西洋人形

朝起きて洗濯機を回す。今日は外出。出掛けに何を着ていこうか迷う。スマホが見当たらない。机のまわりをさんざん引っかきまわした後で、寝床に置きっぱなしにしていたことに気づく。

ずいぶんロスタイムになってしまった。普段より遅い電車に乗って、普段乗らないバスに乗って、辛うじて間に合った。

昼はあんかけ丼なるもの。その後、河岸を変えてコーヒー。

夕刻、歩いて森下の開座に。

今日から四日間のアトリエ公演には黒田百合さんが出演する。しかも緊縛師の有末剛さんが参加。意外なようだが、有末さんが開座のアトリエ公演に参加するのは初めてとか。そして百合さんが縛られるのも初めてという。

公演のタイトル「いがね縄夜」の、いがね、というのはどこかの方言と聞いたが、どこだかは忘れた。

ワンピースのドレスに身を包んで、椅子に腰かける百合さんの姿は、さながら西洋人形である。座ったままで縛られながら、辛うじて足先を動かしたり、表情を作ったりしていたが、それも人間というより自動人形の動きのように見える。

百合さんの縄が解かれると、今度はアオモリさんと渡部みかさんが縛られる。この時の百合さんはどこか所在なさげである。視野がとりちらかって散漫な印象もある。後から聞くと、アオモリさんとみかさんは百合さんの心象風景という演出意図があったらしい。が、みかさんやアオモリさんが百合さんを食ってしまった感もある。

さすがの百合さんも、初めての緊縛に呑まれていたのだろうか。

終演後、森下から歩いて帰宅。1時間程で歩けるものだ。13,231歩。