気が付けば、横浜トリエンナーレが始まっている。
前回のトリエンナーレから、もう3年過ぎたなんて、にわかに信じられない。
本当に、あの時は毎週のように横浜に通っていたような気がする。平日の夜、仕事を終えてから急いで山下埠頭に向かったことだって何度かあったはずだ。
それにしても、前回のトリエンナーレをとりまいていた、あの奇妙な高揚感はいったい何だったのだろうかと思う。いつでも、何かがそこで起きそうな気がしていたし、実際、何かを目撃していた。


とはいえ、ぼくが前回のトリエンナーレに通い出したのは、会期も半ばを過ぎるかという頃で、もっと早いうちから見に行っていればよかったと思ったものだ。
今回のトリエンナーレだって、実際に見ないことには、話が始まらないだろう。
それで、とりあえず現地に行ってみることにした。
会場が基本的に山下埠頭に集中していた前回と違って、今回はメイン会場だけでも3つに分散している。その点では、2001年のトリエンナーレと通じるところがある。
メイン会場には、馬車道の駅から向かってもよかったのだが、いつものくせで桜木町で降りたら、さすがに結構歩いた。歩くだけならまあいいが、万国橋を渡った先の、角にJICAがある交差点のリング状になっている歩道橋の渡り方が分かりにくくて、リングの上でうろうろと引き返したりしているうちに、軽くむかっ腹が立ってくる。
新港ピアに着いて、正面右のチケットブースで、事前に買ったチケットパックについているクーポンを、当日のチケットとガイドブックに引き換えてもらおうと思ったのだが、チケットはともかく、ガイドブックへの引き換えはここではできないと言われる。ではどこで引き換えてもらえるのか。受付の説明を聞いてもなんだか要領を得ない。BankART Life展のチケットと関係のあるようなことを言っていたが、今思ってもよく分からない。
やや釈然としないまま入場した。すぐにだだっ広い部屋があって、そういう作品だったのかもしれないが、この部屋全体にまだ設営作業中ですという雰囲気がある。
そして、その先の通路を漫然と歩いていくと、あっという間に一番奥のショップまで来てしまった
(ガイドブックはこのショップで引き換えてもらえた)。
ぼくの根気が萎えているのか、展示作品の前で、あまり足が止まらない。
それで、来た通路を引き返して、また入口に戻ってきたら、今日はもうこれでいいや、という気分になっていた。
この新港ピアという会場は、新しく建てられたものなのだろうか?
前回のトリエンナーレのように、既存の倉庫の内外装を生かした展示空間ではなく、さりとて美術館的なホワイト・キューブでもありえない。
なんだか見本市会場みたいな雰囲気だと思った。その点でも、まさに見本市会場そのものが会場だった2001年のトリエンナーレと通じている。
が、しばらくして、これが本来のトリエンナーレの姿なのかもしれないと思い直した。国際美術展というのは、まさに現代美術の国際見本市ではないか。
むしろ、前回のトリエンナーレこそが、本来の姿から見ると、異質なものだったのではないか・・・。
《Memorial Rebirth》という、シャボン玉のパフォーマンスを見ながら、そんなことを考えていた。
* * *
横浜トリエンナーレ 2008 – 新港ピア
会場: 新港ピア
スケジュール: 2008年09月13日 ~ 2008年11月30日
10:00~18:00 (入場は閉場の1時間前まで)
住所: 〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港2丁目5
電話: 03-3265-2068

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