早稲田通りを高田馬場のほうにふらふらと歩いて、早稲田松竹で「未来世紀ブラジル」をやっていたので見た。実は初めて見る。
いやー、うまいこと引きずり込まれて、まんまとやられたな、あのエンディングには。
少しの間甘い夢を見ていた自分に苦笑せざるをえない。
ややほろ苦いが、これでこそ、この映画の本領なのだろう。
と思って、うちに帰ってWikipediaを見ると、なんとハッピーエンドバージョンというのがあるらしい。確かに救いはあるのだろうが、正規のエンディングを見た後では、それでは少々甘ったるいなと思う。
しかし、情報剥奪局の窓口でのジルと係官とのやりとりは、そのまんま落語の「ぜんざい公社」だな。
サムが小切手を渡しにジルたちの住む街に出向くシーン、子供たちが逮捕ごっこ(?)をして遊んでいるのは、「佐々木政談」みたいだな、と思ってしまう。
われながら落語の聞きすぎかな。いや、役人をおちょくるのに東も西もないということか。だいたい、この映画、大きなストーリーがしっかりあって、そこにいくつものクスグリがまぶされていて、最後にストンと落ちる、そんな構成自体が、なんだか落語みたいだ。
多分、ぼくには理解できなかった小ネタがいくつもあったことだろう。それがクヤシイ。