だらだらしていたら、出掛けるのが8時近くになってしまった。しかも何度も忘れ物に気づいて、玄関を出たり入ったりする。
外に出ると、はっきりと日差しが強い。これでは長時間歩くのはもう難しいなと思う。 あきらめて曳舟から電車に乗る。
喫茶店でモーニングの時間はなし。
道に見慣れないテントが出ている。近づくと何か撮影をしているようだ。スマホを構えたらスタッフらしい男に制するような身振りをされた。
今日に限らず、時々、散歩の途中で撮影している場面に出くわす。まじまじと見ることはないから、それがテレビなのか映画なのか、あるいは、もっと個人的にやっている配信の類なのか、よく分からない。ここ最近増えたような気もするが、私が散歩を始めたのはコロナ以後の話なので、コロナ禍で一時的に減っていたのが旧に復したのか、それも分からない。
撮影現場の前を通ったせいで、持ち帰りサンドイッチ屋に寄れなかった。コンビニに寄ったら、商品の入れ替えのタイミングにかち合ってしまったか、棚にサンドイッチの類が一切ない。あまり行かない店まで足を伸ばした。
昼間、抜け出して歯科治療の続き。
歯茎の腫れがまだ残っているので、本格的な治療は来週に持ち越しということになった。思ったより大工事になりそうである。
夕刻、諸事情で某所。
終わって銭湯に。
今までこの銭湯のことは名前を出して書いたことはないかも知れない。大黒湯といっても、押上ではなく、北千住の大黒湯である。
先週だったか、たまたま見かけたツイートで、この銭湯が6月末をもって営業を終了することを知った。
私がしばしば銭湯に行くようになったのは、散歩同様、コロナ以後の話なので、世間には数多銭湯好きのいる中で、私などが蘊蓄を垂れるなどは烏滸がましい。が、その限られた銭湯体験から見ても、ここは一等の銭湯と思われた。
ただ、残念ながら、ここには両手で数えられる程度しか来られていないと思う。拙宅から歩いて行ったこともあるが、一時間もかかるのでは、さすがに普段使いはできなかった。片道30分ほどで歩いて行ければ、もっと通っていただろう。
せめて廃業までに再訪したいと思っていて、タイミングが合った。
店の外には特に廃業を知らせる掲示はない。間違いであってくれればと、一縷の望みが繋がったような思いで中に入った。
脱衣場に掲示があった。やはり廃業は本当だったか。建物の老朽と店主の健康が理由として挙げられていた。
銭湯絵の西伊豆から仰ぐ富士の山容を目に留めるように湯槽と水風呂を往復した。露天岩風呂も名残惜しい。 脱衣場の天井絵をしばらく見上げてから出た。
旧街道のパチンコ屋の地下駐車場の入口から飛び出してきたのは二羽の小鳥か。いや、この時間だから、蝙蝠だろう。そういえば、蝙蝠は何と数えるのだろう、二羽、それとも二匹?
13,178歩。