「モツ煮狂い」というミニコミ誌?を購う

著者のクドウヒロミ氏が厳選した都内20店のモツ煮が写真付きで紹介されている。
この中で、ぼくが行ったことがあるのは、森下の山利喜と大門の秋田屋くらいか。
全然行ってないな。その両店にしたってかなりご無沙汰している。秋田屋は改築されてから足を運んでいない。実を言うと、門仲の大坂屋や月島の岸田屋といった有名店さえ、ぼくはまだ未訪なのだ。岡サーファーならぬ、岡居酒屋好き?


しかし、有名店になるのも困ったものだと思う。
本誌の岸田屋の紹介記事で著者が書くように、「おかげで、週末は混雑してまず入れず、平日はグルメなサラリーマンのグループを頻繁に目撃するようになりました。これが判で押したように大企業の立派な方々で」、「しかも長っ尻で、延々と会社の話題と人生訓を語り合っています」。こんな様子だったら、あんまり足が向かないなあ。
とはいえ、そんな風潮を嘆くふりをするぼくだって、常連の地元民であるわけでなし、居酒屋めぐりのスノビズムは五十歩百歩であることは心しなければなるまい。
ぼくは富山の田舎で育ったので、子供のころ食卓に上ったものといえばコメと野菜と魚ばかりで、家畜の内臓肉など、まずお目にかかったことがない。
だから、モツ煮込みなんてのは、本当に異次元、別世界の食べ物みたいなものなのだ。
言い換えれば、それはぼくにとってまったくの都市の食べ物で、その場合の都市というのは実は都市の辺縁のことをいうのだ、ということを本誌をめくりながら改めて認識した。
すなわち、前文で著者がいうところの、京成トライアングル、城北トライアングル、城南ベルトといったあたり。
しばらく、ぼくもこの「モツ煮狂い」をカバンに入れて、いくつか店を訪ねてみようか。店が建てかわったり、たたまれたりする前に・・・。
* * *
この「モツ煮狂い」は今のところ神保町の古本屋「ダイバー」にしか置いてないそうです。
古本お休み処 ダイバー(探求者)
住所: 〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-12 川島ビル1F
電話: 03-6657-3277

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