客商売

朝の通り道で見かけた黄色い花。帰ってから名前を調べると、セイタカアワダチソウ。この花がそうなのか。今まで名前と姿が結びついていなかった。

そもそも、私の子供の頃にこの花を見た記憶がない。帰化植物というから、当時の富山県にはまださほど繁茂していなかったということか。

迷惑な植物という思い込みがあったが、鮮やかな黄色の小さな花が集まって咲く様は、よくよく見ると繊細かつ豪奢で美しい。ちなみにこの花が花粉症の原因という話はフェイクらしい。

道端の植え込みにヒルガオが一輪咲き残っている。夏場は溢れるように咲いていたのに。それにしても花の時期が長いものだと思う。

朝はコンビニのサンドイッチ。昼はラーメンの後、河岸を変えてコーヒー。これはコロナ以前の典型。

夕刻は高田馬場に。自分の中の自分では見られない部分を他人にさらす。

自分の姿を自分では客観的に見ることはできず、他人のほうが自分の姿をよく見ているということは、頭では分かったつもりになっていたけれど、改めて痛感させられる。しかし、その他人だって常に自分の姿をあけすけに指摘してくれるとは限らない。今回は少し突っ込んで話して、そんな指摘が出てきた。そうか自分はそんなふうに見られていたのかという、ほろ苦い気づきがある。客商売なのだから、そう簡単に本音は出さないだろうし、これが最後の機会ということもあったのかも知れない。

久し振りに外でひとり飲みをしていくことにする。学生時代からの馴染みの店が残っているのは有難い。

カウンター隣席の二十代後半くらいかな、仕事帰りふうの女性のひとり客が、顔見知りらしい店員さんに親しげに話しかけている。今日の仕事の話、上司の話。この人もこの店に孤独を持ち寄っているのだろう。

中瓶一本と熱燗二杯で帰った。8,652歩。