砧から

世田谷美術館のエントランス・ホール。
階段の踊り場にスピーカーがしつらえられている。蝋燭の小さな灯りがゆらめく。
(この光景はなぜかコインロッカー室でも小規模に繰り返される)
音的には70分間のアンビエント・ミュージック。

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神保町から

気まぐれに入った店

神保町の交差点からほど近いところにあるビルの地下。
まだ若いマスターがひとり。開店してひと月ほどだって。
ビール(バス)、マール(Marc de Bourgogne)、ラム(English harbour)を飲んだ。
マールというのは知らなかった。ワインの絞りかすから造る蒸留酒。要はイタリアのグラッパのようなものだというが。
他に客がいないことをいいことに、バックバーからラムの瓶をいろいろ出してもらって講釈を聞く。English harbourというのはアンティグア島のものだそうだが、プエルトリコ、マルティニック、トリニダード、ガイアナ・・・。酒瓶を見ているだけで気が遠くなりそうな。
しかしバーは気まぐれでしか入らないから、いつまで経っても馴染みの店というのができない。お酒の知識も増えない。ま、もっとも懐の都合もありますが。

秋田から

一軒目、北洲でした

目が覚めた。青森のホテルの部屋だ。
時計を見ると、夜中の2時過ぎか。
テレビでは夜回り先生という人がえんえんと語りつづけている。
チャンネルを変えたいのだが、リモコンがどこにも見当たらない。
テレビの脇を見る。ベッドの下を覗き込む。シーツの中をまさぐる。どこにも見当たらない。

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青森から

一軒目、小政酒道場でした

秋田へ行くことになった。
ぼくはこれまで、秋田には一度も行ったことがない。
というか、東北という地域に足を踏み入れたこと自体が、実は一度もない。
秋田での用事は、5日の午後の数時間だけである。
たったこれだけのために、わざわざ東京から時間とお金をかけて秋田に往復するのもバカバカしい。それなら、せっかくの連休でもあるし、いっそのこと、もっと時間とお金をかけて、北東北あたりをうろうろしてやろうと思い立った。

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