世田谷美術館でやっている瀧口修造展の企画で、高橋悠治のミニ・ライブがあるというので出掛けてきた。
演目は武満徹の「遮られない休息」、「閉じた眼」、そしてバッハの「マタイ受難曲」から「主よ、あわれみ給え」の3曲。
会場は美術館の展示室、瀧口のデカルコマニー連作「私の心臓は時を刻む」が展示してある部屋。


スタッフに紹介されて登場した高橋氏は、まず瀧口修造との出会いについて語る。
少年時代から詩誌で瀧口の詩を目にしていたこと、初めて直接会ったのは、いつかははっきりしないが、実験工房の演奏会で武満徹から紹介されたのだろうと思う、といったことなど。
1曲目の「遮られない休息」は、武満徹が瀧口修造にオマージュを捧げた曲。
この曲名は、瀧口と阿部芳文(展也)との詩画集「妖精の距離」に収められた一篇の詩のタイトルから採られている。
・・・って、歴史的な事実ばかり書き連ねてますね。すいません。
高橋氏は、瀧口の「遮られない休息」を静かに朗読すると、おもむろにピアノに向かい、武満の曲を弾き始める。
不意に最初のピアノの音が鳴り出して、虚を衝かれるような思いがした。
ぼくは音楽ファンとはいえないので、武満徹の曲もあまり聞いていないのだけど・・・。
この曲の第一楽章(って言いかたでいいのかな)は、「実験工房の音楽」というCDで知っていたけれど、2番、3番は今回初めて聞いた。
2曲目は、瀧口が亡くなった1979年の作品。むろん、瀧口への追悼の思いが込められている。「閉じた眼」という曲名は、ルドンの絵から採られたとか。そうか、そうだったのか。
瀧口の死に際して編まれた詩文集「雷鳴の頚飾り」に、この曲名と同じ、「閉じた眼」というタイトルで、武満徹も一文を寄せている。
高橋氏は、その一節を読んでから、再びピアノに向かう。
いま改めて、ぼくの手許の「雷鳴の頚飾り」を開くと、武満の文章の隣に掲げられている楽譜は、この曲の譜面なのか。
3曲目。
「マタイ受難曲」は、病床の武満徹が好んで聞いていた曲で、おそらく、生前、最後に耳にした曲ではないかという。
主よ、あわれみ給え。このアリアの歌詞を読み上げて、高橋氏はピアノに向かう。
アルトとバイオリンソロによる原曲を、高橋氏がピアノに編曲したもの。
この演奏が印象的だったので、きょう、CD屋さんに行って買ってきました。
「Yuji Plays Bach」を、さっきから繰り返して聞いているところ。
ちなみに、きょう2月20日は、武満徹の命日だそうですよ。
世田谷美術館
http://www.setagayaartmuseum.or.jp
瀧口修造:夢の漂流物 同時代・前衛美術家たちの贈物 1950s〜1970s
http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.html
Yuji Plays Bach

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