今日もAAF学校に行ってみる。だんだん意地になってきたな。
少々遅刻。すでにプレゼンが始まっていた。
今回は登戸周辺でのアート・プロジェクトの報告。
プレゼンの冒頭を聞き逃しているので、肝腎な部分が理解できていないかもしれない。
と、留保しつつ、ぼんやりとプレゼンを見ながら思っていたことを、とりとめなく書き留めておく。
「たまかんさよならパーティ」の報告。取り壊される予定の公共の施設を使ったイベントということだが、記録映像を見ると、親子連れや子供の姿が多くて楽しそうだね。しかし、えてしてそういう雰囲気のイベントは、いい年して単身者のこちとらには参加しづらい。むろん、それはこっちの問題だが。まあ、子供の情操教育?にはよいのでしょう。
「登戸ING計画」。登戸の商店街じゅうの店先に「○○中」(○○の中にはいろいろな言葉が入る)という看板をかけるプロジェクト。○○の言葉は、アーティストと店の人が話して、その店の商売に合ったものを選んでいるようだ。ナルホド。
スライドを見ているうちに、「○○中」というのが「○○中学」の略に思えてきて、ひとり可笑しくなってしまう。「オール電化中学」とか、そんな学校名ないよな。
寄せられたコメントを紹介して、中華屋だかどこだかでは、アートではなくPOPだと思われたとのこと。苦笑するが、このコメントは結構本質をついているようにも思う。要するに、POPでいいんじゃないか? アーティストがやっているから、アート・プロジェクトとしてやっているから、これはアートですと言っているだけでね。
この企画に関する資料が回覧されてきたので見ると、もともとは商店街じゃなくて、空き地や道端に例の「○○中」っていうバカでかい看板をいくつも立てたかったみたいだね。それが、役所だか警察だかの許可が下りなかったので、商店街の店先を使わせてもらった経緯があるようだ。
ただ、その資料の中にあった、もし空き地でやったらこうなる、というイメージ写真を見ると、結構オモシロイ。実現できなかったのは残念だけど、こんな写真をウェブでいくつも公開するのもいいんじゃないか? ありえたかもしれない登戸のイメージとしてね。
ふと思ったこと。こういった企画に、専修大学の学生たちは絡まないのか? アート系とか企画系のサークルとか、学内にありそうなものだが。
アート・プロジェクトを街中でやるとなると、地域から協力を得るのが難しい場合もあるのだろうが、逆に、学生の企画というのを前面に出すと、学生なら仕方ないよな、と、案外話がすんなり通ってしまうこともあるんじゃなかろうか。話の冒頭を聞いていなかったので、あるいは企画者側に専修の学生やOBが含まれているのかも知れないが。ま、いずれにしても、こっちの勝手な思い込みなので、実際どうなるかはよく分からない。ただ、登戸や向ヶ丘遊園のあたりは、何度か歩いたことがあるけれど、確かに学生街という雰囲気ではなかったようにも思う。
質疑応答で、参加アーティストをどうやって選ぶかという話題になったときの話で、例えば、その街の有力者の娘が絵を描いているから、それを展示してくれという依頼が来たらどう対応するか?という指摘は興味深かったな。そういうことが結構あるのだろうか。
しかし、まあ、権力を笠に着るようなのはどうかとは思うが、すごく一般論的に言ってしまえば、その街に住んでいるごく普通の人が、何かしら美術に触れたり実践したりしているというのは、悪いことではない。というかすばらしいことだ。
問題のひとつは、市井の人たちが考える美術(カルチャースクールで習うようなやつとか)と、現代アートというのが、ものすごく乖離してしまっていることだと思う。
その乖離という状況の中で、もしアート・プロジェクトの企画者側が、俺たちは高尚なアートをやっているんだ、お前らがやっているようなビジュツと一緒にするなよ、というヘンテコなサベツ意識を持っているのだとしたら、とても悲しいことだ(というか、そういう意識をもっているのは、このぼくか?)。
この二つのアート、二つの美術を分け隔てるのではなくて、互いに取り込み、取り込まれていくような企画が必要だろう。まあこれも言うは易しの類か。これを真剣にやろうとすると、教育とか啓蒙とかいう生ぬるい言葉を超えて、傷つけあうような事態も現れてくるのかも知れない。図らずも会場で「共犯者」という言葉が出ていたが、そうした犯罪や暴力の比喩こそがふさわしい事態が。
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『AAF学校2007 vol.4「ノボリト・アート・ストリート アートの引力 ―魅せられし市民たち」』
会場: アサヒ・アートスクエア
スケジュール: 2007年04月19日 19:00?20:30
住所: 〒130-0001 東京都墨田区吾妻橋1-23-1 アサヒスーパードライホール4F
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