夜、部屋でお酒を飲んでいたら、急にしゃっくりが出て止まらなくなった。
しゃっくりなんて何年ぶりだろうか。
最初は悠長に構えていたのだが、いつまで経ってもおさまる気配がない。
せっかくいい気持ちで飲んでいたのに、それどころではなくなってしまった。
しゃっくりを止めるには、誰かにわっ、と言って驚かせてもらうのがよい、ということに、世間ではなっている。だがこちらには、その誰かがいない。
googleでしゃっくりを検索してみた。
しゃっくりがなかなか止まりません。何かよい治療方法は?
治療法 (物理的療法)
 薬物療法を開始する前に,まず物理的療法を試みる。
 スプーン1〜数杯の粒状砂糖の嚥下,舌の牽引,眼球圧迫,氷水の急激な飲用,胃部冷却,総頸動脈圧迫法,深吸位での呼吸停止,再呼吸(CO2混合気の吸入によりしゃっくりの頻度が抑制。紙袋で約5分間呼吸。ビニール袋は鼻孔にくっつくので使用しない。),驚愕,カテーテル等による口蓋垂・鼻咽頭の刺激等がある。また神経ブロック法や,頑固な症例には横隔神経の切断法も行われる。(福岡県薬剤師会)
http://www.jp-info.com/fukuyakuqa/qa01/qa01_09.htm
あいにく今、うちでは砂糖を切らしている。
舌の牽引とか眼球圧迫というのはどういうふうにすればいいのだろう。舌をつまんで引っ張ればいいのかな。いま飲み食いしたものを戻してしまいそうだ。
氷水の急激な飲用。氷水の中に焼酎を入れたものなら、さっきまでずっと飲んでいたのだが。胃部冷却というのもあるのだから、要するに、とにかく冷たいものを飲んで胃を冷やせということなのだろう。
それで、冷蔵庫からビールを取ってきてぐいぐい飲んだ。なんだかさっきより酔いが回ってきているような気はするが、しゃっくりのほうはおさまる気配がない。
紙袋で呼吸というのもやってみた。ビニール袋より紙袋がいいというから、書類を入れる大きめの紙袋を口と鼻の周りに当てて、何度も息を吸ったり吐いたりする。ぼくはまだやったことがないけれど、シンナーというのはこうやって吸うものなのだろうか。
しかし、それでも、しゃっくりは止まらないのだった。
こんなにしつこいしゃっくりなど、いつ以来だか、ちょっと思い出せない。
なんだかどうでもよくなって、ふてくされて横になってしまった。もちろん、しゃっくりを続けながらである。
朝、目が覚めてみると、いつの間にかしゃっくりはおさまっていた。
結局、しゃっくりを直すには、酔っ払って寝てしまうのが一番いいようである。
その日は一日じゅう調子が悪かった。

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