ル・コルビュジエ展のメモ
ピュリスムの絵画。
画面に繰り返し現れるモチーフ。縦に波形の模様のついたボトルとグラス。
底に突起のあるワインボトル。
ロンシャンの礼拝堂の模型。
まず、不思議な造形だな・・・と思う。モダニズムとはいえないだろう。確かに絵画の中に現れるものと共通するかたち。
後期のキュビスムの複雑な画面構成に対する反応としてのピュリスム。
そこに、友人であったレジェからの影響が見られる、とか。どこか、ひとすじなわではいかない感じ。


建築家のアトリエを、実物大に再現した部屋に入る。
アパルトマンの最上階に置かれたアトリエ。
両側の壁に大きく窓を取っているが、これは、ヴィトリーヌのガラスだ(偏光ガラス)。
外の景色は、すべてガラスの表情によって効果を与えられて目に飛び込む。
ふと、先程のピュリスムの絵の中に頻出していた、ボトルの波形模様、底の突起に思いが至る。
どちらも光に角度を与えて、目に見える形を変容させるということではないのか。
ムンダネウム。ピラミッド状の建築。
これは、魚津市においてパチンコ屋の建築として実現したようだ(違うか)。
ビデオを見る。
黄金比に基づいて決められた比率。建築への展開。
建築家は黄金比を新しいものにした。曰く、かつて寸法の単位は人間の身体からつくられた。それがメートル法によって失われた。建築家は、男性の身体の部位の比率に黄金比を見出した。
確かに映像は美しく見える(数学的に?)が、それを建築に適用するのって、本当に理にかなったことなのだろうか。
モデュロール。Module(尺度)+Section d’or(黄金比)の造語。
理想とした男性の身長は183cm。へそまでの高さ113cmとの比率が黄金比1.618:1となる。
建築家は、メートル法が人体の寸法に由来していないため、古典建築に見られる人間、自然、建築の調和が失われることを危惧していたというが。
* * *
ル・コルビュジエ 「建築とアート その創造の軌跡」
会場: 森美術館
スケジュール: 2007年05月26日 ? 2007年09月24日
住所: 〒106-6150 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
電話: 03-5777-8600

コメントを残す