有楽町から

第30回SGRAフォーラム「教育における『負け組み』をどう考えるか~日本、中国、シンガポール~」を聞いてきた。会場はいつもの東京国際フォーラムのガラス棟。
話を聞いて印象に残ったことと感想を覚え書きしておく。
最初の講師、東京大学准教授の佐藤香さん。
前近代の人たちは士農工商というような身分制度の枠内で生きていたから、その枠を超えるという観念そのものがなかったわけだ。一方、近代の教育システムは「社会のあらゆる階層から能力のある人を選抜し、社会に貢献できる人材に育成する」。
この「社会に貢献できる人材」というのが若干クセモノだろう。この社会という言葉を国家と言い換えてもいいだろうし、近代の国民国家の成立と公教育の関係に思いをはせてもよいはずだ。

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新宿から

結局飲んでいる

新宿駅の構内に「ベルク」というカフェ/ビアパブ(という言いかたをしていいのかな)があるのをご存知だろうか。
東口の改札を出て、アルタ方向に歩くとすぐ左手にある店なので、入ったことはなくても横目で通り過ぎたことがある方は多いんじゃないだろうかと思う。
さて、この店が、今年の3月末でこの場所を立ち退くことになるかも知れないという。

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三軒茶屋から

ニブロールの公演「ロミオORジュリエット」を見に行ってきた。
会場の世田谷パブリックシアターは初めてだったが、深い懐に包まれるようで、いい感じだ。舞台が半円状に客席の一列目に張り出している。そんな縦の線の広さを出演者は無尽に使っていた。
彼らの舞台は、オフ・ニブロール名義でのパフォーマンスはこれまで二、三度見たことがあるはずだが、単独の本公演を見るのは初めてだ。
実をいうと、あまり期待していなかった。というのも、12月に原宿で見たオムニバスのダンス・パフォーマンスイベントの中にオフ・ニブロールとして出演しているのを見たが、正直あまりピンと来なかった。ま、どんなものか見てやろう、という位のつもりで出かけた。

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甚五郎

今朝の日経で、ソニーの中鉢社長がインタビューに答えている中で、日本の電機メーカーの強み・弱みという文脈で曰く、「日本の強みはモノに魂を込めるほどのこだわりだ」と。
そもそも、魂はモノに宿るのか。巧みな作り手はモノに魂を込めることができる、という思い込みを自明とすることも考え直してみなければなるまい。
あるいは、それを自明と思い込んでいることが日本のメーカーのアドバンテージということなのかもしれないが。とすると、そのアドバンテージはそうたやすく消え去るものではあるまい。
甚五郎の木彫の話が頭に残っていたので、新聞を読みながら、そんなことを思った。

木場公園から

寝不足である

「Space Your Future」展を見に出かけたのだが、あまり印象に残らなかったな。なぜだろう。
こちらがあまり馴染みのない外国のアーティストが多かったからか。あるいはファイン・アートより建築や都市計画のような展示が目立ったからか。よくわからない。
図録をぱらぱらめくっていてもピンとこなくて(結局買わなかったけど)、今の自分には文字が右から左に流れていくだけのような気がした。
何か、真に迫るものがないといおうか・・・。

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竹橋から

落語に「ねずみ」という演目がある。
左甚五郎が旅先の旅籠でこしらえた木彫のねずみを店先に出しておいたところ、これが動くというので評判になり、貧乏旅籠に客が押し寄せてくる、というような筋だ。
この噺に限らず、落語の中の甚五郎は、超絶的な技巧をもって木彫に生命を吹き込む、ほとんど神話的な存在である。
さて、高村光雲による動物の木彫を見ていて、これと甚五郎の世界とは地続きではないか、と思った。
落語の甚五郎話は、どこまでが本当のことかよくわからないけれど、例えば光雲の「兎」を見ていると、耳の長短はさて措き、旅籠の店先に集まる江戸の人々の感興もこんなふうだったのかなと思いが至る。

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原宿から

とにかく人が多くて参るよ

「Harajuku Performance + (Plus)」展
会場: ラフォーレミュージアム原宿
スケジュール: 2007年12月22日 18:30 ~ 2007年12月23日
住所: 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-11-6 LAFORET HARAJUKU 6F
電話: 03-6406-6378 ファックス: 03-6406-6425