第二回『噺の扉』
「転宅」 桃月庵白酒
「唐茄子屋政談」 春風亭小朝
仲入り
随談 小沢昭一
「居残り佐平次」 柳家小満ん

この春から春風亭小朝さんが始めた新しい落語会『噺の扉』。今回が二回目となる。
ちょいと前の用事が立て込んで、慌ててタクシーに飛び乗ったが、まずまず間に合った。
チケットを手に座席を探すと、会場の最後列。おやおや、と思うが、席についてみて、これはこれで悪くないと思い直した。会場全体の雰囲気とともに、高座を俯瞰してとらまえることができる。この日本橋劇場、いつできたのか、新しいホールだと思うけれど、落語会にはうってつけての、小体な会場である。

さて開演、まず桃月庵白酒さん。この人の出番から始まるのだから、ぜいたくな会だと思う。そしてもうひとつのぜいたくは、座布団返しに前座の春風亭ぽっぽさんが出てくることで、これだけはもう少し前の席で見たかったと思うが・・・。まあ、その話はよしましょう。
白酒さんはさすが安定した高座で、最高顧問三遊亭円歌、会長鈴々舎馬風という盤石の体制だけある(これはまくらで白酒さんが振っていたギャグ)。
小朝さんは今回も羽織は着けず、高座に机を置いて口演。もしかしてこれからも毎回この講釈スタイルで行くのかな?
軽やかなテンポで若旦那と周囲の人たちを描写していく。
冒頭、三日飲まず食わずで吾妻橋に差し掛かった若旦那が身投げを試みるに至る経緯が、やや軽すぎるかな、と思った。もう少していねいな心裡描写があってもよいのではないかと。
が、むしろ今回の口演ぶりは、江戸の本所・浅草・吉原の情景を次々とスケッチして見せるように観客に彷彿とさせることに本意があったのではないかと思いなおした。
それよりも何よりも、割り当ての時間がもう15分あればと惜しいことだ。身投げの場面もそうだし、噺の最後部、若旦那が大家の家に殴りこんで以降の流れがトントントンと進んで結末に至る、このくだりをもう少し丁寧に描写することもできるだろう。が、これはあえてこうしたのかも知れない。
今回の出演者すべてにいえることだが、一人あたり30分程の持ち時間が決して長くなく、もう少しだけ噺の世界に入っていたいと思わされた。
小朝さんなら、この唐茄子屋政談で45分でも1時間でも観客を江戸の情景の中に遊ばせることができるはずなのに。

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