入善の発電所美術館で、河口龍夫展を見た。
展示室に入ると、左手すぐの導水菅から聴こえる音に足が止まる。しばし開口部の前に立ち止まり、管の奥を覗きこんだり、音に聴き入ったりして、ふと振り返ると、そこには船が浮かんでいる。
いったい、空に浮かぶ船というモチーフには、ぼくらの想像をくすぐる何かがあると思う。
導水菅から聴こえた音は、幼児の心臓音という。この場所が水力発電所の跡だという思いのせいか、会場じゅうに低く静かに響く音が、何かインダストリアルなノイズに聴こえる。今、発電所や工場で、実際にそういう音がしているのかどうか知らないが・・・。あるいは、そのような機械音の類も、もはや産業遺産の範疇だろうか。
初台から
《S/N》からのモノローグ
“I dream . . . my gender will disappear.”
さっきからホモセクシュアルとヘテロセクシュアルの境界について考えている。
誤解を恐れずに言えば、今のぼくは、その二つのどちらでもないのでないか。
少なくとも、そのようなレッテル貼りは無効であると思う。
というのは、今のぼくには、ステディなパートナーがいないのだから。
ひとつの愛が、常に新たな発見であり、発明であるような愛を夢想するのだが。
白金台から
清澄白河から
水戸から
水戸芸術館の中庭から、ジュリアン・オピーの野外作品とタワーを1フレームに入れようとしたら、怪獣に襲われたみたいになっちゃったぞ。
水戸から
小名浜から
渋谷から
名残惜しくってワンダーサイトにもう一度来てしまった。今日が会期の最終日なのだ。
本当にこの作家にはヤラレタ。雨宮庸介という名前を覚えよう。
小さな入口から腰をかがめて展示室の中に飛び込み、顔を起こして左右を見回し、「順路」という案内板につられて左側の部屋から先に見る。
そこはリンゴも溶ける世界だった。まるでダリの絵画の中に入り込んだかというような部屋に迷い込む。
北品川から
原美術館で「アート・スコープ 2007/2008」展を見てきた。
この展示はドイツと日本のアーティストの交換プログラムに基づくもので、ドイツ側の二人のアーティストのことはまったく知らないけれど、日本側のアーティストはぼくにもなじみのある名前だ。
照屋勇賢氏は前回の横浜トリエンナーレ、そして昨年のアサヒ・アートコラボレーションでも見ているし、加藤泉氏はMOTアニュアル2007の会場でギャラリー・トークを聞いた。