
一人席が空いていたので思わず座ってしまう。
腰をかけた瞬間、はあー、と声に出そうになる。
この席が空いているのなんて滅多にない。大きなエアコンの機械のせいで、二人がけのテーブル席の片側しか椅子のない席なのだ。
相変わらずレジの前は店からはみ出しそうな行列だし、カウンターには、あと一枚のトレイを置く余裕もない。
小さな店の一番隅のその席だけ、奇跡的にぽつんと空いている。
慎重にあたりを見回して、誰もこの席の先取権を主張しそうな人がいないことを確認したのち、おそるおそるテーブルにトレイを置き、椅子に腰を下ろす。はあー。