馬車道から

モノリスというのはこういうものかと思った。
限りなく黒く、重い、その物質は、光さえ弾かずにはいられないようだ。もうひとつの透明で純粋な美しさだ。
展示室に近づくそばから明らかに不穏な気配が漂っている。
むろんそれは揮発性の刺激臭の謂にほかならないのだが、この気おされるほどの不穏さと、目の前の美しい何ものかの兼ね合いが、自分の中でにわかに整理がつかない。

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