いやー、こんなに末広亭にお客が入っているのなんて、初めて見た。
1階、2回の座席も桟敷席もいっぱいで、左右の通路に立ち見まで出ている。
かくいう私も、舞台向って左側の桟敷席の上がり口前に陣取って立ち見することにする。
ちょうどいいタイミングで、円丈さんの高座が始まる。
円丈は2代目だけど使ってるパソコンは19代目(だっけな)、8ビットのBASIC時代からパソコンを使ってるということで、ひとくさりパソコン話。
扇子の代わりということで懐からマウスを取り出す。しかも還暦になったから赤いマウス。マウスで蕎麦食ったり煙草吸ったりする。クリックで灰落とす。
ネタは「新・寿限無」。実は初めて聞いた。そうかそうか。バイオテクノロジーの先生に名前を付けてもらう話。
奇術、花島世津子。カードマジック。この人は寄席で何度か見たことあるかな。
落語、林家時蔵。先代正蔵=彦六師の弟子ということで、まくらで彦六話。しかし、声の震えるおじいちゃんこと彦六師のモノマネといえば、世間的には木久蔵師なのだが、この時蔵師も似ている。似ているというのは、木久蔵師のやる彦六師のモノマネに似ている。誰がやってもこうなるのか。
ネタは「犬の目」。ひょうひょうとして不思議な浮遊感。
このあたりで桟敷席の客がひとり帰る。周りの立ち見の客との間で、誰が座るか微妙な間合いになっていたとき、一番入り口近くに座っていた年配の女性が、「空いたからお掛けになったら」と、ぼくに声をかけてくれる。ご遠慮なく、ということで、座らせていただく。
落語、古今亭圓菊。ネタは「宮戸川」。
いいにくいのだが、独特の口調ということなのだろうけど、何を言っているのか聞き取るのに苦労する。年配者の多い客層には受けている。が、落語歴の浅いぼくには味わいがよく分からない。
中入り後、落語、柳家禽太夫。まくらのあたりは、先ほどのぼくを招き入れてくれた女性と少し雑談していたせいもあって、あまり集中できず。ネタは「風呂敷」。面白い。
大神楽曲芸、柳貴家小雪。演芸界のアイドル。そうか、この人か。実は初めて。
皿回し、鞠など。ヴィジュアルと芸との関係。結構、感心して見ました。
落語、柳家はん治。演題はわからないが、居酒屋の主人と客の会話。
この噺って、こないだ池袋で正蔵襲名の興行にいったとき、小朝さんがやってたのと同じだ。あのときは知らなかったから、小朝さんのオリジナルかと勝手に思っていたのだが、ひとつのネタになっているのか。
ただ、最近の音楽はよくわからない、昔の歌謡曲はよかった、とのくだりで、俎上に載せる最近の曲をどうするかでセンスが問われる。今さら「ミニモニ。ジャンケンぴょん!」はないだろ。その点、小朝さんはスゴイ。
さあ、いよいよお待ちかね、小沢昭一大先生の出番だ!というところで、この続きは次回のこころだァー!