鈴本演芸場特別企画興行 寄席DAYパート37 鈴本特選会
「錦平の会」
開口一番 林家まめ平「子ほめ」
落語 林家たけ平「大師の杵」
落語 林家錦平「夢金」
落語 林家いっ平「井戸の茶碗」
仲入り
漫才 ロケット団
落語 林家錦平「やぶ入り」


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写真はハネ太鼓を叩く林家まめ平さん。
まめ平さんは正蔵門下、今年の3月に入門したばかりのよう。
林家たけ平さんの髪型が変わっていて驚く。前は、長めの髪をふわりと中分けにしていたと思ったのに。今日は短い髪をやや立てる感じ。
たけ平さんの落語は、いつくらいぶりだろう?
この錦平さんの会でも、たけ平さんは何度か見ていると思うが、若い落語家がどんどん成長していく姿を目撃するのは楽しいことだ(それに引きかえ、わが身は・・・という話は言いっこなし)。
落語自体は、前からうまい人だと思っていたが、今回久しぶりに聞いて、噺の中に入れるくすぐりやまくらが上手になったと思った。まあ、言ってみれば、それほど面白くもない話なのだが、面白くもない話を、もっともらしく聞かせる。前に聞いたときは、意識してまくらを振っているという感じで、ややたどたどしかったように思う。こういうのも、芸の上達ではないだろうか。
さらに付け加えると、高座での雰囲気が明るくなったと思った。髪型を変えたこともあるし、なんだか一皮むけたようだ。
錦平さんの「夢金」。最初、こちらの体調のせいで、うまく噺の中に入っていけなかったのだが、最後はまんまと没入させられていた。まさに夢を見ていたかのよう。
いっ平さん。いろいろな意味で世間に話題を振りまく海老名家の人びと。むろん、いっ平さん自身も来春に二代三平襲名を控えている。海老名家のことは自分よりも長姉の美どりに聞け、これを「美どりの窓口」という。
いっ平さんの錦平さんのモノマネが可笑しい。と思うと、鶴瓶、志の輔、談志と噺家のモノマネを次々に出してくる。こういう芸を持っているのか。
もしかしてこのまま最後まで楽屋噺的小ネタ集で行くのかと思ったら、ちゃんと古典落語をやる。錦平さんの落語を聞いた後では、さすがに雑なところも感じるが、何より元気で明るい。古典落語を精一杯こなそうとしている中に、自然にいっ平風味が出る。そして、その味わいにこの先の可能性があるような気がする。ぼくは先代三平を知らないが、これが当代の三平のスタイルになっていくのだろうか。
仲入り後、ロケット団の漫才。四字熟語ネタや、英語ネタ、金正日ネタなど、いくつかの持ちネタを組み合わせて時間を構成していく。これまでも何度か耳にしたネタもあるが、小室哲哉のような時事ネタを入れたり、並べ替えの妙で新鮮に聞かせる。何より、これだけの時間をネタで持たせられる若い芸人がどれだけいることだろう?
今回は、向かって左側の三浦昌朗氏(っていうんだな)の山形ネタで引っ張っていたのが印象的だった。最近はこういう出身地ネタもやるのかな?
最後は再び錦平さんの「やぶ入り」。決してドラマティックな展開のある噺ではないのだが、奉公に出した息子を思う親の情に感じ入る。そして、ついぞ自分はこんな思いを抱くことはなかったと、わが来し方を振り返る。
しかしこの噺、親子が情を交し合うのはいいけれど、サゲに持っていくには、前もってネズミ捕りの懸賞の説明を十分にしておかないといけない。なんとかならないものですかね。
そういや、逆転の発想で、大麻が吸えるから大学を目指す、というまくらは笑った。
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鈴本演芸場特別企画興行 寄席DAYパート37 鈴本特選会「錦平の会」
会場: 鈴本演芸場
スケジュール: 2008年11月16日 18:00~
住所: 〒110-0005 東京都台東区上野2-7-12
電話: 03-3834-5906

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