雪が降る

今日は雪のせいで10時までの営業とのこと。
ベルクを出たら、地下通路のシャッターが閉まっていて驚いた。
が、事情通のおじさんがシャッター脇のドアを開けて行くのに連れ立って出た。
チーズでワインを飲みたかったのだが、諸事情でウインナーばかり食べてしまった。次の課題だ。
立ち飲みしながら、ブックファーストで買ったばかりの塩野七生の「コンスタンティノープルの陥落」を読む。このところヨーロッパ史の本を読む必要があって、ビザンツ帝国の歴史を追いかけていたのだが、Wikipediaの記述がちょっとばかり感動的で、もう少し掘り下げてみたいと思ったのだ。
3分の1程読み進んだところで、時間切れ。


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ある意味、ぜいたくな書き方なんですね・・・。
オスマン側、ビザンツ側、そしてビザンツに加担したヴェネツィア人、中立を保つかで揺れるジェノヴァ側・・・。この都を取り巻くさまざまな当事者が、その思惑とともに次々に視点を変えて描写される。
どこか一方の視点からではないし、また、作家がどこか一方に強烈に思い入れているというふうではない。公平といってもよいと思う。
が、もしこの主題を、例えばビザンツ側の視点だけで書いても壮大な物語になっただろうし、オスマン側だけとしても同様だろう。
また、作家は、そういう書き方ができるだけの材料は十二分に集めているはずだ。
おそらくは、あえて、そういう書き方はしなかったのですね。
ぜいたく、と言ったのはそういう意味で、本気出すと全何巻にもなりそうな物語をぎゅっと一冊につめこんだという趣き。ダイジェスト版というか。
ともあれ、あんまり海外に行きたいと思わない人なのだが、イスタンブールには行ってみたいと思ったな。
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コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)
コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)
塩野 七生

新潮社 1991-04

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