳家花緑
「あたま山」。
粋曲 柳家小菊
落語 四部主任 柳家さん喬
「妾馬」。

さん喬さんは袴を着けて現れた。ということは、これから口演する噺にはお侍が出てくる、ということを、実はつい最近まで知らなかった。本式の落語好きからは笑われるだろうが。

年始にYouTubeの米朝チャンネルで、米紫・吉の丞の㊙ワールドニュースを見ていると、桂歌之助さんのことを、袴の着かたが分からない、といってネタにしていた。その中で、例えば「佐々木裁き」のような演目を口演する時は袴を着ける、ということを二人が話しているのを聞いて、そうか、と膝を叩いた。なるほど、噺家が高座で袴を着ける着けないは演目で決まるのか。長年落語を聞いていても知らないことはたくさんあるものだ。

終演時刻は忘れた。幕の向こう側から三本締めをする声が聞こえた。

千束通りまで戻って、馴染みの銭湯に。

通り沿いの家の硝子戸の中に猫がいる。目を丸くしてこちらを見た。

16,001歩。

初席

8時に起き出して、古新聞、段ボールと空き缶を出す。

コロナ以後に新聞を取るようになったが、油断すると新聞紙はすぐに溜まる。面白そうな記事があっても、後から読み返すことはまずないのだから、理想はその日の新聞はその日のうちに捨てることだ。そうはわかっているのだが、後から読もうとか、後から切り抜こうとか思っているうちに、古新聞が積み上がっていくことになる。

だらだらしていたら家を出るのが遅くなった。上野まで歩いてもいいかなと思っていたが、それどころではない。曳舟から東武線で浅草、乗り換えて銀座線で上野広小路に。

鈴本演芸場の正月初席、11時からの第一部に辛うじて間に合った。今日の入場券は当日売りだけなので、10時半の開場前に行列ができているんじゃないかと思っていたが、思いの外、空席が残っているようである。

場内に入ると、空席が残っているどころか、開演の11時の時点で客席に座っていたのは、ざっと10名程度ではなかったか。鈴本の正月の興行でこれほど客入りが薄いのは、やはり異例なようで、何人かの演者がそのことに触れていた。さすが緊急事態である。

松づくし 三遊亭歌る多一門

歌る多さんと美るくさんの師弟による寄席の踊り。両手と足の指も使って、扇子で松の形を見せる。

落語 柳亭左龍「つる」

落語 三遊亭歌武蔵

北の富士さんの相撲解説。

音曲漫才 おしどり

このコンビは、私は初めて見たように思う。客が少ないのをいいことに、針金細工の撫で牛をいただいた。

落語 桂文楽

先代桂文楽家の年越しから新年の風景の思い出話。当代文楽師は昭和32年に先代文楽師に入門。大晦日は師弟が一緒に紅白歌合戦をテレビで見、元旦には総勢100名余りの一門弟子がわずか9.8坪の文楽家に挨拶に訪れたという。そんな情景が鈴本から程近い黒門町で繰り広げられていたのかと思うと、興趣深い。

落語 春風亭勢朝

漫才 ロケット団

三浦師の真っ赤なスーツが目に残る。

落語 古今亭志ん陽

「酒の粕」からの「他行」。

落語 三遊亭若圓歌

歴代の日本ダービーの優勝馬、総理大臣、高校野球の優勝校等を諳んじる。

奇術 マギー隆司

ハンカチのマジック。

落語 林家正蔵「鼓ヶ滝」

仲入り

紙切り 林家楽一

まず「羽根突き」。客が少ないのでなかなかリクエストの声が上がらない。干支にちなんで「闘牛」。ようやくリクエストに応えて「七福神」。宝船に乗る七福神。

落語 春風亭一之輔「ふぐ鍋」

番組表では一之輔師の前の出番は三遊亭金翁師だが、金翁師は「体調次第での出演」と注記されている。今日は金翁師の出演はなし、ということは、よほど金翁師の体調は悪いのかとお客は思うかも知れない。実際にはそんなことはないらしいのだが、番組の出演順から、一之輔師が金翁師の欠席の理由を説明する役回りになってしまっているのだとか。ちなみに、今日までに当席で金翁師が出演したのは、初日と5日目だけらしい。

浮世節 立花家橘之助

落語 柳亭市馬「かつぎや」

元旦の商家を舞台にした噺。正月二日の夜に枕の下に七福神の乗った宝船の絵を敷いて寝ると、いい初夢を見るという習慣がこの噺の下敷きになっているわけだが、改めて江戸の庶民にとって七福神信仰が馴染み深いものであったことを思う。

私的には、水曜の夜に浅草七福神の社寺を回ったところであり、今日の楽一さんの紙切りでも七福神が出てきたので、「かつぎや」の主人のように縁起をかつぐわけではないが、この符合は嬉しい。そういえば鈴本演芸場の隣は福神漬の酒悦だった。

