東向島のユートリアで、映画「セクション1-2-3」を見た。
今後の上映会に予定が合うか不安だったので、一番手っ取り早い機会に取りあえず出かけたのだが、どうやらこれが、この映画の初上映だったらしい。
映画が終わって、司会の曽我さんからマイクを向けられた監督の品川亮氏が、いきなり映像と音響の悪さを残念がっているのに苦笑した。
確かに、絵も音も決していいとはいえない環境で(特に音など割れまくり)、監督としていかにも不本意だったのだろうけど、それにしても、初上映という晴れがましい場でのネガティブトーク全開っぷりは、聞いているこちらのほうが恐縮してくる。
内容としては、よくわからない。まず、今の若い人たちの間で、スケートボードというものがどういう位置付けなのか。その認識を共有しているかどうかで、見え方が違ってくるような気がする。
ぼく自身は、ああいうふうにスケートボードを乗り回している若者が、もし目の前にいたら、正直、ちょっとコワイ。なるべくかかわりあわないように、そそくさと通り過ぎよう、なんて思ってしまう人です。
一方で、あれがカッコイイ、ああなりたい、ああいう人たちとお近づきになりたい、と思う人だっているわけでしょう、きっと。すでに、その感覚のギャップがある。
で、多分、向島地区には、どちらかというと、前者の、ぼくの思いに共感していただけるほうの人が多いんじゃないでしょうか。根拠はないですが。
向島にスケートボードを走らせるというのは、そういう場所にあえて異質なものを闖入させてみました、という趣向なのか。
ぼくには、全編を通して流れるあの音が、ジェット機の爆音のようにも聞こえた。
あと、「集まり散じて人は変われど」なんてフレーズが頭に浮かんできた。
街のにぎわいも、どこからか突然現れ、何かのはずみで不意に消える。そんなものなのかもしれない。そういう寓話。
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さて、てっきり映画を見に行くことにしか頭になかったのだが、今回の「セクション1-2-3」の上映は、言ってみればこの日のイベントの前座で、本題は、新タワー周辺のまちづくりに関する学生プレゼン大会であった。
せっかく来たので、ついでにこれも少し見ていくことにするが、言われてみれば客席も学生が多いし、うーむ、少々場違いであったか。
参加は、東工大の学部生チームが3組、明治大学の大学院生チームが4組。
この後の都合もあるので、東工大のプレゼンを見たところで失礼させてもらったが、その限りでいくつか思ったことがある。
会場の審査員の人も言っていたが、いちおうテーマは新タワー周辺ということになっているらしいのに、京島や鳩の街あたりの話が多くて、微妙にズレている感がある。
街歩きの面白さというと、どうしてもそういうあたりに目が行くのは仕方ないのかもしれないけど。
新タワーの予定地というのは、地区でいうと向島に入るのだろうが(少し自信ない)、実際はかなり本所寄りの場所で、新タワー周辺のまちづくりというなら、もう少し重心を南側におかないといけない。
が、プレゼンと展示をざっと見た限りでは、本所地区まで視野に入れていたグループはひとつしか見当たらなかった。そこが少し物足りない。むしろ新タワーが、本所と向島の接点として機能するのではと思うくらいなのだが。
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夜は、隅田川花火大会。写真は第二会場。この方向あたりにタワーがそびえるか。