1982

ハマトリもいいがBankART Lifeも見に行かないと。
そう思って、まず馬車道のBankART1929を覗いたら、ブックフェアをやっていた(もう3週間程前の話だ)。
美術関係の本や雑誌を取り扱っている出版社やギャラリーなどが、BankART1929のホールにブースを出して、自分たちの本を即売している。
といっても、そんなに大きなブースじゃないですよ。お祭りの屋台くらいなものか。そこに、店番の人がひとりかふたり、ちょこんと座っている。そんな小さな本屋が、ホールの中にぎっしり並んでいた。
こちらは別に本を買うつもりで来たわけじゃないから、適当に冷やかしながら歩いていると、一軒、奇妙な古本屋が目にとまった。
どう奇妙かというと、その店の売り物の本は、すべて、封をされた紙袋の中に入っていて、袋の中身を外から確かめることができない。
なんだろうと思って店の前で足を止めると、箱の中からクジを1枚引くように促された。クジには4桁の数字が書いてある。本が入っている紙袋にもあらかじめ4桁の数字がスタンプしてあって、お客さんは、引いたクジと同じ数字の本を一冊買うことができるというわけ。実は、この4桁の数字は西暦で、包まれている本の出版年なのだとか。
ものは試し、やってみましょうか。
ということで、出てきた数字が「1982」。
何冊かあった「1982」の本のなかから、ぼくが選んだ1冊が、これ。まだ、封を開けてません。
bankart_book1.jpg
せっかくなので、今、封を切ってみましょう。どんな本が入っているのかな?

“1982” の続きを読む

ハマトリの遺物たち

hamatori_chalk.jpg
ハマトリ最終日の堀尾貞治さんのパフォーマンスの際に観客に配布されたチョーク。
堀尾さんがナカニワいっぱいにバケツの水で「ありがとう」と書き、流れた水の輪郭を観客みんなでチョークを持ってなぞるというもの。私もなぞらせていただきました。そのかけら。
hamatori_rope.jpg
アン・ハミルトンの作品「ライン」で実際にクライマーが使用していたロープの一部。
最終日のパフォーマンスを見ていたら、スタッフの人が売りにきたので思わず買ってしまった。1本300円。前日まで使っていた本物だっていうけど、まあ、信じるしかないか。
ロープに巻いてある紙は、この作品のためのスケッチの複製だとか。
hamatori_rodin.jpg
ミゲル・カルデロンの作品「ロダン」に使われていたトイレットペーパー「ロダン」(本物)
先日のZAIMでのトリエンナーレ作戦会議Vで配っていたのでもらってきた。
って、これも本当に本物なのかなあ。信じるしかないけど。

“ハマトリの遺物たち” の続きを読む

シュテファン・バルケンホール展のメモ

彩色されたレリーフは、だまし絵のようにも見える。
どこからどこまでが平面で、どこからどこまでが立体か。その見極め、切り分けが分からなくなり、慌てて近づいて確かめる。
わずか数センチの板の上に現れる薄っぺらな現実だが、われわれの生きているこの現実も、あるいはそういうものかと思う。
すべてが舞台装置、大道具のようなものかも知れない。

“シュテファン・バルケンホール展のメモ” の続きを読む

ZAIMから

とうとうこんなところにまで来てしまったよ

トリエンナーレ作戦会議Vのメモ
川俣氏、トリエンナーレはなぜ同じ日にやらないのか(同時期に開催しないのか)と提起。世界一周トリエンナーレ、ビエンナーレツアー。

“ZAIMから” の続きを読む

李禹煥展の余白

白いキャンバスは自明のものとして与えられているのか。これは一種のレディメイドではないかと思う。画材店でキャンバスを買ってきて、それをそのまま美術作品として展示したっていいだろう。それなら、作家のひと筆はモナリザの髭?
キャンバスに白く地塗りを施す人(機械?)と作家との距離は?あるいは、これは一種の注文芸術?

“李禹煥展の余白” の続きを読む

「池田龍雄と語る夕べ」のメモ

銀座のギャラリー58に美術家の池田龍雄さんのお話を聞きに行ってきた。
「池田龍雄と語る夕べ」と題した月1回の連続講演の企画、今回をもって最後とのことだが、私は今回が始めて。今回のテーマは「戦前と戦後・瀧口修造の位置」。
美術史家の小沢節子氏との対談形式で行われた。

“「池田龍雄と語る夕べ」のメモ” の続きを読む

野毛から

「いわゆるおでん屋」の話で思い出した。
そういえば、ついこの間、野毛でおでんを食べたんだ。あの店は「いわゆるおでん屋」といってもよさそうだ。
最初に入ったのは、野毛の飲兵衛ラリーに出かけたときだ。
飲兵衛ラリーは何回か開催されているようだけれど、ぼくは一度しか参加したことがない。第何回になるのか、とにかく、東急の桜木町駅が廃止になるという、その晩だ。

“野毛から” の続きを読む

中野から

ごちそうさま

ある友人(居酒屋マニアではない)に連れられて中野で飲んだ。初めて入る店。
店の入口で、バイトらしい若い店員が、靴を脱いで玄関のロッカーに入れるように言うので、ちょっと腰が引けた。こういうのはチェーン店系の大型店でよくある作りじゃないだろうか。
玄関は狭く、すぐ目の前が階段なので、あまり店の中は見えない。店員に言われるまま、階段を上がって2階に通された。

“中野から” の続きを読む