アメ横入口のじゅらくの前を通りがかったら、料理サンプルのオムハヤシライスに惹かれて昼飯。

その足で稲荷町まで歩いた。時間調整も兼ねて、寿湯に。ここに入るのは初めて。

主に露天風呂と水風呂を往還。まだ早い時間だが、ずいぶんお客が入っている。それなのに水風呂に入っているのが私くらいなのは不思議ではある。露天風呂には大きな柑橘類がごろごろ浮かんでいる。

この寿湯と、根岸の萩の湯、そして向島の薬師湯は三兄弟がそれぞれ経営しているのだとか。銭湯好きには周知なのかも知れないが、私は浴室内の掲示物を見るまで知らなかった。道理で、この三軒の銭湯には通じる雰囲気がある。ただ、私の好みかというと、必ずしもそうではないが。

稲荷町から銀座、有楽町線に乗り換えて、銀座一丁目から豊洲へ。

豊洲シビックセンターホールに。

『アドバンスト・コレオグラフィ vol.2』という催しに来た。副題に「コンピュータによる新しい動きの探求!」とある。

会場配布資料から抜くと、「『アドバンスト・コレオグラフィ』は“動きのサンプリング”によってコンテンポラリーダンスを創作する試みです」とある。情報学の研究者が、ダンスの振付を支援するコンピュータシステムを制作し、そのシステムを使ったパフォーマンスの創作を3人のコンテンポラリーダンスの振付家に委嘱したそうだ。つまり、今日のダンス・パフォーマンスは、研究の一環として行われるものということになる。

vol.2ということはvol.1もあったわけで、私は知らなかったのだが、本趣旨の公演はすでに2017年と2018年にも行われていたとか。

なかなか面白かった。システムを用いた創作のアプローチも三者三様だったと思う。

上演順で一人目の振付家は石渕聡氏(コンドルズのメンバーとか)。コンピュータを創作に使用したということを措いても、ひとつのテーマを持ったダンス作品として成立することを意図した作品だったと思う。そのテーマ自体は特にコンピュータとは関係ないようだったが、ダンサーの動きからは、コンピュータを使用した動きということを振付家がかなり意識して創作されたように伺えた。

二人目の平山素子氏の作品は、ダンサーのカズマ・グレン氏のユニークなキャラクターを前面に立てつつ、ダンサーが実際にこのシステムを体験する状況を舞台上で再現して観客に見せていた。やや楽屋落ち的なところもあったけれど、コンピュータで合成された動きを人間が再現する際の困難な部分やダンサーの感じる困惑までが伝わってきたと思う。

三人目の坂田守氏の作品では、坂田氏本人と岩渕貞太氏がダンサーとして参加していた。最初、二人の身体が重なった状態で現れるのだが、衣装や照明の具合もあってか、まるで二つの肉体が融合した、異形の生物がうごめいているように見えた。その後も、パフォーマンスの中盤あたりまで、二人の身体はどこかで常につながっていた。二人の動きからは、特にコンピュータで合成された動きという印象はなかった。それは、人間とは別の身体性を持った生物の動きと思って見ていたからだろうか。

終演後、豊洲から永田町乗り換え。永田町で数駅乗り過ごしてしまって引き返した。7,270歩。

生き物

冬晴れ。もう少し早起きできれば、朝の散歩が気持ちいいことだろう。せめてゴミ出しついでに近くのコンビニまで。朝飯とコーヒーと漫画ゴラクを買う。

今朝のおはよう一直線の占いで、2月生まれは「動物や魚、植物など生き物からパワーをもらえそうです」ということだったので、とりあえず身近な植物に水をやることにする。

しかし生き物ということは人間も入るのかな。

昼間抜け出して二階の食堂に。新年初。今日の日替わりはナポリタン。

昔ながらのナポリタンを期待して大盛にしてもらったが、やや若向きの味かな。

近所の大きな古い建物を取り壊すらしい。最近は使っている様子はなかったが、前は工場か何かだったのだろうか。

今の家に引っ越してから、今月で10年目になる。古い建物の残る家並みに惹かれたのが、ここに来た理由のひとつだが、思いの外長く住み着いてしまった。やはりその間に街の風景は少しずつ変わってきている。

夕刻、所用の後、緊急事態ではあるが、やむを得ない事情で外出。

事情を片付けた後、銭湯に。

ここの銭湯に来るのは月に一回程度だが、もう少し店の人の愛想がいいといいのだが。どこの馬の骨がやってきたのか、という目で見られている気がする(個人の感想です)。まあしかし、安易に客に媚を売らないのも立派な態度なのだろうと思い直す。

今日は昼間から鼻が少しむずむずする。風邪?アレルギー?それともコロナ?

そういえば晩飯を済ませていなかった。外で食べられる店は開いていないし、コンビニであれこれ買い込んで帰る。9,699歩。