下町中ノ郷寄席に行ってきた。
会場の中ノ郷信用組合本店は、実はうちから自転車で2、3分もあれば着くところ。
近所をうろうろしていると、月例のこの会のポスターがあちこちに目に付く。
それでもなぜか、今まで足が向かなかった。これからはおっくうがらずにどんどん腰を上げることにしよう。
信用組合の前まで来ると、ちょうちんが上がっているのが見える。
通用口から入って、チケットを買って、エレベーターで4階に上がる。会場は信用組合の大ホール。パイプ椅子が扇形に並んでいる。お客の入りは、最後は4、50人くらいにはなったのかなあ。
開口一番、橘ノ円門下、橘ノ美香。
この会では、美香さんの兄弟子になる橘ノ冨多葉さんが常連のようだ。ポスターを見ていると、いつもこの人の名前が最初に出ているような気がする。
先月も冨多葉さんが出る予定だったのが、急に美香さんが代演したのだとか。
高座から美香さんが「前回も来た人?」と聞くと、あれれ、案外手が上がらない。こういうコミュニティー寄席みたいなのは、常連客ばっかりなんだろうなあと思っていたのだけど、そういうものでもないのだろうか。それとも、みんな年寄りで手を挙げるのが億劫なのか。
演目は「真田小僧」。そうか、この噺って、こういう演題なんだ(いま調べた)。もっとも、真田幸村が出てくる前のサゲで終わる。
続いて昔昔亭桃太郎門下、昔昔亭笑海。演目は「本膳」。
噺をサゲまで演じたあと、高座に持参した手提げ袋の中から、おもむろに風船を取り出して、風船細工を始める。何でも作れると言いつつ、木更津の家族の言いつけで、作ったのはプードルとインコだけだったかなあ?
風船をひねりながら、どうして体を動かすのか、体を動かさないと陰気になるというのは林家正楽じゃん!
こういう余興は客に小さい子がいると楽しいですね。ちょうど、高座のまん前に小学校低学年くらいの女の子が、おじいさんらしい人に連れられて来ていた。
ここで仲入り。
ロビーではお茶やビール、アイスクリームなんかを売っている。非常に手作りな雰囲気。
さあ本日のトリ、むかし家今松師の登場。待ってました!の声が上がる。
むかし家今松師の噺を聞くのは、実は今回が初めて。
演目は「江島屋騒動」。1時間余りの長講。ぐいぐい引き込まれた。