下山から

展示室に足を踏み入れたときは空まで続くようなベッドの列をただただ見上げるばかりだったが、程なくスタッフの方が何か操作したと思った次の瞬間には、突然の豪雨のように大量の水がベッドの上に流れて、騒然とした水音がエーテルのように静かに室内を満たした。
天井から落ちる水が幾本もの線条に見えて、照明にまぎれるうちにベッドを宙吊りにしているピアノ線との見分けが次第につかなくなった。

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