浦山から

浦山のお寺でライブがあるというので出かけた。
・・・こう書き出しても、読む人には浦山が分からないか。要するに、黒部の市街地から車や電車で宇奈月温泉方面に向かうと、途中にそういう名前の村があるのですよ。行政の区分では、旧宇奈月町のとばくちあたりになる。
かく言うぼくだって、黒部市に生を受けて30ウン年になりますが、まあ、その後半は故郷に不義理を重ねてばかりでありますが、ともあれ、生まれてこのかた、浦山のあたりは通り過ぎるばかりで、一度も立ち寄ったことがなかった。まあ、普通そうですよね。あのへんに家がある人でもなければ。

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下山から

発電所美術館

入善の発電所美術館で、河口龍夫展を見た。
展示室に入ると、左手すぐの導水菅から聴こえる音に足が止まる。しばし開口部の前に立ち止まり、管の奥を覗きこんだり、音に聴き入ったりして、ふと振り返ると、そこには船が浮かんでいる。
いったい、空に浮かぶ船というモチーフには、ぼくらの想像をくすぐる何かがあると思う。
導水菅から聴こえた音は、幼児の心臓音という。この場所が水力発電所の跡だという思いのせいか、会場じゅうに低く静かに響く音が、何かインダストリアルなノイズに聴こえる。今、発電所や工場で、実際にそういう音がしているのかどうか知らないが・・・。あるいは、そのような機械音の類も、もはや産業遺産の範疇だろうか。

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