去年の12月に府中市美術館に行ったときに、公開展示室で中ザワヒデキの「脳波ドローイング」を見た。もっとも公開制作はとっくに終わっていて、そのときの様子のビデオと、壁に脳波計経由で描かれた「ドローイング」が何枚も貼ってあるだけだったけど。
展示室内の白板に、確か「追悼!松澤宥先生」と書いてあって、多分中ザワ氏が書いたのだと思うけれど、それを見てぼくは松澤宥が亡くなったのを知ったのだ。
といっても、氏のことはろくに知らない。難解だという思い込みから、敬して遠ざけていた。


1995年、当時銀座にあった佐谷画廊で、オマージュ瀧口修造の企画として松澤宥の個展があった。が、結局行かなかった。それ以降、つまり「七つの詩」以降のオマージュ瀧口展は、大体見ている(1、2度の見逃しはある)。逆説めくが、見逃したということで、その松澤宥展は、余計に印象深い。しかし、当時のぼくは、どこで案内のハガキを手に入れたのだろう。
さて、東府中から帰って、インターネットで調べたら、松澤宥追悼の企画展示をしている美術館があるという。横須賀線の衣笠という駅が最寄だというが・・・。
思い立って出かけた。衣笠は横須賀のひとつ先、終点久里浜のひとつ手前。
こうして文字にしてみると、ほとんど小旅行といってよいくらいの距離感だが、実際に出向いてみるとそこまでは感じない。逆に、小旅行の割には近い、というふうに距離感が反転してしまっているのかも知れない。
駅を出て、案の定、道を間違えた。しかし、おかげで無駄に駅の周りを歩いていると、程のよい街だなと思う。さほど大きくもなく、さりとて小さくもなく。いい感じの商店街がある。居酒屋はどうだろう。
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特別企画「追悼 松澤宥」
会場: カスヤの森現代美術館 第二展示室
スケジュール: 2006年12月01日 〜 2007年02月28日 ※会期延長されました
住所: 〒238-0032 神奈川県横須賀市平作7-12-13
電話: 046-852-3030 ファックス: 046-852-7488

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