前はずいぶん不健康だったんだろうな、というのは、今だからこそ言えるので、本人はそれが当たり前の状態だと思っているから、よほどのことのない限り、積極的に生活を変えようとは思わない。
おそらく、体調にも閾値のようなものがあって、体が我慢できる限界を越えると、とたんに悲鳴を上げだすのかも知れない。ぼくの場合は、それが眼の痛みとして表れたということなのだろう。
別にぼくは、必ずしも健康づくりのためにスポーツクラブに通おうとか、ダイエットをしようとか思い立ったわけではなく、むしろもっと漠然とした考えから始めたことなのだが(とはいえ、前に書いたように、それは切実な要請でもあったわけだが)、いわば二次的な効果として、自分の体と積極的に向かい合うようにもなった。
そもそも、この1年間で20キロ痩せたと書いたけれど、それだって最初から明確な目標があったわけでは決してない。
スポーツクラブというところに通うのも初めてなら、運動らしい運動なんてここ何年もしたことがなかったわけで、果たしてどれくらい続けられるか、まったく自信がなかった。
それが、しばらく続けるうちに、通えば通っただけ効果が表れることがわかってきた。
毎回、トレーニングの前後には、必ず体重と血圧、脈拍を測って自分のカルテに記入することになっているのだけど、新しい用紙をもらうたびに、自分の体重がどんどん減っていくのがよくわかる。
ジム通いの回数と体重減のペースがほぼ比例していることに気づいてからは、自分なりにその折々の数値目標を立てて、それを目安にトレーニングをするようになった。例えば、年末までに体重を何キロにするとか、何月までに何キロやせるとかいったように。1年間で20キロ減を目標にしようと考えはじめたのは、今年の春先だったと思う。
このあたりで、ある心境の変化が起こった。
順調に体重が減っていくのを見るうちに、そうか、おれもやればできるんだな、という変な自信が湧いてきた。まあ、正確に言えば、やればできる、こともある、といった程度のことなのだが、それでも、自ら目標として立てた数字が自分の努力によって達成できたという充実感は、久しく忘れてしまっていたものだった。
むろん、世の中には、いくら努力したってどうにもならないこともたくさんあることくらいはわかっている。が、努力の積み重ねがそのまま成果につながることだってあるんだ、という認識は、ものすごく新鮮なことのように感じられた。

“痩せ話 その9” への3件の返信

  1. おひさしぶりです。ひらきんぐさん。
    さおりん、公私共に新しい環境になれるのに(職場と恋愛ね)四苦八苦で、一時期から睡眠時間が3時間から4時間の間をさまよいつつ。
    で、わたしも疲れが溜まってか、
    左目の奥からこめかみ、そして後頭部にかけて串刺しされているような激痛が。
    たぶん、ひらきんぐさんのような状態。
    まあ、平たく状況を説明するとかなりどろどろで複雑で自暴自棄な恋愛騒動の2003年年末と2004年年始を過ごし、
    それらの反動をすべてお酒でねじ伏せていたので(午前3時くらいまでの飲酒)、
    体の方もたまったものではないですね。
    今は、6年間付きあった男子と別れて、
    そしてその日なぜか最終宣告お疲れ飲み会を開いてくれたいつものバーの席で、
    すぐに新しい男子とカップル成立ですよ。
    あまりに唐突過ぎて、
    日記もつけられないほどの環境変化です。
    相変わらず、睡眠時間は4時間ちょっとなので、そろそろ身体にいいことを始めようかと
    目論んでいます。
    去年の服が入らないわけではないのですが、
    確実に4kgは増えてしまった。
    一昨年、前の会社を辞めて、1年間遊んで暮らしたときに5kg増えて、去年3kg落とし、
    そして今年4kg増えたと言うことは6kg増えたわけです。
    わたしは背も高く、骨格とそこそこの筋肉があるので、そこに脂肪が乗っかっちゃったんですね。
    原因を考えると、以前は行きは公共交通機関を利用し、帰りは最寄り駅から徒歩で20分の道のりを帰っていましたが、
    今は帰りは車なので。
    日中の仕事は結構、なんでもありな専門学校の助手なので、力仕事は物凄い量があるので、安心しきっていたのだけど。
    でまた、新しい出会いに安心しきってこんな始末です。
    目に見えるようなあからさまな筋肉をつけようと、行動を起こしているところ。

  2. 久しぶりにサイトチェックしたら、やせ話の長さにびっくり!!
    今までは終電まで仕事をするような部署でしたが、今度は定時に上がれる職場に異動になったので、浜町スポーツセンターに毎日通います!
    でも9時閉館シャワー室も2箇所しかないのです。公共機関だから仕方ないか。
    でも、9時に家に帰ってきたら、飲みに行きたくなると思いません?(ーー;)

  3. さおりんさん、すいません。ご返事遅くなってしまいました。
    しばらくインターネットの使えないところにいたもので。
    (ってお盆に帰省していただけですが)
    なるほど。いろいろ大変だったんですね。
    でも、いいほうに回り始めているようで何よりです。
    やっぱり、さおりんさんみたいに、いい恋愛をして内面から自分を変えていければ、それに越したことはないんじゃない。
    内面が安定すると、今度は体のほうもよくしようと思うでしょう。
    ぼくはどうも恋愛力に乏しいので(情けない)、取り急ぎ外面を変えようと思ったわけです。
    心と体のどっちかくらいは健康でないとね。両方とも不健康だと、どんどん袋小路に入ってしまうような気がして。
    おかげで、この1年間で、思いもよらずフィットネスな人になってしまいました。
    さおりんさんも、筋肉がつくと脂肪が燃焼しやすい体質になりますからね(って、クラブの聞きかじりの知識)。
    ぼくも次は恋愛だな、って、もう若くないのに。いやはや。でもがんばろう。
    ともぴぃさんは、ひたすら有酸素運動をすることです。

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