ここ1ヶ月ほどバタバタしていたもので、月刊ホークスの12月号も手にしていない。
大きな本屋に行けばまだ置いてあるだろうか。
しかし、来年から月刊ホークスの発行元もソフトバンク・パブリッシングになってしまうのだろうか? そんなことを考え出すと切りがないのだが、やはり心は千千に乱れる。
理想論はともかくとして、今の日本のプロ野球ではどうしても親会社の存在を無視するわけにはいかないのだから、むしろ積極的にその意味を考慮する見方もあるのではないかと思う。
特にホークスファンというわけではなくても、ダイエー店内で流れるホークスの応援歌「いざゆけ若鷹軍団」を耳にされたことのある方は多いのではないだろうか。
一部報道によれば、来季もこの応援歌が存続される方向で検討されているらしい。
もっとも、歌詞の中の「われらの われらの ダイエーホークス」、この「ダイエー」の部分は何か別の言葉に置き換えられるのだろうが、さあ、また来年もこの応援歌をダイエー店内で耳にすることができるのか。
今、ぼくの手許に11月13日の日経夕刊からの切抜きがある。
作家の貴志祐介さんが、「オレンジ色の灯火」というタイトルで、甲子園球場、ひいてはダイエー甲子園店の近所に住む作家の目から、昨年の日本シリーズと95年の阪神大震災の記憶を交えて、ホークスとダイエーのことについて書いている。
今年になって、ホークスやダイエーについて書かれた文章はさんざん目にしたが、この貴志さんのコラムは、短いけれど印象に残った。
阪神大震災の際、中内功さんの指示でダイエーはいち早く店舗を開けたと聞く。なるほど、震災に遭われた地域の人たちのダイエーへの思いは、また特別なものがあるのだろう。
この文章を中内功さんが読んだら、我が意を得たりと思うんじゃないかな。
失礼ながら貴志さんの小説は読んだことがない。今度、本屋で探してみよう。
ともあれ、ホークスのバトンを引き継ぐソフトバンクにも、そしてこれから決まるだろうダイエーの支援企業にも、どうか過去の記憶を粗末にすることのないようにお願いしたい。