というわけで近所の量販店に自転車を飛ばしてiPodを買いに行ったら、インナーイヤー式のヘッドホンとのセット販売をしていて迷うのです。
店頭価格4,980円のヘッドホンとのセット。値引きはないが、ただし、1,500円分のiTunes Music Cardが付く。
自宅でiPod shuffleのカスタマーレビューをいくつか見ていて、基本的に満足度は高そうなのだが、中にいくつか、音質に不満があるような書き込みが目に止まった。
ここであえてヘッドホンとのセット売りを派手にやっているというのは、その音質面の不安を補ってあげようという店側の配慮なのかな?
しかし、そう来られると、単品だとせいぜい7,800円位のものだし、これだけ買ってさっと帰ろうと思っていたのに、セット販売に気持ちがぐらついて、売り場の前を行ったり来たりするのです。
5円でも安い特売の豆腐を探すおばちゃんでもこんなに悩まないだろ、ってくらい。
さんざん迷った挙句、うーん、iTunesカードも付いてるしな、セットにしちゃえ、と、結局はヘッドホンも一緒に買ってきた。
さて、うちに帰って封を開けて、標準添付のヘッドホンは使わず、早速セット販売のヘッドホンをつないで音を聞く。
すると、どうも、輪郭のはっきりしない音なのです。
電話の向こうの音、というと言いすぎかな。でも、そんな感じ。少なくとも高音は出ていない。低音は、太いといえば太く出てはいるのだが、もそっとした感じで、太い。
これが、iPodの音なのかな? 初めてなので勝手がわからないが、せっかくいいヘッドホンにしてこの音なら、ちょっとガッカリだぞ。
ややうなだれつつ、念のためと思って、標準のヘッドホンに付け替えてみた。
すると、これが悪くないのである。高音もクリアに聞こえる。低音は、さっきのほうが太く出ているのかもしれないが、あのもわっとした太さよりは、こっちのほうがいい。
なんだ、標準添付のヘッドホンで十分じゃん。
試しに、別売ヘッドホンをアンプのヘッドホン端子に挿して音を聞いてみたら、やっぱりもわっとした感じである。なんだ、iPodのせいではなく、またiPodとヘッドホンとの相性のせいでもなく、単にこのヘッドホンのせいだったのか?
あんなに悩まず単品で買えばよかった。
留保1:ぼくがインナーイヤー式のヘッドホンを買ったのは、これが初めてだった。単にぼくがこのタイプのヘッドホンの音質や装着感に慣れていないせいかもしれない。
留保2:音のいい悪い、装着感の違和感どうこうは、絶対的なものではなく、結局は個人の官能によるものだろう。
とはいえ、ヘッドホンの類は、売り場に装着できる試用品でも置いてない限り、購入前に自分の感覚を確かめることはできない。
要するに、ぼくとそのヘッドホンとの相性がよくなかったんでしょう。
確かなのは、お店のほうがぼくなどよりも一枚上手だということで、お店の狙いどおりに特売品になびいてしまった自分に苦笑する。
抱き合わせ販売で値ごろ感を喚起するのはよくある価格戦略だが、これが有効な手法であることは、私が請け合う。