鳩の街通りの「こぐま」主催の街歩きの企画に参加してきた。
ぼくの部屋から墨田区役所を横目に過ぎて、鳩の街あたりまでなら、自転車で気軽に行ける距離。というわけで、いつもならこの通りは自転車ですっと抜けてしまうのだが、今回は自転車を置いて歩いてみようという寸法。
上の写真では、こぐまの店先にぼくの自転車の後輪だけが写っている(路地琴の前に停めてしまって失礼しました)。
同じ土地でも高いところから見下ろすのと地面に近いところから見るのでは、全然景色が違うように、どんなスピード感をもって通るのかでも、その土地の景色は違ってくるように思う。
例えば、ぼくは富山の実家に帰省するときは、いつも越後湯沢からほくほく線の特急に乗り換えるのだが、あれはもう一昨年になるのか、越後妻有のトリエンナーレを見に行くのに、早朝の普通列車に乗ってほくほく線を通ったとき、何度も通り過ぎているはずの沿線の景色があまりに見違えているのに驚いたものだ。
同じように、もっと小さい縮尺でも、その街を自転車で行くのか、歩いて通るのかで、目に入るものが違うだろうと思うのだ。
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こぐまの二階。
昔は写真右のスーパーまで四軒長屋になっていたそうだ。
二階が気になる。
露伴児童公園。別名、でんでん虫公園。
幸田露伴の旧宅跡。露伴は自邸を蝸牛庵と名づけた。それでここにもカタツムリがいる。
鳩の街通りの入り口近くにあった蝸牛庵は、今は明治村に移築されているという。そうか、鳩の街は空襲では焼けなかったんだ。
久しぶりに明治村に行きたくなってきたぞ。小沢村長!
カタツムリの背中。
言われてみれば、確かにあちこちに天水尊があるな。
そうか、ここが旧本所区と旧向島区の境界なのか!
以前は北十間川あたりが境だったのだろうと思っていた。が、インターネットの掲示板か何かで、それはどうも違うらしいという話を読んでから、ずっと気になっていたのだ。
ぼくがぼんやりと思っていたより、ずいぶん北寄りに境界があったことになる。
向島と本所が相合傘に入っている。
墨提通りを渡ったこちら側にも。
そして、鳩の街通りの一本南側のこの細い路地が、向島区と本所区の境界線。昔はどぶ川だったという。
電柱に古い町名が残っている。
路地尊の手押しポンプは動かなかった。
さくらんぼ児童遊園の花。
蔦に覆われた歯医者さん。
てっきり、ずいぶん古い建物なのだろうと思っていた。
が、地元の若い人の話だと、彼女の子供のころに建ったものらしいから、なあんだ、実は大して古いわけじゃないんだ。
蔦が古く見せる。わざと這わせているのか、どうなのか。
ここにも古い名前が残っている。
鳩の街の裏道。印象的なタイル張りだ。
かすかに文字が残っている。
OFF LIMITSと読める。
その二階。
鈴木荘の中に上げていただく。
角の部屋には木工の作家さんが入る。窓から見た鳩の街。
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『アート&カフェ こぐまの特別な一日vol.25「向島・鳩の街通りを歩く」』
ご案内: 山中正哉(こぐまマスター/劇作家・演出家)
スケジュール: 2008年04月27日 11:00 ~ 12:00
住所: 〒131-0032東京都墨田区東向島1-23-14