「Space Your Future」展を見に出かけたのだが、あまり印象に残らなかったな。なぜだろう。
こちらがあまり馴染みのない外国のアーティストが多かったからか。あるいはファイン・アートより建築や都市計画のような展示が目立ったからか。よくわからない。
図録をぱらぱらめくっていてもピンとこなくて(結局買わなかったけど)、今の自分には文字が右から左に流れていくだけのような気がした。
何か、真に迫るものがないといおうか・・・。
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たまたま届いたばかりの「メセナnote」53号をめくっていると、坪池栄子さんというアートプロデューサー(そう呼んでしまってよいのだろう)の方が市民参加の芸術文化活動について一文を寄せていて、そのような活動に参加する「市民アートプロデューサー」を定義して曰く、「価値の定まらないものに対して努力できる人」と。
ほほえましくも胸のすく言い切りだと思った。
が、そんな人、はっきりいって変人であろう。何かというと、価値、価値という言葉が喧しいご時世である。
一見無価値と見えて、実のところ、やっぱり無価値だったりする。そんなもののために汗をかくなど、なんて酔狂なことか。
しかし、アートとデザインを並べてみて、デザインの範疇に入るとされるものを見て往々にして感じる物足りなさは、こういう物狂いのなさではないかと思う。
デザインというのは、どんなにクリエイティヴで、アーティスティックに見えたとしても、一定の経済的な価値を伴っていて、またそれを追求する性質のものであろう(前に、六本木クロッシング展のトークショーで、どなたかがそういうようなことを言っていた)。
要するに、デザインというのは、経済社会において、まん真ん中ではないかもしれないけれど、居場所がちゃんとあるのだ。
では、アートの居場所は・・・?
少なくとも、そういう居場所には安住しないようにも思える。あるいは、できない?
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『「SPACE FOR YOUR FUTURE」展』
会場: 東京都現代美術館
スケジュール: 2007年10月27日 ~ 2008年01月20日
12月24日、1月14日は開館、但し12月25日、1月15日は休館。
住所: 〒135-0022 東京都江東区三好4-1-1
電話: 03-5245-4111