浅草橋の画廊で「大野一雄 生誕100年祭」という展示を見る。
人形の吉徳の裏あたり。初めて来た。こんなところにこんな場所があったのか。
「舞踏デッサン 私のお母さん」に心を動かされる。
舞踏デッサン、とあるが、コレオグラフィーや舞台の配置図のようなものではなく、舞踏公演のためのシノプシスをあらかじめ言葉でつづったものだ。が、これは詩だ。氏の手書きの文字を追いかけているうちに、そんなことを思う。


むろん、この一群の言葉は一篇の詩として自立するように書かれたものではない。むしろ、公演のための実用的なメモとして書かれたものだろう。
ということは、おそらく最初から詩というものがあるのではなくて、まず、なにか心を動かされる言葉やモノがあって、それを後付けで詩だとか詩的だとかというのではないかと思う。
大野一雄 生誕100年祭 
会場: マキイマサルファインアーツ
スケジュール: 2006年10月02日 〜 2006年10月14日
住所: 〒111- 0053 東京都台東区浅草橋1-7-7
電話: 03-3865-2211 ファックス: 03-3865-2211
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谷中のスカイ・ザ・バスハウスでジェニー・ホルツァー展を覗いた。
先月、越後妻有に行ってきた話は書いたが、そのときに森の学校キョロロで彼女の作品を見た。前回のトリエンナーレの際に制作されたもので、キョロロ周辺の森の中に、遊歩道に沿って例のメッセージが掘り込まれた石が点在しているというものだ。
最初、何の気なしに遊歩道を歩き始めたのだけど、彼女の言葉に導かれて、次々に石をたどるうちに、途中でやめられなくなってしまって、どこまで続くのかも分からず、結局1時間以上も森の中を歩き回ることになってしまった。草露でスニーカーはぐしょぐしょになってしまうし、ほとんどオリエンテーリングみたいなものだと思ったのは、このことだ。
しかし、ジェニー・ホルツァーの作品というと、暗い展示室の中で、赤いLEDの文字列が静かに流れていくような、ある種儀式めいていて、重々しいものという印象があったのだけど(昔見た水戸芸術館での展示の印象が強いのだと思う)、森の中で、ヤブ蚊をたたきながら彼女の作品を見ていくうちに、かなり印象が変わってしまった。
ジェニー・ホルツァー展
会場: スカイ・ザ・バスハウス
スケジュール: 2006年09月07日 〜 2006年10月14日
住所: 〒110-0001 東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
電話: 03-3821-1144 ファックス: 03-3821-3553
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近所なので、「吾妻橋ダンスクロッシング」というイベントを見に出かけた。
開演時間少し前に会場に着いたのだが、受付で当日券を買おうとすると、追加で当日券を出せるかどうか分からないので少し待ってくれ、という。いやはや、結構な客の入りなのだ。
今、ダンスってのは若いお客さんが入るんだなあ。去年、恵比寿の写真美術館で「恋よりどきどき」という展示を見たが、それまでは、恥ずかしながらコンテンポラリー・ダンスがあんなにお客さんを動員しているとは知らなかった。
いや、それはむしろ、コンテンポラリー・ダンスというものについてのぼくの思い込みのほうがズレていたのだろう。なんとなく、思弁的で、堅苦っしく、息を潜めて体の動きを凝視していなければいけないような・・・。そんなものだろうと思い込んでいた。
実際には、若い人たちは、ダンスというお題目、枠組みを利用して、みんないろんなことをやろうとしているんだな。要するに、演劇もダンス、お笑いもダンス、ダンスもダンス。ダンスしなくてもダンス。なんでもありか。

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