ヒマなので近所の図書館に出かけた。
書架の奥では、中学生や高校生の若者たちが参考書だのノートだのを広げて静かに勉強していて、自分が学生の頃とさして変わらぬ光景にシミジミとするのだった。
とはいえ、さすがに時代の流れやのう、と感心しつつ見たことが二つ。
ひとつ目は、彼らの多くが机の上に電子辞書を置いて、時折何やらキーを叩いている。英単語でも調べているのかな、と思って、ちらりと横目で見ると、日本史のテキストを読んでいる女の子が、坂上田村麻呂、なんて検索しているので、最近の電子辞書にはそういう方面のデータも含まれているのだろうか。
しかも、同じようなタイプの電子辞書を持っている子が他にいたので、もしかしたら学校指定の機種でもあるのかな?
ぼくの手許にも何年か前に買った電子辞書があるにはあるが、ほとんどお蔵入りの状態で、部屋にいるときは、むしろ昔ながらの紙の辞書を引くことのほうが多いくらいだ。
英和辞書は高校入学の時に買わされた研究社のもの、まして国語辞典は、小学校のときに父からぶんどった角川国語辞典を今だに使い続けている。特に難しい文章を書いたり調べ事をするわけでもないから、別段困ることもない。
今の若い子たちは、紙の辞書を引くということも、もうないのだろうか。
さて、もうひとつ、図書館で中高生の所作を見ていて気がついたことがある。
大抵の子が、ヘッドフォン(イヤホン)をつけていて、その先はと見ると、彼らの携帯電話につながっているのである。iPodとかの携帯音楽プレーヤーではないのね。
てっきり少し前の感覚で、携帯で音楽をダウンロードしたり、音楽プレーヤー代わりに使ったりするのは、ごく一部のマニアックなユーザーばかりかと思っていたら、今や若い子は普通に携帯で音楽を聴いているのか。ふーん、と感心する。
さすがにどんな曲を聴いてるの?なんて聞けなかったけど。
まあ、確かに、携帯にしょっちゅう電話がかかってくる子だったら、ヘッドフォンで音楽だけ聴いてたら電話を取り逃してしまうかもしれないな。
かく言うぼくも、今使っている携帯に換えたとき、Bluetooth対応だったこともあって、ワイヤレスヘッドフォンを買って音楽プレーヤー代わりに使うのも悪くないかな、と思ったが、結局ずるずると、ただの携帯電話のままである。
そもそも、世間様に比べて通勤時間の極端に短いぼくは、どうしても外で音楽を聴かなければならないということもない。昔買ったスマートメディア対応の音楽プレーヤーはあるが、やはりお蔵入り状態で、机の奥のどこに行ったやら。添付の転送ソフトの使い勝手がいまひとつだったせいもあるけどね。
とはいえ、iPod、あったらいいなあと思うことはある。iPod nanoだと動画も見られるし、外でお勉強するのにいいかも、なーんて殊勝なことを思ったりもするのだが、それだったら、いっそモバイルのノートPCでも買ったほうがいいか、などと思い直したりする。
実は、さっきiPod shuffleを買ってきた。ちょっと小金が入ったんで。いや、値段のこともあるけれど、これくらい単機能のほうが、思い切りがよくて潔いのではないか、と思ったのである。
さっそく明日あたり、トレッドミルで使ってみるか。まだ箱も開けてないけど。