某月某日
宮坂さんに呼び出されて秋葉原へ。といっても電気街ではない。
待ち合わせまで少々時間があったので、書泉ブックタワーで小沢さんの新刊「老いらくの花」を購入。目の前の新刊書の棚に何冊も並んでいるのに気がつかなくて、わざわざ店員さんに聞いて恥ずかしい。
1時間余りで用事は終わり、さあ飲みに行こうということになった。
宮坂さんにはどこか目当ての店があるらしいが、そのことにぼくが異論を唱えられるはずもない(なにしろお金を出すのは宮坂さんだから)。
再開発地区に建った巨大なオフィスビルに入った。
こんなビルの中にも飲み屋があるのだろうか。案内図を見ると、2階、3階あたりは確かに飲食街になっている。それで、魚で酒を飲ませるらしい店に腰を落ち着けた。
百軒日記帖 その3
某月某日
浅草あたりを自転車でうろつく。
途中、小沢さんの「ぼくの浅草案内」にあった写真と同じ家並みを見つけて思わずパチリ。今度入ってみるか・・・。
まあ、アレコレあってから、行きしなに見つけて気になっていた「ちゃんぽん」と暖簾のかかった店の前を再び通ると、どうしても誘惑に逆らえない。
お世辞にも新しいとはいえない店だが、店内は綺麗に掃除してあって、ステンレスの銀と壁の白さが目にまぶしい。調理場には60代くらいのお父さん二人。
カウンター席に腰を下ろして、瓶ビールとチャンポンを頼む。
因縁噺の夜

下町中ノ郷寄席に行ってきた。
会場の中ノ郷信用組合本店は、実はうちから自転車で2、3分もあれば着くところ。
近所をうろうろしていると、月例のこの会のポスターがあちこちに目に付く。
それでもなぜか、今まで足が向かなかった。これからはおっくうがらずにどんどん腰を上げることにしよう。
信用組合の前まで来ると、ちょうちんが上がっているのが見える。
通用口から入って、チケットを買って、エレベーターで4階に上がる。会場は信用組合の大ホール。パイプ椅子が扇形に並んでいる。お客の入りは、最後は4、50人くらいにはなったのかなあ。
竹橋から

ささやかな旨さ

浅草のはずれでふらりと入った店で食べたチャンポンが旨い。
さて、この「旨い」というのが案外難物で、ぼくはかねて、ラーメンの類が「旨い」と世上もてはやされることに、違和感がぬぐえないタチだ。
だから、このチャンポンが「旨い」と書いてしまったそばから、自分で自分の表現に留保をつけてしまいそうになる。
何を言ってるんだかわかりませんよね。
要するに「旨い」って感覚には、二種類あるような気がするのです。
「ハレ」の旨さと「ケ」の旨さとでも言いましょうか。
百軒日記帖 その2
某月某日
三平堂落語会に出かけた。今日は大入り。落語会を始めて以来のお客さんの数だとか。
会がはねてから、来る途中にちょっと目をつけておいた立ち飲み屋に入る。
正直、思ってたのと若干違う雰囲気。
要するに、全体に若いのね。店そのものも新しいし(開店して5ヶ月と言っていた)、取り仕切るのも20代程の若い男が二人。お酒や焼酎だけでなく、カクテルの類も作るようで、和風ショットバーという趣もあり。ま、それはそれで悪くはない。
料理はいろいろできるようだ。じゃこやっこ、というのとちくわ焼きを頼む。
まず生ビール。それからお酒を冷やで。
じゃこやっこというのは、冷奴の上から油で熱したじゃこをかけて、たっぷりの削り節を添えたもの。ひと工夫してあるわけだ。ちくわ焼きは、名前どおりのものでした。
百軒日記帖
先日「酒場百選」の出版記念会にノコノコと出かけていって、ひさかたぶりに斯道の熟達の方々にお目にかかった。
こういう場所に顔を出しているわりに、全然精進が足りない自分の至らなさを思うとともに、皆さんの日ごろの活動ぶりに刺激、触発された。
そこでワタシも、ここいらで気を入れ直して、居酒屋めぐりを再び活性化させましょうか。カロリー摂取には気をつけながら・・・。
ところでこの「酒場百選」って、ホントに酒場が百軒紹介されているのかな?
クダラナイことが気になって、巻末の酒場一覧を数えてみると、おや、全然百軒以上あるぞ。
まあワタシは、酒場を字義どおり百軒渡り歩くことをとりあえずの目標にして、それまでの覚え書きを残しておくことにしよう。題して、百軒日記帖と。
根岸から

初台から

「型」と「形」を間違えていた。
もうひとつ、てっきりこのタイトルは瀧口の言葉から引用したと思い込んでいたのだけど、武満徹自らの言葉だったのか。
だとすると、ちょっとぼくの考えが変わりますよ。
指を切る
ここ数日、手の指を切ってばかりいる。
土曜日の朝、スポーツクラブの冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを出そうとして、どういうはずみだか、左手の薬指の付け根あたりが切れた。
同じく土曜日の午後、両国駅に向かおうと自転車に乗っていて、歩道を右折しようとしたとき、直進してきたどこかのおばさんの自転車とぶつかった。そのとき、右手の小指と薬指が相手の自転車に当たって、皮が剥けた。
昨日の夜、やはり右手の小指が少し切れて血が出ているのに気づいた。これは、どうして切ったかまったく心当たりがない。
今朝、カミソリで髭を剃っていて、顎の下をあたっているときに、カミソリの三枚刃が左手の人差し指の爪に当たった。まあ、当たったところが爪だから、痛いわけでも血が出るわけでもないけれど、髭剃りの手元がそれるのなんて滅多にないし、そういえば最近、指を切ってばかりいるな、と思うと、あんまりいい気持ちはしなかった。