おなじみサラリーマンの宮坂さんのお噂でありますが、宮坂さんの会社の部長さんに、もうかれこれ6年も単身赴任を続けてるという人がいるそうなんですね。
その部長さん、週末はまめに自宅に帰っているそうなんですが、さすがに平日の夜はひとりですから、やっぱり寂しいこともあるんでしょう。会社の部下に声を掛けて、夜の街に繰り出す、なんてこともしばしばなんです。それでわれらが宮坂さんも、月に一度くらいは部長のご相伴にあずかっているそうなんでありますよ。


さて、その部長さん、若い連中を引き連れて、おなじみのスナックに参りますと、マイクを握って歌うのは、きまって唱歌、童謡のたぐいなのであります。
やっぱり60も過ぎますと、幼き頃への追憶、過ぎ去った時間への感傷が、長い単身赴任生活の軽いホームシックとあいまって、人の心を童謡に向かわせるんでありましょうかな。
朗々と童謡を歌い上げる部長さんの姿を横目に、宮坂さん、水割りを口に含みながら、そんなことをぼんやりと考えていました。
ところでその晩は、例の部長さんと宮坂さんのほかに、もう一人、宮坂さんの後輩社員の方が同席していたんですが、その方、なんと唱歌という言葉自体をご存知ないのであります。
確かに、今の子供たちは、めっきり童謡や唱歌というものを歌わなくなりました。学校の音楽の時間でも、ほとんど教えなくなったようでありますね。
私ども、戦前の小学生には、はるかな少年時代の思い出と、その頃口ずさんだ唱歌というのは、切り離せないものでありますが、まったく、昭和は遠くなりにけりですなあ。
上の話は私が書いたフィクションでありますが、ここに出てくるような部長さんには、数年前に小沢さんが出したCDなどをプレゼントすると、たいへん喜ばれるんじゃないでしょうか。
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夢は今もめぐりて〜小沢昭一がうたう童謡
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小沢昭一がうたう「童謡春秋しみじみ」
かく言う私も、この夏のお中元がてら、お世話になっているあの方に2枚セットで贈っちゃおうかな、なんて思っている次第であります。
ちなみに、この2枚ともムーンライダーズのくじらさんがアレンジと演奏で参加しているんですが、私、肝腎のライダーズの新譜をまだ買ってないんです。
ユリイカのムーンライダーズ特集号は買いましたが。あれも味わい深いものでしたな。
こんな話をしだすと、小沢さんから話題がどんどん離れてしまいますのでこのあたりにして、また明日も小沢昭一マニアのこころだァー!

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