少し前の話になるけれど、恵比寿の写真美術館でやっていた「恋よりどきどき」展は、結構ショックだった。
というのは、そこに出展していたコンテンポラリー・ダンスの集団のことを、ぼくはまったく知らなかったから。
いや、単に、今、自分が知らないということなら、これから知っていけばいいわけで、それ自体は別にショックでもなんでもない。
むしろ、ぼくが知らない人たちが、ものすごい集客力を持ってすでに何年も活動していた、という事実が、かなりショックだった。
まあ、もともとバレエやダンスなど、まともに見たこともないし、ろくろく知らないんだけど。
ただ、そういった、ろくろく知らないけどなんだか面白そうだ、ということを見つけるアンテナや、見つけたことに関心を持って追いかけていくエネルギーが、今の自分には薄れてしまったのかなあ、という悲しさがあった。もしこれが、学生のころの自分だったら、どうだったかと思う。
「富山」が「世界」で「世界」が「富山」で
腰が痛い。
たとえば、床とか低いところにある物を取ろうとするでしょう。
かがむと腰が痛い。だから、しゃがんで取る。
この感覚がわかるようになったら、おじさんの仲間入りではないかと。
連休に、実家の畑で耕運機を動かしたんだけど、いや、耕運機といっても家庭菜園用のごく小さなものですよ。自走式でもない。
ということは、前に進む速さを調節したり、耕す向きを変えたり、そういう動きひとつひとつに、ヘンな力をかけないといけない。
そんなことを繰り返しているうちに、腰をおかしくしてしまったようなのです。
いやはや。なんだかもう年ですかね。
県立近美から
ロダンとカリエールとエロ
上野の西洋美術館に「ロダンとカリエール」展を見に行ってきた。
ま、タダ券をもらったからですが・・・。
西洋美術館はかなり久しぶり。
先に全体の感想をいうと、実は結構よかった。感動しました。
これは、ぼくがこの展覧会についてまったく予習せずに出かけたのが、結果的によかったのかもしれない。ロダンについては通り一遍のことしか知らないし、カリエールという画家については、その名前さえ知らなかった。てゆうか、うちに帰って手持ちの西洋美術史の本を見たけど、全然名前が出てないよ。
東京−ベルリン往還
もう4月かよ。
って、先月も「もう3月かよ」って書き始めようと思って、そのままズルズルとタイミングを逸してしまったような気がする。
森美術館に「東京−ベルリン/ベルリン−東京展」というのを見に行ってきた。
これはまだ会期があるし、あと1、2回は見に行くことにするから、細かい話は後にして、ざっと印象を覚え書きしておく。
展示室に入って、最初はどういうポイントで見ればよいのかよくわからなかった。
ヴィトリーヌ再見
ヴィトリーヌという作品を、ぼくは誤解していたと思った。
そうか、これは光の中で見るんだ。
本当は、こんな暗いところで見るものじゃないんだ。外光でも人工光でもいい、とにかくまばゆい光を当てて、これらの作品を見直してみたい。そうすれば、ずっと当時の人たちの目に近づけるのではないだろうか。
そんなことを思った。
Birthday Cake
梅若猶彦氏の公演の話だった。
しかしあれは能なのか、能を知らないぼくには、そこからしてよく分からない。
夕方の6時過ぎに会場のBankART1929に着いた。
受付で話を聞くと、開演は7時半というので、それまでしばらく、1階のホールで梅若猶彦氏の前作を上映するので、それを見てくれとのことだった。
ごちゃごちゃとマーケットの屋台が並んでいる中に大きなプロジェクターと椅子が搬入されて、即席の上映会場がしつらえられた。
一泊二食付き
あーっと、前回書き忘れたことから書いておくと、BankART1929で見た眞島竜男氏のインスタレーションで、ピザを何度も繰り返し切り刻んでは重ねて、最後に犬がガツガツ食う映像は、結構衝撃的でした。
だんだんピザがピザの形をとどめなくなっていって、最終的には人の食べ物と犬の食べ物の境界線を乗り越えていくというか。そうか人の食べ物=犬の食べ物であり、犬の食べ物=人の食べ物なんだなあという、実は当たり前の事実に気づく。
美食同源、か。
横浜のBankARTに「食と現代美術 Part2」という展示を見に行ってきた。
サブタイトルで「美食同源」なんてシャレてもいる。
そもそもぼくは、食べることも飲むことも大好きだが、食べることや飲むことについて書かれた文章を読むのも大好きである。
では、食べることや飲むことについて描かれた美術作品を見ることについてはどうか。
ま、あんまり考えたこともなかったけれど・・・。
1982
ハマトリもいいがBankART Lifeも見に行かないと。
そう思って、まず馬車道のBankART1929を覗いたら、ブックフェアをやっていた(もう3週間程前の話だ)。
美術関係の本や雑誌を取り扱っている出版社やギャラリーなどが、BankART1929のホールにブースを出して、自分たちの本を即売している。
といっても、そんなに大きなブースじゃないですよ。お祭りの屋台くらいなものか。そこに、店番の人がひとりかふたり、ちょこんと座っている。そんな小さな本屋が、ホールの中にぎっしり並んでいた。
こちらは別に本を買うつもりで来たわけじゃないから、適当に冷やかしながら歩いていると、一軒、奇妙な古本屋が目にとまった。
どう奇妙かというと、その店の売り物の本は、すべて、封をされた紙袋の中に入っていて、袋の中身を外から確かめることができない。
なんだろうと思って店の前で足を止めると、箱の中からクジを1枚引くように促された。クジには4桁の数字が書いてある。本が入っている紙袋にもあらかじめ4桁の数字がスタンプしてあって、お客さんは、引いたクジと同じ数字の本を一冊買うことができるというわけ。実は、この4桁の数字は西暦で、包まれている本の出版年なのだとか。
ものは試し、やってみましょうか。
ということで、出てきた数字が「1982」。
何冊かあった「1982」の本のなかから、ぼくが選んだ1冊が、これ。まだ、封を開けてません。
せっかくなので、今、封を切ってみましょう。どんな本が入っているのかな?