越後妻有アートトリエンナーレに行ってきた。
見に行こうかどうしようかと思っているうちに、気がつくと会期末になっているのは毎度のこと。
それでも場所が都内近郊なら、ふらっと出かけられるのだけど、さすがにそこまでの気楽さはない。足はどうしようか、宿はどうしようか、現地での移動はどうしようか、とにかく考えることが多くて面倒くさい。
結局、宿の予約など具体的に動き出したのは、直前の月曜日からになってしまった。


どうせひとりで行くのだから、旅館や民宿では敬遠されるだろうし、なによりホテルのほうが気を使わなくてよいのだが、そのころになると、どこのホテルに電話しても週末の部屋が空いていないので困った。地方都市といってよい十日町は別にして、松代だの松之山だのといったところには、シングルルームがあるようなホテルはどこにもないのだ、ということに、宿を探し出してから今さらのように気づいた。
さて、このトリエンナーレも今回が三回目というが、ぼくは今回が初めて。どうしてこれまで足が向かなかったのだろう?
何より、この越後妻有という場所の名前がよくない。妻有だって? 妻も子もない私にケンカを売っているのか。もし越後妻無という名前だったら、非常にシンパシーを感じてよろしいのだけどね。
妙な言いがかりはともかく、わざわざ田んぼや山の中でアートを見るということに、ぼくの食指が動かなかったということはある。
同じお金と時間をかけるんだったら、もっと都内近郊の美術館やギャラリーにたくさん行くべきじゃないか。なにしろ、こっちは周りじゅう田んぼだらけのところから出てきて、東京に住んでいるわけだから。
それに、あの程度の里山くらい、うちから車で10分、20分も行けばいくらでもあるよ、なんていうヘンに張り合うような気持ちもある。実際に現地に行ってみると、あの程度だと思っていたのが、結構な程度だったりしたわけだけど、まあ、新潟と富山で田舎合戦をしても仕方ないか。
そもそも、富山人である私にとって、越後妻有というのは微妙な位置関係にあるのですよ。
10年前にほくほく線ができてから、年に数回の帰省の際は、必ずほくほく線を通る。
だから、あのあたりは行こうと思えばいつでも行けるところという感じがする。といって、実際は特急で通り過ぎるだけで、一度も途中下車をしたことはないのだけど。
今回だって、帰省の途中に寄ったのではなくて、わざわざ東京から新幹線で出向いたのだ。
今年はお盆に帰省して、そのあと8月の終わりにもまた黒部に行く用事があって、微妙にかすってはいるんだけど、なかなか行けそうで行けない、中途半端な気分だ。

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