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来週6月21日から小沢昭一さんが新宿末広亭の夜の部に出演されるということで、予習がてら買ってきた。
去年の12月に出た小沢さんと寄席演芸に造詣の深い12人との対談集。雑誌「論座」の連載をまとめたものだという。


寝る前にパラパラとめくっている程度だけど、ふと思ったのは、対談相手に小沢さんより年長の方が何人か混ざっていること。
いや、すごく失礼な話なんですが、小沢さんって、今年76でしょう。
お年のことはあまり言ってはいけないんでしょうけど、例の「小沢昭一的こころ」にしても、決していつまでも続くわけじゃないんだよなあ、と、ふと思ったりして。
すると、すぐに、いや、そんなことはない、小沢さんはいつまでもお元気だ!なんて自分の中で打ち消してみて、一瞬かなしくなる。
でも、小沢さんより年長の芸人さんがお元気で活躍されていて、この対談集の中でも、そうした先輩たちに対して、小沢さんは実に礼儀正しく、しかるべき敬意を払われているのがよくわかる。むろん、年少の人にも決してぞんざいな話し方はされない人だが。
小沢さんは、これまでの仕事で、数えられないくらいたくさんの、自分より年長の芸人さんの芸談を聞かれて、それをご自身の芸の肥やしとしてこられた方だと思う。
まだいっぱい、小沢さんが話を聞く相手がいるじゃないですか。そしてそんないい話を、これからもどんどん、ぼくらにも教えてください、なんてことを思った。
ちなみに、12人のうち、小沢さんより年長なのは、登場順に桂米朝、桂小金冶、神田伯龍の各師。
そういえば、この桂小金冶という人も、ぼくにとって、長い間よく分からない人だったんだ。小さい頃に見た「それは秘密です」が印象的で、その後はあんまり印象になくて。
桂っていう亭号がついているんだから、落語家さんなんだろうなと漠然と思っていたが、自分で落語をしばしば聞くようになって、寄席にも出てないようだし、どこかの協会に属しているということもないみたい。
よく、一時期テレビで売れっ子だったタレントさんが、あまりテレビに出なくなると、どこか体を壊したのかとか、亡くなったんじゃないかとか思われるという話があるでしょう。
失礼な話、ぼくもこの人はそうなのかなと思っていた。
本当に失礼しました。この対談を読んで、どういう人なのかがよくわかった。
「それは秘密です」なんかよりもずっと前、多分、ぼくらの親くらいの世代にはお馴染みのスターだったんだろうな。
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日日談笑―小沢昭一的人生
この本は先日、ブックオフでまとめて買ったうちの一冊。
同様に小沢さんの対談集だが、こちらのほうはテーマは寄席に限定されていない。
ところで、また見逃してシマッタなあ、という話になるが、この本にバルタバスという人と小沢さんとの対談が収録されている。
何者かと思うと、このバルタバスという人、「ジンガロ」という騎馬オペラの主宰者で、小沢さん、前にパリでこのショウを見て、一気に心酔したらしい。
「ジンガロ」って、ついこないだまで、木場公園の仮設劇場で公演してたやつじゃないか! 東京都現代美術館に行ったとき、なんだろうと思って壁の隙間から覗いたりしてたんだ。
これが小沢昭一大先生絶賛だったとは。
なかなかおいそれと見に行ける値段でもなかったようだが、これだけ小沢さんが誉めてるんだから、余程のことでしょう。やっぱり、見に行っておけばよかった、と言わせてください。
ジンガロ
http://www.zingaro.jp
(小沢さんのメッセージも読めます)

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