いとうせいこうさんは、ぼくの学生時代にはすでに、テレビ番組の司会やCM出演などで、一般にも顔を知られる存在になっていた。
せいこうさんは、80年代東京の古き良きサブカルチャーに実際に携わっていた人たちの中では、若い年代に入るのではないかと思う。
ぼくが大学に入学した1990年には、もうラジカル・ガジベリビンバ・システムとしての活動はすでに行われていなかったと思うが、「根本原理主義者」名義の舞台をラフォーレミュージアム原宿に見に行ったことを覚えている。
90年代初め頃の東京では、80年代文化の残り香をなんとか嗅ぐことができたのだ。
錦糸町から
当代の神田山陽さんは、もちろん名の知れた講談師で、多彩な活躍ぶりはメディアでも時折拝見するけども、さあ、生の読み物を聞いたことがあるだろうか。
気まぐれに入る寄席で、落語芸術協会の番組をやっているときにでも聞いたことがあるんじゃないかと思うが、それも、はなはだ心もとない。
そもそも、講談という芸能自体、せいぜい芸協の番組に挟まっているのを目にする程度だし、本牧亭の講談定席にも行ったことがない。
たまたま、近所のあられ屋(というと非常に限定されるけど)で買い物をしたら、店先に山陽さんの公演のチラシが置いてあって、会場もすぐ近くのトリフォニーホールだというし、思い立って出かけることにした。
土曜日の朝、うちにいるとき
どうも、ここ最近出不精になってしまって。
周期があるんですね。動き回る時期は、朝から何ヶ所も時間を惜しむように出歩く。
それが、5月頃から、スローダウンのモードに入ってしまっているようだ。
単に、お疲れ気味ということかも知れないけど。
そういえば、6月は一回もジムに行ってなかった。その分の会費をムダにしたというだけでなく、これは精神衛生上も非常によろしくない。せめて肉体の健康でバランスをとらないと、気分まで鬱屈してしまいそうだ。
というわけで、だらだらと過ごしがちな週末なのです。
量販店の価格戦略に関する一考察
というわけで近所の量販店に自転車を飛ばしてiPodを買いに行ったら、インナーイヤー式のヘッドホンとのセット販売をしていて迷うのです。
店頭価格4,980円のヘッドホンとのセット。値引きはないが、ただし、1,500円分のiTunes Music Cardが付く。
自宅でiPod shuffleのカスタマーレビューをいくつか見ていて、基本的に満足度は高そうなのだが、中にいくつか、音質に不満があるような書き込みが目に止まった。
ここであえてヘッドホンとのセット売りを派手にやっているというのは、その音質面の不安を補ってあげようという店側の配慮なのかな?
中高生機器
ヒマなので近所の図書館に出かけた。
書架の奥では、中学生や高校生の若者たちが参考書だのノートだのを広げて静かに勉強していて、自分が学生の頃とさして変わらぬ光景にシミジミとするのだった。
とはいえ、さすがに時代の流れやのう、と感心しつつ見たことが二つ。
ひとつ目は、彼らの多くが机の上に電子辞書を置いて、時折何やらキーを叩いている。英単語でも調べているのかな、と思って、ちらりと横目で見ると、日本史のテキストを読んでいる女の子が、坂上田村麻呂、なんて検索しているので、最近の電子辞書にはそういう方面のデータも含まれているのだろうか。
しかも、同じようなタイプの電子辞書を持っている子が他にいたので、もしかしたら学校指定の機種でもあるのかな?
吾妻橋から
開始時刻になったのに、お客が私以外誰もいない。
これは困った状況ですよ。
昔の寄席の笑い話で、噺家とお客が一対一、なんていうマクラをたまに聞くけれど、当今の落語ブームのせいか、残念ながら(?)、ぼく自身は寄席でそういう状況に出くわしたことは一度もない。
でもまあ、寄席ではないけど、こんなこともあるんだね。
少しスタートをずらして始めて、その後、何人かぽつぽつと客席に入ってきたけれど、結局、出演者や関係者のなんだか身内みたいな人しか来なかった気がする。
うーん。
新宿から
一人席が空いていたので思わず座ってしまう。
腰をかけた瞬間、はあー、と声に出そうになる。
この席が空いているのなんて滅多にない。大きなエアコンの機械のせいで、二人がけのテーブル席の片側しか椅子のない席なのだ。
相変わらずレジの前は店からはみ出しそうな行列だし、カウンターには、あと一枚のトレイを置く余裕もない。
小さな店の一番隅のその席だけ、奇跡的にぽつんと空いている。
慎重にあたりを見回して、誰もこの席の先取権を主張しそうな人がいないことを確認したのち、おそるおそるテーブルにトレイを置き、椅子に腰を下ろす。はあー。
must be floating around
pupaのオフィシャルサイトを見ると、鈴木慶一さんが「pupaで驚くべきところは、圧倒的なバッキングトラックの統一感と、全員のヴォーカルの質感の違いだ。これは、往年のスーパーグループを思い起こさせる。」というコメントを寄せていて、往年のスーパーグループというのは正直よく分からないけど、音については確かにそうだなと膝を打つ。
ふと思い出すのは昨年のミカバンドの再結成で、幸宏さんが手がけた2曲はアルバムの中で見事に浮いていた。いや、そうなることは分かってやっていたんだろうし、逆に言うと、ミカバンドは往年のスーパーグループなんかじゃないよ、ということなのかも知れないね。ご当人たちの中ではもっと生々しいものなのかも知れない。10代、20代の頃と直結しているような。
吾妻橋から
木場公園から
入場するまで、なぜか本当に美術館の屋上で展示しているものと思い込んでいて。
なんなんだろう、この思い込みは。
全体に品がよくて、贅沢に場所を使っていて、さわやかで気持ちよかった。もう一回でも、見に来たらよかったな、と思ったのは最終日のこと。